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保育施設で働いている保育士のなかには、労働時間や収入、人間関係などの悩みを抱えている方がけっして少なくありません。

そうした方たちに、「保育施設の枠を超えた働き方」「より自由度の高い働き方」として知っておいてほしいのが、フリーランス保育士です。フリーランス保育士というのは、その名の通り施設に属さずに活動する保育士のことで、自由度の高さや働く場所の多さから、近年少しずつ注目度が高まっています。

しかし、まわりにそうした存在がいないと、個人で保育業務に携わるイメージがわかなかったり、将来性が気になったりすることも事実です。

そこでこの記事では、フリーランス保育士の働き方やメリット・デメリット、将来性について詳しく解説します。フリーランス保育士に興味のある方や、職場環境を変えてみたいと考えている保育士の方は、ぜひ最後までご覧ください。

フリーランス保育士とは?

フリーランス保育士とは、施設に属さず個人事業主として収入を得る保育士のことです。現在、フリーランスとして働いている保育士には、保育園・幼稚園で働いた後、その経験やスキルを生かして独立した方が多く見られます。

個人事業主として、保育士の資格を生かしながら収入を得る場合は、開業届けをはじめとする各種書類の提出が必要です。フリーランス保育士が仕事を得る方法としては、人材派遣会社への登録やスキルマーケットの活用、個人ブログやSNSを使った営業などが挙げられます。

フリーランス保育士の働き方

フリーランス保育士は、保育士として培ってきた知識や経験、スキルを存分に生かせる働き方です。また、フリーランス保育士は、一般的な保育施設をはじめ幅広い職場で活躍できます。

フリーランス保育士の主な働き方や、仕事内容は次の通りです。

担当クラスを持たずに保育所で働く「フリー保育士」

フリーランス保育士の主な働き方として、まず挙げられるのは保育施設で担当のクラスを持たずに働く方法です。そうした働き方は、一般的に「フリー保育士」と呼ばれ、職員が足りない場合のサポートや事務作業の手伝いなど、他の保育士の補助的な役割を担います。

フリー保育士として働く場合は、イベントや行事の日だけ単発で契約したり、月ごとに契約したりすることも可能です。経験やスキルによっては、ヘルプの保育士として働きながら、若手保育士の指導を任されることもあります。

複数の保育施設の掛け持ちができる点や、職場での人間関係などに悩まされずに済む点などもフリー保育士の大きな特徴といえるでしょう。

利用者宅や民間施設で保育を行う「ベビーシッター」

ベビーシッターも、フリーランス保育士の代表的な働き方です。ベビーシッターは利用者の自宅や民間施設で保育活動を行うのが主な仕事となるため、保育士としての経験やスキルをそのまま生かすことができます。

ベビーシッターが預かる子どもの年齢は、0歳から12歳程度までと幅がありますが、近年は児童施設や商業施設、企業などでもベビーシッターのニーズがあるため、多くの職場で活躍できるでしょう。

自分が働きやすい時間帯に依頼を受けられることや、少人数の子どもとじっくり向き合えることも、ベビーシッターの特徴といえます。

なお、小学生以上の子どもを預かる場合は、保護者からの要望に応じて学習のサポートをするケースもあります。

保育の知識をもとに文章を書く「ライター」

フリーランス保育士は、保育に関する知識や保育士としての実務経験を生かして、ライターとして活躍することもできます。主な仕事内容は、保育系メディア(Webメディア、雑誌など)の記事執筆やコラム執筆などで、実績を積むことでより多くの依頼がくるでしょう。

ライターの仕事は、ノートパソコンとインターネット環境さえあれば、場所を選ばずにできるのがメリットです。そのため、慣れてくればフリー保育士やベビーシッターの業務と並行して、仕事をこなすこともできます。

ライターとして活動するフリーランス保育士のなかには、セミナーや講演会などに講師として参加し、保育に関する講演を行う方もいます。

フリーランス保育士になるメリット・デメリット

女性保育士

フリーランス保育士の仕事には、通常の保育士とは異なるメリット・デメリットがあります。そのため、独立を検討している保育士の方や、フリーランスという働き方に興味のある方は、事前にフリーランス保育士になるメリットとデメリットを把握しておくことが大事です。

