保育士がスキルアップするには?おすすめの方法や資格、取得方法について解説

保育士がスキルアップするには?おすすめの方法や資格、取得方法について解説

文: ちかっぱ(保育士ライター)

保育の現場では、保育の質の高さはもちろん、保育に関する幅広い知識や経験が求められます。子どもや保護者にとって安心できる保育士になるためにも、スキルアップが大切です。

この記事では、保育士のスキルアップにおすすめの方法や、スキルアップにつながる資格について紹介します。

保育士に求められるスキルは?

保育士に求められるスキルとして、以下のようなものが挙げられます。

  • コミュニケーション能力
  • 観察力
  • 専門的知識や技術 など

子どもを見守るうえでは、子どもはもちろん、保護者や同僚とのコミュニケーションが欠かせません。子どもの個性を理解するための観察力も必要になるでしょう。

現在では、学んできた知識をさらに深め、専門スキルを身につけることも求められています。加えて、事務処理や書類作成などのためにパソコンスキルもあるとよいでしょう。

保育士のスキルアップにおすすめの方法

保育士のスキルアップにおすすめの方法を4つ紹介します。仕事以外に時間を確保することは簡単ではありませんので、自分に合った方法を取り入れるとよいでしょう。

通信講座

通信講座は自分のペースで好きな時間に受講できるものが多く、時間的な制約がある場合にも参加できるのが魅力です。通信講座の内容は様々で、保育や子どもに関することから、園の運営につながる事務スキルなどの講座があります。

研修

園が独自に行っている研修や、自治体が主催する研修もあります。一例として、厚生労働省によるガイドラインに基づき、リーダーの役割を担う保育士などの育成を目的として、全国の自治体で「保育士等キャリアアップ研修」が実施されています。

本(参考書など)

講座や研修よりも、手軽に導入できるのが本や参考書でしょう。最新の情報を反映していることも多いため、保育のトレンドを把握できます。手元にあるため必要なときに見返して活用できる点がメリットです。

資格の取得

保育に関する資格を持つことで、保育の質の向上に役立ち、キャリアアップを検討する際にもアピールポイントになります。保育に役立つ資格は多く、勉強時間を確保できれば、保育士として働きながら取得が可能です。

保育士のスキルアップにつながる資格を次章で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

保育士のスキルアップにつながる12の資格

保育士のスキルアップにつながる資格を12個ご紹介します。

1.保育カウンセラー

保育カウンセラーは、保育現場でのコミュニケーションや心理的サポートに関する専門知識を持つ専門家です。カウンセリングの技術を活かして、子どもや保護者、保育スタッフ間の円滑な関係構築をサポートし、保育の質の向上を目指します。

概要保育カウンセラー
取得方法保育カウンセラー、養成講座の受講(宿泊あり)、課題図書のレポート など   ※保育園などでの経験年数が3年以上で受講対象となります
参考サイトhttps://www.zenshihoren.or.jp/activity/counseling/license.html

2.チャイルドマインダー

チャイルドマインダーは、主に1~4人程度の少人数を対象にした保育の専門家です。地域型保育など、家庭的な環境で質の高い保育を提供します。保育のニーズが多様化し、小規模保育園も増えてきている今、子どもに寄り添った小人数保育を実践したい人におすすめです。

概要チャイルドマインダー
取得方法通信講座(オンライン講座)
参考サイトhttps://haa.athuman.com/academy/child/?code=200051&fmcs=fm.3c666b8b585095183956357a1b8aeb1c

【関連記事】
チャイルドマインダーとは?資格取得方法・保育士との違い

3.JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー

JADP認定チャイルドコーチングアドバイザーは、「子育ての知識」「聴く(傾聴)」「承認」「質問」「共感」についての専門知識を身につけたコーチングの専門家です。コーチングスキルを活用しながら子どもの潜在能力を引き出し、自己肯定感を高め、ポジティブな成長を促します。

概要チャイルドコーチングアドバイザー
取得方法認定講座(テキストや映像講義 など)
参考サイトhttps://www.jadp-society.or.jp/course/child-coaching/

【関連記事】
チャイルドコーチングとは|資格取得メリット3つ・取得方法も

4.絵本専門士

絵本専門士は、絵本に関する知識や読み聞かせの技術を持った、絵本の専門家であることを証明する資格です。絵本を通して子どもたちの成長を促します。読み聞かせやおはなし会、ワークショップで絵本の楽しさを伝えることや、他の保育士への絵本に関するアドバイスなど、園で行う活動の幅を広げられます。

概要絵本専門士
取得方法絵本専門士養成講座の受講と、修了課題
参考サイトhttps://www.niye.go.jp/services/ehon.html

【関連記事】
絵本専門士とは?認定絵本士との違いや取得方法、活躍できる場所を解説

5.幼児保育・保育英語検定

幼児保育・保育英語検定は、英語を用いた幼児教育のスキルを認定する資格です。検定のレベルは5段階に分かれており、子どもとのコミュニケーションはもちろん、保護者との会話や連絡に必要な英語スキルがあることを証明できます。

インターナショナルスクールやプリスクール、英語に力を入れている幼稚園や保育園へ活躍の場が広がるでしょう。

概要幼児保育・保育英語検定
取得方法検定試験を受験(会場受験、オンライン受験、海外受験がある)
参考サイトhttps://www.youhoeigo.com/index.html

