お正月にぴったり!【乳児・幼児向け】だるまの製作

お正月にぴったり!【乳児・幼児向け】だるまの製作

縁起ものといわれる「だるま」の由来とは?

子どもたちに日本の文化を伝える時には、まずは保育者がその由来を理解しておくことが大切です。子どもたちの「なぜ?」「なに?」に答えてあげられると、一層日本の文化への理解が深まりますよ。
まず、だるまは漢字でどう書くか、みなさんご存じですか? 正解は……「達磨」と書きます!では、いったいなぜ「達磨」なのでしょう。これは「達磨大師」というインド出身の仏教僧がモデルとなっているそうです。

そんなだるまが縁起物になったのは江戸時代から。現在では、願いごとをする時に左目、願いがかなった時に右目に目を入れるようになりました。今となってはお正月や受験シーズンに定番の縁起物ですね。

だるま製作のねらい

製作する際、年齢に合わせてねらいを立ててみましょう。以下はねらいの一例ですので、ぜひクラスの子どもたちの様子に合わせて設定してみてくださいね。

・だるまの由来を知り、伝統文化への理解を深める。
・製作活動を通してお正月に親しみを持つ。
・季節の行事に興味関心を持つ。
・行事を楽しむ。
・製作活動を通して、道具の使い方を知る。
・作品を作り上げた達成感を味わう。 など

だるま製作を始める前におすすめ! 導入の遊び3選

1.絵本や紙芝居、図鑑

だるまが描かれている絵本や紙芝居、図鑑などさまざまな書籍を利用してみましょう。お正月シーズンになるとだるまがモチーフの絵本が書店に並ぶことも多いので、ぜひチェックしてみてください。

だるまが描かれている紙芝居や、リアルなだるまが描かれている図鑑などは、図書館に行くと見つかることもあります。本物のだるまを見たことがない子どもたちもいるかもしれないので、だるまの写真が載っている図鑑を利用したり、ネットで検索した画像を印刷して見せたりすることで、よりリアルなだるまをイメージすることができるでしょう。

クラスの子どもたちの興味関心や月齢に合わせて紹介してみましょう。

2.ペープサートやエプロンシアター

だるまのストーリーなどを実際に手作りして子どもたちに伝えるのも導入の1つです。ペープサートやエプロンシアターは子どもたちも大好きな教材ですし、興味関心をひくこともできます。

作成期間や演じる練習なども必要になってきますが、一度作れば毎年利用することができます。自分で手作りしてみたい! という方はぜひ挑戦してみてください。

3.本物のだるまに触れる

図鑑で本物の写真を見せることも1つの手段ですが、やはり本物に触れることは子どもたちにとって貴重な機会ですし、経験にもつながります。だるまにも大きさや色、重さなど色々な種類があります。すべてそろえることは難しいので、園で一つ購入して、園全体で回して使用するのも一つの方法です。ぜひ子どもたちと一緒に本物に触れながら、製作活動につなげてみてください。

乳児・幼児にぴったりなだるま製作

それでは、実際に乳児さん向け、幼児さん向けのだるま製作を2つご紹介します。

【乳児向け】新聞紙だるま

■用意するもの

  • 画用紙(赤、白)
  • 新聞紙
  • 折り紙(黒・金・ピンクなど)
  • 両面テープ、のり

■作り方

①新聞紙を丸める
②丸めた新聞紙を赤の画用紙で包む
③顔になる部分に、丸く切った白の画用紙を貼る
④折り紙で顔パーツを作り、両面テープまたはのりで貼りつける

■ポイント

・年齢に応じて顔のパーツはクレヨンなどで描いてもかわいいです。
・丸めて包む動作が難しい場合は保育者が手を添えて一緒に行いましょう。
・白の画用紙を貼りつけるのが難しい場合は、事前に赤の画用紙に貼りつけておきます。
・頭の部分に紐などをつけると壁面にも飾れます。みんなで作っただるまを壁に掛けて飾って、保護者にも見てもらいましょう。

【幼児向け】起き上がりだるま

■用意するもの

  • 紙コップorプラコップ
  • 油粘土
  • おもちゃのカプセル 1個
  • 画用紙(赤・白)
  • クレヨン、シールなど
  • のり、はさみなど

■作り方

①コップに赤の画用紙を貼る
②丸く切った白い画用紙を赤の画用紙の上に貼る
③画用紙に顔を描いたり、シールを貼ったりして模様をつける
④おもちゃのカプセルに油粘土を入れる
⑤おもちゃのカプセルをコップの入り口に固定する

■ポイント

・油粘土の量は、どのくらい入れると起き上がってくるのか、子どもたちと一緒に考えながら入れてみましょう。
・カプセルの中に入れる重りの種類を変えてみても面白いですよ。例えば、石・ビー玉など、さまざまなものを入れてみましょう。
・だるまを押して起き上がってくる、このときの力加減なども子どもたちと一緒に考えてみましょう。

まとめ

その季節や行事ならではの日本の文化を知ったり、雰囲気を味わったりすることができる製作活動。子どもたちに古くから伝わる伝統を継承していくことは、私たち保育者の役割の一つかもしれませんね。ぜひ、保育園でもだるま製作を取り入れ、楽しみながら日本の文化に触れてみてくださいね!

保育士
福島県出身、都内在住。4大卒業後、認可保育園と児童発達支援施設で勤務。

「子どもたちや大人にもっと寄り添ったサポートがしたい」という想いから、結婚を機に独立。

現在は育児と両立し、保育者コミュニティ#HUGの運営 、
ベビーシッター、ライター、メディア、企業企画協力など、保育を軸とした自分らしい働き方を実践中。

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