ここでは、フリーランス保育士になるメリット・デメリットについて解説します。

メリット①時間に縛られず自由に働ける

フリーランス保育士になる1つ目のメリットは、時間に縛られず自分の好きな時間に働けることです。

フリーランス保育士は、働く日数や曜日、時間帯などを自ら設定できます。無理のないようにプライベートと仕事の時間を調整できるため、施設に所属する保育士に比べてワークライフバランスが取りやすいでしょう。

また、1年の特定の期間に集中して働き、自分の好きなタイミングで長期休暇を楽しむといった自由度の高い働き方ができるのも、フリーランス保育士の魅力です。

メリット②幅広い保育知識や経験が得られる

フリーランス保育士として働く2つ目のメリットは、通常の保育士よりも幅広い知識や経験が得られることです。

前述したように、フリーランス保育士は担当のクラスを持たずに、さまざまな保育現場を経験できます。また、ベビーシッターとして働く場合は、幅広い年齢に対する保育や異なる家庭環境における保育の経験を積むことが可能です。

ライターや講師の仕事を通じて、保育士以外の人脈を築いていけば、他業種の保育観や子育てに対する取り組みなども学べるでしょう。

メリット③頑張り次第で収入アップを目指せる

フリーランス保育士の3つ目のメリットは、頑張り次第で収入アップを目指せることです。

フリーランス保育士として働く場合、取り組む仕事の単価や量は自分で決められます。そのため、自身の専門性を高め、より単価の高い仕事をこなせるようになれば、一般的な保育士よりも高い年収が得られるでしょう。

また、保育士やベビーシッターのように働く時間帯が決まっている仕事と、ライターのように好きな時間にできる仕事を組み合わせれば、効率的に収入アップを目指せます。

デメリット①仕事の責任が重くなる

フリーランス保育士になるデメリットとしてまず挙げられるのは、仕事の責任が重くなることです。

保育施設に所属する保育士は、チームとしてフォローし合うことができますが、フリーランス保育士の場合は、個人事業主としてすべてのことに責任を負う必要があります。例えば、ベビーシッターとして働く場合、体調不良になっても自分の代わりに仕事を頼める相手がいないことは、大きなデメリットです。

そのため、万が一のトラブルに備えて余裕のあるスケジュールを組んだり、フリーランス保育士同士のつながりを持ったりするなど、働き方における工夫が必要でしょう。

デメリット②収入が不安定になりやすい

フリーランス保育士になる2つ目のデメリットは、収入が不安定になりやすいことです。

フリーランス保育士は、保育施設に所属する正社員や契約社員などと異なり、毎月一定の給与が得られる保証がありません。顧客が見つからなかったり、継続的な仕事を獲得できなかったりした場合は、当然収入が下がります。

数少ない依頼者からの仕事に頼っていると、契約を1件失っただけで収入が激減する可能性があるので、できるだけ多くの収入源を確保するように努めましょう。

フリーランス保育士に将来性はある?

保育士の人材不足が社会的な課題となるなか、フリーランス保育士の需要は確実に高まっています。また、保育施設以外にもさまざまな場所で活躍できるため、フリーランス保育士は将来性のある働き方といえるでしょう。

ただし、フリーランス保育士として働くためには、入念な準備が必要となります。現在の勤務先に不満があってフリーランスを検討している場合は、ダブルワークが可能な職場に転職した上で、副業としてベビーシッターやライターを経験してみるとよいかもしれません。

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まとめ

フリーランス保育士とは、保育施設に所属せず、個人事業主として保育関連業務に携わる働き方です。フリーランス保育士の活躍の場は幅広く、保育所で担当クラスを持たない働き方ができるほか、ベビーシッターや保育関連ライターとしても活躍できます。

フリーランス保育士のメリットとして挙げられるのは、自由度の高い働き方をしながら、スキルアップや収入アップを目指せることです。しかし、その一方で個人事業主としての責任の重さや、収入面の不安定さといったデメリットもあります。

とはいえ、保育士の人材不足が社会的な課題となるなか、フリーランス保育士に対する需要は高まっています。その点を踏まえるなら、フリーランス保育士は将来性のある仕事といえるでしょう。

ダブルワークが可能な職場に転職した上で、副業としてベビーシッターやライターを経験してみたいという保育士の方は、求人情報が豊富なマイナビ保育士をぜひご活用ください。