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保育士は慢性的な人手不足が続いており、非正規雇用で働く人も多い業界です。保育士求人の中には正社員登用制度を設けている職場もあり、安定した待遇で働くことができる正社員を目指している人も多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、保育士の正社員登用制度について詳細に解説します。保育士が正社員として働くメリット・デメリットや、昇格する方法もまとめているため、正社員登用を目指す人はぜひ参考にしてください。

正社員登用制度とは?

正社員登用制度とは、契約社員やアルバイト、パートなど非正規雇用として働く人が、一定の条件を満たすことで正社員に昇格できる制度です。保育業界では「正社員登用制度あり」の求人が多く、正社員を目指して働きたい人にとって、正社員登用制度の有無は大きなポイントとなります。

正社員登用への流れは職場によって異なりますが、一般的には1年から2年程度の勤務が続いた段階で、面接や試験などによって昇格が決まるケースが多いようです。

正社員と非正規社員の違い

保育士業界での正社員と非正規社員には、さまざまな違いがあります。特に、雇用形態・収入・福利厚生では大きな差があるため、違いを知っておくことが大切です。

〇雇用形態の違い
正社員と非正規社員は、雇用形態が異なります。正社員はフルタイムで働くことが基本で、雇用期間に定めがありません。一方、非正規社員は労働時間も雇用形態によりさまざまで、有期雇用であるため、契約が終了すると解雇となります。

正社員は正当な理由がない限り正社員として働き続けることができますが、非正規社員は契約期間によって雇用が左右されます。経営の悪化や社会情勢などの影響で契約打ち切りとなるケースも多く、雇用形態の安定性では正社員のほうが有利です。

〇収入の違い
正社員は定期的に昇給や賞与の機会がありますが、非正規社員には昇給や賞与の制度は基本的にありません。基本給も正社員のほうが高く、収入面で差がつきやすくなります。派遣社員などは求人票での時給はそれなりに高いものの、長い目で見ると昇給や賞与、各種手当がないため、正社員のほうが高収入を稼ぐケースがほとんどです。

〇福利厚生の違い
正社員は、社会保険の加入や各種手当などの福利厚生があります。特に、法定外福利厚生である交通費や家賃補助は、正社員ならではのメリットです。非正規社員では、雇用形態によって福利厚生の内容が大きく異なります。例えば、契約社員の場合は交通費補助を受けられる職場が多いものの、派遣社員の場合は交通費が出ないことがほとんどです。

【保育士】正社員になるメリット・デメリット

保育士と子供たち

一般的には正社員になると待遇面のメリットが多いとされていますが、正社員にもいくつかデメリットがあります。正社員になるメリットとデメリットをそれぞれ理解したうえで、自分に合った雇用形態を選ぶことが大切です。

ここでは、保育士が正社員となるメリット・デメリットについて詳しく解説します。

正社員になるメリット3つ

保育士が正社員として働くメリットの中でも、特に大きいものが下記の3つです。

〇安定して収入を得られる
正社員は定期的な昇給と賞与など、安定した収入と福利厚生が得られます。退職金制度も正社員ならではの制度であるため、保育士として長期にわたって高収入を稼ぎたい人は、正社員を目指すことがおすすめです。

〇金融機関の審査に通りやすくなる
正社員は収入が安定しており、特別な理由がない限り雇用を打ち切られることがほとんどないため、社会的信用の高い存在です。銀行でローンを借りる際や、クレジットカードの申し込みを行う際には審査があり、安定性がある正社員は審査に通りやすいとされています。

〇キャリアアップしやすい
正社員は長期にわたって雇用されるため、責任ある仕事を任せられることがほとんどです。主任保育士や園長などへの昇進といったキャリアアップを目指すためには、正社員となることをおすすめします。国が保育士のキャリアアップを推進する流れも活発化しており、勤続年数によって昇進できるポジションが増えています。

これらのメリットにより、正社員として働く保育士は非正規社員に比べて、生活面で高い安定性を得ることができます。

正社員になるデメリット2つ

保育士として正社員で働くことには、メリットが大きいですが、いくつかデメリットも存在します。

〇非正規社員と比べて仕事量が多い
正社員は仕事の難易度が高く、仕事量も非正規社員より多い傾向にあります。そのため、残業が増えたり、仕事に追われたりすることも少なくありません。正社員は非正規社員よりも責任のある仕事を任せられるため、仕事量やストレスに対して収入が少ないと感じる人もいます。

〇仕事を辞めにくい
保育士は、全国的に人手不足が続いている状況です。特に担任を持っていたり、管理職についていたりすると、辞めるまでにさまざまな調整が必要です。正社員は契約更新という制度がなく、人材も限られているため、辞めたいと思ってもすぐに辞められないというケースがあります。

このように、正社員で働く場合、プライベートよりも仕事中心の生活となる可能性が高いことを理解しておきましょう。

保育士が正社員として働くためには?

保育士として安定した収入と待遇を確保したい人は、正社員を目指すことをおすすめします。正社員登用制度のある求人は人気が高く、採用されるためにはコツがあります。

ここでは、保育士が正社員として働くためのポイントを解説します。これから正社員を目指す保育士の人は、ぜひ参考にしてください。

保育士資格を取得する

保育士の仕事は、非正規社員であれば保育補助として資格なしでも働くことが可能です。しかし、保育士として正社員を希望する場合は、保育士資格の取得が必須となります。契約社員のまま実務経験を積みながら資格取得を目指すこともできますが、仕事と勉強の両立には自己管理が必要です。可能であれば、早い段階で資格試験に合格して正社員を目指しましょう。

また、保育士の仕事ではベビーシッターやチャイルドマインダーなどの民間資格の取得もおすすめです。保育現場では深刻な人材不足が続いているため、こうした資格を持っていれば、自分の保育スキルの証明となり、就職活動が有利となります。

保育士としての経験を積む

保育士の正社員登用には、ある程度の経験年数を求められるケースがほとんどです。保育士としての経験が多いほど、正社員登用の可能性は高まります。未経験や経験の浅い状態から正社員を目指すより、まずは非正規社員で保育士としての経験を積んでからチャレンジするほうが、スムーズに就職できます。職場によっては、経験不問で積極採用を行い、正社員に向けて資格取得支援をサポートしてくれるところもあります。

「正社員登用あり」の求人に応募する場合の注意点

正社員登用制度ありの求人に応募する際は、登用実績を確認することが大切です。正社員登用までのプロセスはそれぞれの職場によって異なり、人手不足の場合はすぐに正社員登用が決定する場合もあります。しかし、正社員となりにくい職場に入職してしまうと、契約満了後も正社員となれない可能性があるため、登用実績を確認することが大切です。

正社員登用制度を採用している職場でも、施設によっては登用実績が乏しい場合もあります。応募時には登用実績の確認とともに、登用基準や職員登用後の対応についても聞いておくと良いでしょう。ただし、正社員への登用条件や試験内容は応募者に非公開としているところもあるため、採用担当者に質問するだけではなく自分で情報収集することも大切です。

まとめ

保育士として生活の安定を実現するためには、正社員として働くことをおすすめします。正社員は給与や福利厚生など、非正規社員よりも有利な面が多く、社会的信用の高さやキャリアアップのチャンスという正社員ならではのメリットが大きな魅力といえます。

正社員登用ありの求人に応募する際は、求人情報とともに登用実績や登用条件を確認することが重要です。保育士専門の求人サイト「マイナビ保育士」に登録することで、このような非公開の情報も確認できます。保育士の求人を探すなら、こだわりの条件から求人を絞り込めるマイナビ保育士を、ぜひご利用ください。

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