乳児保育の仕事内容
乳児保育の主な仕事内容には、離乳食を通じた食育の他、ハイハイや排泄などの身体的な補助があります。加えて、乳児をあやしたり昼寝のケアをしたりといった、通常の保育に似た仕事も行います。
乳児とのスキンシップ方法には、「グーチョキパーでなにつくろう」といった歌や、粘土や積み木を使った遊びが挙げられます。
このようなスキンシップをとることで、乳児の自立を促すことができます。また、乳児の社会性を高めたり、ストレス耐性を上げたりすることも可能です。 低年齢であるほど、オキシトシンの効果が表れる傾向にあるため、乳児とは通常よりも多めのスキンシップをとるとよいでしょう。
乳児保育の他に、病児保育という形態もあります。病児保育とは、子どもが急な病気になったとき、親に代わって一時的に預かる保育のことを指します。
乳児保育士の平均月給は、正社員で約18~25万円とされています。
ただしこの金額は、マイナビ保育士に掲載されている求人情報をもとに算出した数値であり、実際の給与は経験や年齢、資格、スキルなどによって異なります。
乳児保育で保育士に求められるもの
乳児は成長への第一歩を踏み出す時期です。乳児の成長を十分に手助けするためには、乳児保育で求められる要素を把握しておく必要があります。
ここでは、乳児保育で求められるものを具体的に解説します。乳児が安心して成長できる環境をつくりたい人は、ぜひ当項目を参考にしてください。
1.安心感を与える存在であること
乳時期の子どもは、身体だけでなく「心」も大きく成長します。そのため、保育士は積極的に乳児とスキンシップをとり、乳児の母親に代わって安心感を与えなければなりません。温かく愛情のある雰囲気のなかで、子どもは伸び伸びと発達します。
しかし、乳児は言葉によるコミュニケーションをとることが十分にできません。お腹が空いているのか、不安を感じているのかなど、乳児の機嫌や欲求を的確に捉えることは困難です。
そのため、乳児保育で働く場合は、少しの変化にも気付くことができるよう、普段から子どもをよく観察することが重要です。
2.乳児一人ひとりの発達に合わせた対応
乳児保育で働くにあたり、乳児一人ひとりの性格や個性を見極めることも大切です。同じ年齢とはいっても、誰にでも同じ対応が通用するとは限りません。。個々の発達過程を踏まえた上で、柔軟な保育を行う必要があります。
また、保育園にはさまざまな文化を持った子どもが集まります。外国籍の子どもがいる場合は、子どもの国の文化を理解し、尊重することも大切です。文化の違いで困ったときは、積極的に保護者とコミュニケーションをとるようにしましょう。
新しく子どもが入園する際も注意が必要です。これから入ってくる乳児はもちろん、すでに入園している乳児にとっても、環境が変わることには不安を覚えます。
新しく子どもが入園してくる際は、すでに入園している乳児のケアも忘れず行い、それぞれが安定した関係を築けるように意識しましょう。
乳児保育の特徴やメリット
乳児保育は、乳児の成長を手助けできるなど、子どもの成長に大きく関わることができる仕事です。他にも、乳児保育にはさまざまなメリットがあり、やりがいや魅力を感じている人は多くいるでしょう。
ここでは、乳児保育で働くメリットについて詳しく紹介します。乳児保育で働くことを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
1.3歳以上の幼児保育とは違った保育を経験できる
多くの保育園で3歳以上の子どもは「幼児クラス」となり、保育士の仕事内容も変わります。具体的には、幼児クラスの子どもたちは自立が進み、元気に走り回れるまでに成長します。
幼児クラスの子どもたちの自立が進むと、転倒やケンカなどによってケガをする可能性が高くなります。子どもをケガから守るためには、保育士も相応の体力を持っていなくてはなりません。
また、幼児クラスとなると面倒を見なければならない人数も一気に増えるため、保育士は広い視野を持って、安全に指導する必要があります。
国が定める保育士の配置基準として、3歳児は子ども20人につき保育士1人、4歳児以上は子ども30人につき保育士1人です。
(出典:内閣府「子ども・子育て支援新制度について 令和元年6月」/https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/pdf/setsumei.pdf)
さらに5歳児となると、小学校入学に向けた教育も求められます。
一方で、乳児保育は保育士1人あたり最大6人の子どもを見ます。
広い視野というよりも、注意深く観察する能力が求められるため、これまで幼児を担当してきた保育士あるいは幼稚園教諭にとっては、能力の幅を広げる絶好の環境といえます。
2.乳児保育専門の保育園ならゆとりをもって仕事ができる
保育園のなかには、乳児保育のみを専門とする小規模保育施設があります。小規模保育施設は、子どもの定員が19名以下と、非常にコンパクトな環境であることが特徴です。もちろん個人差はありますが、多くの保育士にとってゆとりのある仕事ができるでしょう。
また、小規模保育施設は保育士の数も少ないため、保育士同士での人間関係を気にしたくない人にもおすすめです。特に自分のペースでキャリアアップを目指している場合は、余計なしがらみを感じずに働くことができるでしょう。
近年、待機児童の問題により、東京などの都市部を中心に小規模園の認可が進んでいます。駅から徒歩圏内の勤務地で、交通費支給ありといった好条件の施設での勤務も期待できるため、応募資格を確認した上で問い合わせてみましょう。
3.子ども一人ひとりに向き合った保育ができる
乳児保育は、子ども6人につき保育士1人のため、一人ひとりに手厚いケアをすることが可能です。
また、小規模保育施設の場合、マンションなどの一室を借りて、通常よりも家庭的な保育を提供することができます。そのため、より親密に子どもと関わりたいと考えている人にとって、乳児保育は最適な仕事といえるでしょう。
保育士になりたての場合、最初から大人数の幼児を担当することにプレッシャーを感じる人は少なくありません。
まずは、乳児保育で経験を積み、徐々にステップアップを目指してみてはいかがでしょうか。