子どもの成長に携わる仕事がしたいと思う人のなかには、認定こども園で働きたいと思う人も多いでしょう。実際に認定こども園で働く場合、資格が必要だと言われています。
しかし、本当に資格が必要かどうか、またどういった資格が必要となるのか、知らない人も少なくありません。
そこで今回は、認定こども園で働くために必要な資格について解説します。資格取得の助けとなる、特例制度についても解説するため、認定こども園で働くことを検討している人は、参考にしてください。
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目次
認定こども園で働くために資格は必要なのか?
保育園・幼稚園が保育所の代表とされているなか、最近では「認定こども園」が増加しています。認定こども園の認定基準は、「保育園と幼稚園の機能を併せ持っている」という点です。 そのうえで、幼児期の学校教育を行う幼稚園機能や、子どもの保育を行う保育所機能などを備えた施設が、認定こども園と呼ばれています。
「保育」と「教育」の両方を目的としており、保護者の勤労の有無に関係なく、0~5歳の子どもを預けることが可能です。
認定こども園で働くためには、基本的に「保育士資格」と「幼稚園教諭資格」の両方が必要とされます。 保育園の場合は保育士資格、幼稚園の場合は幼稚園教諭免許を持っていれば、それぞれの場所で働くことが可能です。しかし、認定こども園は保育と教育の両方の要素を持っているため、資格も両方の資格が必要とされます。
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認定こども園の種類によって資格が必要な区分が異なる
認定こども園の施設形態は、大きく分けて「幼稚園型」「保育園型」「幼保連携型」「地方裁量型」の4つです。この4つには園が目的とする機能に違いがあり、「保育」を中心とするのか、「教育」を中心とするのか、両方をするかによって運営形態が分けられています。
それぞれの認定こども園で必要となる資格は、担当する子どもの年齢によってバラバラです。そのため、自分が働きたいと思う認定こども園の種類に関して、情報を把握することが必要となります。
ここでは、認定こども園の種類によって、資格が必要な区分が異なることを解説します。
幼稚園型
幼稚園型は、元々の認可幼稚園に保育園の機能を追加した形の「学校」です。基礎は幼稚園となっているため、幼児教育に強い特徴があります。幼稚園の教育要素に加えて、保育が必要な子どもを対象に長時間預かりを実施することや、0歳からの乳児保育を含めた保育園の役割を備えている施設です。設置主体は国、自治体、学校法人に制限されています。
幼稚園型の場合は、多くの場所で幼稚園教諭免許と保育士資格の両方が必要です。保育士資格は3歳未満の担当となった場合に必要となり、3歳以上の場合、必須ではなくなります。だし、なるべく両方の資格を所持することが望ましいでしょう。
保育園型
保育園型は、元々の認可保育園に幼稚園の機能を追加した形の、「児童福祉施設」です。 基礎は保育園になっているため乳児からの保育に強く、幼稚園の教育を受けられる点も特徴となります。
保護者が就労などにより世話を見ることが難しい子どもたちを対象に、保育に加えて幼稚園の教育機能を果たすことを目的としている施設です。 設置主体は制限されていません。
保育園型では、3歳未満を担当する場合に保育園資格が必須です。3歳以上を担当する場合は、どちらか片方の資格を所持していれば問題ありませんが、両方の資格を所持することが望ましいと言えます。
幼保連携型
幼保連携型は、幼稚園の機能と保育園の機能の両方を持つ、「学校かつ児童福祉施設」です。幼保連携型の場合は、年齢問わず幼稚園教諭と保育士両方の資格が必要となります。幼保連携型は、小学校児童との交流の機会や小学校との連携を行って、小学校へスムーズに進学・教育を受けられるように考えられた施設です。設置主体は国・自治体・学校法人・社会福祉法人に限定されています。
幼保連携型は施設の設置にパターンがあり、以下の3つがパターンとなります。
- 新規で最初から幼保連携型の認定こども園を設置する場合
- 既設の幼稚園と保育園を合併して1つの認定こども園にする場合
- 既設の幼保連携型認定こども園から新しい幼保連携型に移行する場合
幼保連携型では「特例措置」が適用されます。特例措置に関しては、後ほど解説します。
地方裁量型
地方裁量型は、主に認可外施設だった保育園などが、都道府県によって定められた認定こども園の条件を満たしている施設です。待機児童解消を目的として、認可のない地域の教育・保育施設が新たに認定こども園になったものとなります。設置主体は制限されていません。
地方裁量型では、保育士資格は3歳未満の担当となった場合に必要です。3歳以上の場合は必須ではないものの、両方の資格を所持しておくことが望ましいでしょう。
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片方しか資格がない場合は「特例制度」を利用して資格を取ろう
幼保連携型の認定こども園では、「特例制度」を利用することで、資格を取るまでの負担を減らすことができます。
特例制度とは、保育士資格もしくは幼稚園教諭資格のいずれかを持っている場合、もう一方の資格を比較的簡単に取得できる制度です。本来であれば非常に時間がかかってしまう資格取得に関して、この特例制度を活用した結果、所持していないもう1つの資格を取得した人も多くいます。また、資格を取るまでは「経過措置」を受けることで、幼保連携型こども園で働くことも可能です。
この特例制度を受けられる対象者は、保育士としての勤務経験をもとに定められます。
特例制度の対象
特例制度の条件は、「保育士資格のみ」「幼稚園教諭免許」のどちらを持っているかによって異なります。
◯保育士資格のみの場合
保育士資格のみを持つ人が制度を受けるためには、下記の対象施設で保育士の勤務年数・経験が「3年かつ4,320時間以上」ある必要があります。
- 保育所や幼稚園(特別支援学校の幼稚部を含む)
- 認可外保育施設の一部
- へき地保育所
- 認定こども園
- 小規模保育事業(A型・B型)
- 幼稚園併設型認可外保育施設
- 事業所内保育事業(定員6人以上)
- 公立の認可外保育施設
- 認可外保育施設(認可外保育施設指導監督基準を満たしている)
この制度を受ける人は、指定の大学にて5科目8単位を履修することが必要です。働きながら大学に通うことは負担も大きくなるものの、通常は59単位が必要となることと比較すると、通いやすい分量と言えます。
◯幼稚園教諭免許のみの場合
幼稚園教諭免許のみを持つ人が制度を受けるためには、保育士資格のみ所持している人と同じ該当施設で、実務経験が「3年かつ4,320時間以上」ある必要があります。
幼稚園教諭免許のみを所持している人が制度を利用する場合、保育士試験に合格する、あるいは養成校などで最大8単位を履修することで、保育士資格の取得が認められます。
特例制度における経過措置期間
特例制度は、2015年に改正認定こども園法が施行されてから適用されており、2025年3月まで利用できる予定です。
(出典:厚生労働省「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例」/https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/1339596.htm)
本来は2015年から5年間、2019年3月末までの予定でした。しかし、より多くの保育教諭に活躍してもらうために、政府は5年間の延長を決定しました。 今後も需要の増加が予想されるため、この制度を利用して、両方の免許を取得できるようにしてください。
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まとめ
ここまで、認定こども園で働くために必要な資格について、特例制度の概要などを含めたうえで解説しました。
認定こども園は4つのタイプに分けられ、それぞれで必要となる資格も異なります。どちらか片方の資格で勤務できる場合もありますが、幅を広げるためには、両方の資格を所持することがおすすめです。
保育の現場は人手不足が続いているため、特例制度も設けられています。この記事を参考にして、自分が働きたいと思うこども園で働けるようにしてください。