【関連記事】
イングリッシュエキスパート保育士とは?平均給料と必要な資格も解説

6.運動保育士

運動保育士は、子どもの運動指導の専門家です。子どもたちの健康促進や運動能力の向上を図り、楽しみながら身体を動かす習慣を育む重要な役割を担います。

資格は、「運動遊び実践」コースと、「脳機能と発育発達」コースに分かれています。

運動遊びの専門性を高めることは、子どもたちの運動能力を高めるだけでなく、考える力や発達を促す遊びなどを取り入れるためにも効果的です。

概要運動保育士
取得方法オンライン動画による学習・認定テストの受験
参考サイトhttps://npo-hoiku.com/business/

【関連記事】
運動保育士とは?仕事内容・勤務先や資格の取得方法を解説

7.リトミック指導員

リトミック指導員は、音楽と遊びを組み合わせたリトミック教育を通じて、子どもの身体的・感覚的・知的な基礎能力の発達を促す専門家です。子どもの成長に応じて音楽を楽しんだり、身体を動かしたりしながら子どもたちの能力を伸ばしていきます。

概要リトミック指導員
取得方法教員養成校・月例研修会 など
参考サイトhttps://www.eurhythmics.or.jp/

【関連記事】
リトミック指導者とは?保育園での仕事内容や資格の取得方法も

8.幼児食インストラクター

幼児食インストラクターは、幼児期の食育に関する専門知識や技術を持つ資格です。偏食やアレルギーなど、幼児食に関わる様々な悩みを解消し、子どもの成長をサポートします。成長段階に応じた食事のつくり方やレシピ、食物アレルギー・病気時のケアなど、子どもたちの健康的な成長をサポートし、食に対する正しい理解を育むために活躍します。

概要幼児食インストラクター
取得方法資格取得講座の受講(テキスト、DVD視聴)
参考サイトhttps://www.c-c-j.com/course/food/infants/

【関連記事】
食育とは?必要性や子どもが学ぶメリット、実践例を紹介!

9.ベビーマッサージタッチケアセラピスト

ベビーマッサージタッチケアセラピストは、「なでる」「さする」を中心としたマッサージを通じて、子どもの心身の成長を促したり、安心感を与えたりする技術者です。保育士は直接赤ちゃんや子どもにマッサージできませんが、普段の触れ合い方を見直すことで、保育の質を高められます。また、保護者へのアドバイスにより、親子間のコミュニケーションをサポートできます。

概要ベビーマッサージタッチケアセラピスト
取得方法認定講座の受講・実習レポートの提出・認定試験の受験
参考サイトhttps://www.childminder.or.jp/child/massage

10.医療保育専門士

医療保育専門士は、病院やクリニックでの保育サービスに特化した専門知識と技術を持つ資格です。病院、診療所(病棟、外来)、病児保育室、障害児施設などに勤務し、医師や看護師と連携しながら、入院生活を送る子どものサポートや、心のケアを行う役割があります。

受験するには、病院や病児保育室などでの実務経験が必要なため、看護分野に携わったことのある保育士にとってのステップアップの資格として位置づけられます。

概要医療保育専門士
受講資格日本国の保育士資格を有し、現職で保育をしていること 病院、診療所、病児保育室、障害児者の施設および乳児院等で、 常勤 1 年以上、非常勤は年間150日以上かつ 2 年以上の保育経験を有している 一般社団法人日本医療保育学会正会員で、申し込み時に 1 年以上の会員歴があること(研修を受講する 前年の4月末までに年会費の振込を完了した者)
取得方法年3回の研修、論文の提出・論文審査・口頭試問
参考サイトhttps://iryouhoiku.jp/

【関連記事】
医療保育専門士とは?取得方法・病棟保育士の関連資格も

11.認定病児保育スペシャリスト

認定病児保育スペシャリストは、病気の子どものケアに関する専門家です。講座を通じて病児保育の基礎知識や、病児保育における遊びやコミュニケーションのとり方、感染予防をはじめとしたリスクマネジメントなどについて学びます。資格取得により、病児保育施設などに活躍の幅が広がるでしょう。

概要認定病児保育スペシャリスト
取得方法講義の受講
参考サイトhttps://el.sickchild-care.jp/

【関連記事】
認定病児保育スペシャリストとは?取得の流れ・平均給料・メリット | 保育士を応援する情報サイト 保育と暮らしをすこやかに

12.おもちゃインストラクター

おもちゃインストラクターは、おもちゃを通じて子どもたちの発達を促す専門家です。おもちゃの作り方や指導方法を一定時間以上学んだ者がおもちゃインストラクターとして認定されます。資格取得により、保育の中で取り入れる遊びの引き出しを増やせるでしょう。

概要おもちゃインストラクター
取得方法通学コース(講座受講)もしくは、オンラインコース(動画視聴、自宅学習、オンラインプログラム)の受講
参考サイトhttps://artplaylab.jp/toy/instructor.html

自分に合った資格の取得でスキルアップしよう

保育士としてスキルアップすることにより、自信や心のゆとりを持てます。今の自分にとって必要なスキルは何か、どのような保育を実践していきたいのかを考えながら、資格や研修を探してみてはいかがでしょうか。

スキルアップは保育の質の向上だけでなく、保育士としてのキャリアアップにつながり、いざ転職をする際にも強みになるでしょう。今回紹介したスキルアップの方法や資格をぜひ参考にしてみてください。

参考サイト:

ちかっぱ(保育士ライター)
幼稚園の子育てサロンで未就学児の活動を担当し、満3歳児~5歳児の担任や、幼稚園事務も経験。
勤務歴10年の経験を活かし、現在はフリーランスライターとして子育て中のママパパや保育士、幼稚園教諭に向けて記事を執筆している。
自分自身も6歳4歳の子育てをしながら、子どもたちと体を動かしたり本を読んだりする時間を大切に、「明るく楽しく笑顔で」をモットーにしている。
保有資格:保育士・幼稚園教諭一種
この記事をSNSでシェア
CATEGORY :