【兵庫県】企業内保育所で働く保育士の求人情報|仕事内容も紹介
兵庫県は、異国情緒ある神戸港や世界遺産の姫路城で知られる観光地であるほか、阪神工業地帯・播磨臨海工業地帯に沿った重化学工業の集積地でもあります。また、清酒・皮革・そうめんの製造といった地場産業も盛んで企業の多い地域です。
当記事では、観光地が多数あり、地場産業が多い兵庫県で企業内保育所の保育士として働きたいと考える人に向けて、県内の保育業界・企業内保育所の実情から、保育士の平均給与・求人状況までを解説します。企業内保育所の概要にも触れているため、兵庫県で保育士として活躍したい人はぜひ参考にしてください。
1.企業内保育所とは?
「企業内保育所」とは、企業の従業員が就業時間中に子どもを預けることのできる保育所のことです。企業が従業員のために、会社の敷地内や近隣エリアに設置します。
近年は保育園不足のため、育児を理由に仕事を離れなければならない人が少なくありません。企業は、育児による社員の離職を防ぐため、企業内保育所の設置に積極的に取り組んでいます。
厚生労働省によると、全国の「事業所内保育施設の届出数」は3年連続で増加しており、2020年3月現在の届出数は8,210か所と、前年の2倍を超える数です。
出典:厚生労働省「令和元年度認可外保育施設の現況取りまとめ」
1-1.兵庫県における保育業界・企業内保育所の実情
兵庫県では、2015年に「子ども・子育て支援新制度」が始動し、保育所・認定こども園などの整備が進められてきました。保育所の定員数も徐々に拡大され、2021年現在で待機児童数は769人と、2018年をピークに減少しています。
出典:兵庫県「保育所等の定員・申込者の状況等の公表に関する知事コメント(令和3年6月1日)」
待機児童数が減少しているとはいえ、都市部では依然として多くの待機児童が存在しており、保育所不足の問題は解消されないままです。そこで兵庫県は、待機児童数の解消に向けて、今後も継続して「保育所の定員拡大」と「保育人材の確保」に取り組む方針です。保育人材の確保のため、保育士のニーズはさらに高まるでしょう。
また、兵庫県の企業内保育所については、人口の多い都市部に求人が多く見られます。例えば、マイナビ保育士で兵庫県から出されている企業内保育所の求人情報を見ると、もっとも保育士の需要が多い都市は神戸市で、兵庫県の全体の26%です。次いで、尼崎市(18%)、西宮市(13%)、宝塚市(9%)となります。
施設の規模としては、定員30名以下の小規模施設が大半です。雇用形態として正社員のほか、パート・アルバイトといった非常勤の求人も多く見られます。
2.【兵庫県】企業内保育所で働く保育士の平均給与
兵庫県で働く保育士の平均年収は、下記のとおりです。兵庫県の企業内保育所で働く保育士の平均年収は、マイナビ保育士の求人情報を参考に算出しています。
| 保育士の平均年収 | 企業内保育所で働く保育士の平均年収 |
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兵庫県 | 約393万円 | 約272万~368万円 |
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全国 | 約374万円 | - |
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出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
兵庫県の保育士の平均年収は約393万円で、全国の保育士の平均年収より約20万円高いことから、兵庫県は比較的保育士の給与待遇が良い県であることがわかります。
兵庫県に隣接する大阪府の保育士の平均年収は、約385万円です。近畿地方を代表する都市といえる大阪府と比較しても、兵庫県の保育士の給与が高い結果となっています。
一方で、兵庫県の企業内保育所で働く保育士の平均年収は、約272万~368万円です。求人の中には「経験や能力に応じて相談」という注記が開示されているケースもあり、実際には表内の金額より高くなる可能性もあります。
なお、非常勤スタッフの場合は、時給900~1,050円が大半です。非常勤の場合も、年齢や経験、能力に応じて時給が決まる職場が少なくありません。
3.【兵庫県】企業内保育所で働く保育士の求人状況
兵庫県の保育士の有効求人倍率と、保育士・企業内保育所の求人数は、下記のとおりです。
保育士の有効求人倍率(※1) | 1.83倍(2021年4月時点) |
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保育士の求人数(※2) | 1,086件(2021年8月時点) |
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企業内保育所の求人数(※2) | 91件(2021年8月時点) |
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※1出典:厚生労働省「令和2年及び令和3年における保育士の各都道府県別有効求人倍率等の比較」
※2出典:マイナビ保育士
兵庫県の保育士の有効求人倍率1.83倍は、全国の保育士の有効求人倍率2.04倍と比べて低い水準です。兵庫県の保育士の需要は全国平均に比べてやや低いといえます。ただし、「企業内保育所」の求人に限定すると、兵庫県の需要はそれほど低いとはいえません。
マイナビ保育士の求人情報によると、全国の企業内保育所の求人数は788件です。一方、兵庫県における企業内保育所の求人数は91件であり、全国の12%に相当します。兵庫県における企業内保育所の求人が多い都市と、各都市の件数を挙げると、神戸市が24件、尼崎市が16件、西宮市が12件、宝塚市が8件、姫路市が6件です。
応募資格としては「保育士の資格があること」を条件に掲げる求人が大半です。また「経験者優遇」とする施設も少なくありません。
通勤については、最寄り駅から徒歩数分など、電車通勤に便利な立地の保育所が多い傾向です。一方で「車通勤OK」とする施設もあります。また、託児所の利用が可能な職場もあるため、育児中の人も安心して勤務できるでしょう。
3-1.企業内保育所で働くことが向いている人の特徴は?
企業内保育所は、ゆとりをもって仕事をしたい人に向いています。小規模の企業内保育所では、運動会などのイベントをするスペースがないため行事が少なく、慌ただしい業務に追われることもありません。
また、兵庫県の企業内保育所の求人には、小規模な施設からの募集が多いため、「子どもたちにじっくり向き合いたい」という人にも企業内保育所での勤務が向いています。小規模な企業内保育所は通常より子どもが少ないため、アットホームな環境で子ども一人ひとりに向き合えるでしょう。
まとめ
兵庫県では、待機児童数の減少を目的として、保育士の確保を積極的に進めています。特に待機児童数の多い神戸市や尼崎市で求人が多い傾向です。
兵庫県で働く保育士の平均年収は約393万円で、全国平均よりも約20万円高くなっています。また、企業内保育所で勤務する保育士の平均年収も約272万~368万円と幅はあるものの比較的高く、経験やスキル、賞与などによってはさらなる高収入も期待できるでしょう。
兵庫県では、小規模の企業内保育所から多くの求人が出されています。小規模な施設はアットホームな環境であることが多く、子ども一人ひとりと向き合うことができるでしょう。
※当記事は2021年8月現在の情報をもとに作成しています