みんなの保育の日とは?社会全体で子どもを育むためのポイントも
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4月19日は、保育業界で活躍するスタッフや育児中の方はもちろん、普段子どもと関わることのないような方も、一丸となって保育について考える「みんなの保育の日」です。
みんなの保育の日は、日本記念日協会に正式的に認定・登録された日本の記念日となっています。毎年4月19日には、保育にまつわるさまざまなイベントやプロジェクトが実施されます。
そこで今回は、みんなの保育の日の概要や過去に行われたイベント例を紹介します。また、子どもを社会全体で育てていくために知っておきたい保育環境の改善施策や、保育士が意識すべきポイントも説明するため、ぜひ参考にしてください。
みんなの保育の日とは?
みんなの保育の日とは、子どもたちの保育を社会全体で再認識するきっかけとなることを目的として、日本記念日協定が正式認定・登録した記念日です。4(ふぉー)と19(いく)で「ほいく」と読む語呂合わせから、4月19日が記念日とされました。
保育や子育てにおいてあらゆる問題が発生している近年、保育者だけでなく、普段から子どもと関わることのない方も、保育の概念や考え方を共有したり向き合ったりすることは大切です。
みんなの保育の日には、記念日申請を行ったこども法人キッズカラーが主に、保育にまつわるさまざまなイベントやプロジェクトを通して、社会全体で保育に向き合うきっかけ作りに努めています。
1. みんなの保育の日で行われたイベントの例
4月19日のみんなの保育の日には、これまで下記のイベント・プロジェクトが実施されました。
●第一回みんなの保育の日2017 ~子どもは社会で育てよう!~
「子どもは社会で育てよう」というコンセプトを掲げ、東京都知事や保育イノベーター、厚生労働大臣などさまざまな方や団体・企業の協力のもと、半日間のプログラムを開催しました。
●みんなの保育の日に寄せて アドベントアンケート!
こども法人キッズカラーが運営するほいくるでは、2021年3月20日~4月19日までの20日間、Twitterにて保育にまつわるさまざまなアンケートを実施しました。アドベントアンケートでは、フォロー・フォロワー外のユーザーも簡単に投票や結果の閲覧ができ、さまざまな人々の声・意見を知る機会となりました。
今後も、4月19日のみんなの保育の日にはさまざまなイベントが開催される予定です。
みんなの保育の日に知りたい!日本が行ってきた「保育環境改善施策」
2016年2月中旬、とある匿名ブログにて投稿された「保育園落ちた日本死ね」と題したブログ記事が大きな話題となりました。当時は賛否両論が巻き起こりましたが、この匿名ブログをきっかけに、官民があらゆる取り組みや施策を打ち出し、保育環境は大きく変化しつつあります。
ここからは、保育環境の変容をもたらした保育環境改善施策について解説します。
1. 保育人材の確保を図る「保育士修学資金貸付等事業」
保育士修学資金貸付等事業は、保育士資格の取得や再就職を目指す方に向けて、各都道府県・指定都市が修学資金を貸し付ける事業です。保育士修学資金貸付等事業の貸付額は、下記の通りとなっています。
(1)保育士就学資金貸付 | 学費:月額50,000円 入学準備金:初回のみ20,000円 就職準備金:最終回のみ20,000円 生活費加算:月額40,000~50,000円 |
(2)生活補助者雇上支援 | 年額2,953,000円(短時間勤務の場合は年額2,215,000円) |
(3)未就学児をもつ保育士の保育所復帰支援 | 月額27,000円 |
(4)潜在保育士の再就職支援 | 400,000円(一回限り) |
(5)未就学児をもつ保育士の子ども預かり支援 | 事業利用料金の半額 |
保育士修学資金貸付等事業により、保育人材の確保が進み、多くの子どもを保育所に預けられることが期待できます。
2. 体調不良の子どもを保育所で預かる「病児保育事業」
病児保育事業は、保育所が障がい児・体調不良の子どもを受け入れるために必要となる改修や、事業の実施に必要な設備整備に発生する費用を一部支援してもらえる事業です。病児保育事業の対象事業と補助基準額は、下記の通りとなっています。
基本改善事業 | (1)保育所等設置促進等事業 (2)病児保育事業設置促進事業補助基準額:1事業あたり7,200,000円 |
環境改善事業 | (1)障害児受入促進事業 (2)分園推進事業 (3)熱中症対策事業 (4)病児保育事業推進事業補助基準額:1事業あたり1,029,000円 (5)安全対策事業補助基準額:1事業あたり500,000円 (6)緊急一時預かり推進事業 (7)放課後児童クラブ閉所時間帯等における乳幼児受入れ支援事業補助基準額:1事業あたり32,000,000円 |
病児保育事業により、障がい児・体調不良の子どもの受け入れ態勢がより充実し、保育士の需要アップ・両親の働きやすさ向上に貢献します。
3. 夜間や休日に子どもを預かる「延長保育事業」
延長保育事業は、認定を受けた利用時間を超えて保育が必要な子どもを対象に、別途料金を徴収したうえで延長して保育を実施する事業です。延長保育事業の補助基準額は、下記の通りとなっています。
保育短時間認定(在籍児童1人あたりの年額) | 延長1時間:18,700円 延長2時間:37,400円 延長3時間:56,100円 |
保育標準時間認定(1事業所あたりの年額) | 延長30分:300,000円 延長1時間:1,544,000円(夜間延長の場合:1,772,000円) 延長2~3時間:2,460,000円(夜間延長の場合:2,688,000円) 延長4~5時間:5,176,000円(夜間延長の場合:5,290,000円) 延長6時間以上:6,077,000円 |
延長保育事業により、やむを得ない事情で保育時間を延長して子どもを預けたいというケースにも対応しやすくなり、保護者は安心して働けるようになるでしょう。
4. 企業の力を借りる「企業主導型保育事業」
企業主導型保育事業は、就労形態の多様化に応じた保育の提供をする企業を支援する事業です。企業主導型保育事業の補助対象経費は、下記の通りとなっています。
補助対象経費 | (1)事業運営費人件費・管理費など (2)建物整備費増改築費・大規模修繕工事費など (3)事務費水道光熱費・諸手当・消耗品費など |
企業主導型保育事業により、働き方に応じた柔軟な保育サービスの提供ができたり、子どもの受け入れ態勢をさらに整えることが可能です。
「子どもを社会みんなで育てるために」保育士が意識すべきポイント
みんなの保育の日は、「子どもを社会みんなで育てる」ことがポイントであるように、子どもと社会生活との関わりは非常に重要とされています。
実際に、小学校を入学するまでに育んでおきたい能力のめやすを示した「保育の10の姿」では、社会生活との関わりの重要性が言及されています。10の姿における社会生活の関わりは、子ども同士だけでなく、家族や友だちなどさまざまな相手との関わり方を知り、社会とのつながりを意識できる姿を示しています。
最後に、社会生活の関わりを実現するために保育士ができることを解説します。
1. 地域社会と子どもが関わる機会を積極的に作る
地域社会の方たちと子どもたちが関わる機会を積極的に作ることは、保育士にとっても大切なポイントです。具体的には、下記のようなサポートが挙げられます。
●母の日・父の日・敬老の日において、家族や地域住民の方にプレゼントを贈る
●保育所周辺の散歩を通し、公共施設の概要やどのような方が利用するかを説明する
●地域のお祭りやイベントに参加し、伝統を伝える
このように、子どもたちが地域社会と関われる行事やイベントは多く存在します。一つひとつの機会で子どもたちがどのように感じていたかをしっかりチェックすることも大切と言えるでしょう。
2. 集めた情報の活かし方を考えさせる
興味深く、好奇心旺盛な子どもたちは、自分の知らない情報を素直に吸収することが得意です。このような子どもたちに対して保育士は、情報を集めさせるだけではなく、集めた情報の活かし方を考えさせるためのサポートも欠かせません。具体的な方法は、下記の通りです。
●図書館や公民館に訪れ、その場所におけるルールやマナーを知り、かつ守らせる
●タブレット端末を活用し、料理やモノ作り体験をさせる
何らかの形で取り入れた情報を、周りの人のために活用するという機会を設けることで、子どもたちは社会生活をより意識できるようになるでしょう。
まとめ
みんなの保育の日(4月19日)は、子どもたちの保育を社会全体で再認識するきっかけとなることを目指して、こども法人キッズカラーが記念日申請を行い、日本記念日協定が正式認定・登録した記念日です。
保育や子育てにおけるさまざまな問題が頻発する近年、保育環境の改善や子育てと仕事の両立支援に努めるべく、国や行政があらゆる施策に取り組んでいます。現場で保育に関わる方だけでなく、社会全体で保育に関する取り組みを知ることは、保育環境の改善加速に貢献するでしょう。
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