dayservice_salarymarket_01.jpg

放課後等デイサービスは、支援が必要な障害児に対して、日常生活上の支援や訓練などを提供する施設です。身体機能に障害のある子どもや発達に特性のある子どもが対象となることから、介護職やリハビリ職のフィールドと思われがちですが、放課後等デイサービスには保育士の存在も欠かせません。

ただし、放課後等デイサービスで働く保育士の仕事内容や給料相場は、一般的な保育園と大きく異なります。放課後等デイサービスの仕事に興味のある保育士の方は、就職・転職の前に情報を把握しておきましょう。

今回は、放課後等デイサービスで働く保育士の仕事内容や給料相場、働くメリット・デメリットについて解説します。あわせて、地域別の求人情報や、放課後等デイサービスで働く際に取得しておきたい資格も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1. 放課後等デイサービスで働く保育士の給料相場

放課後等デイサービスは、児童福祉法の規定にもとづき「障害のある子どもや発達に特性のある子ども(6歳~18歳)に対して、生活能力を向上させるための訓練・指導など行う施設」です。一般的な保育園で働く保育士は、小学校就学前の乳幼児の保育を行いますが、放課後等デイサービスで働く保育士は、幅広い年齢の子どもと関わります。また、休日や長期休暇中以外は、学校での授業が終わった放課後にサービスを提供するため、勤務時間も保育園とは異なります。

保育士全体の給料相場と、放課後デイサービスで働く保育士の給料相場は下記の通りです。なお、放課後等デイサービスで働く保育士の給料相場は、マイナビ保育士の求人情報をもとに算出しています。

■保育士の給料相場(年収)

給料相場(年収)
放課後デイサービスで働く保育士(※1) 約350万~380万円
保育士全体(※2) 約391万円

(※1 出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※2 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

放課後等デイサービスで働く保育士の給料相場は、保育士全体の平均給料と同じくらいの水準です。ただし、児童発達支援管理責任者または管理者として働く場合は、400万円以上の年収を得られることもあり、保育士資格のほかに現場で役立つ資格・スキルがあれば、平均以上の収入が期待できるでしょう。

2. 放課後等デイサービスで働く保育士の仕事内容と勤務するメリット・デメリット

前述の通り、放課後等デイサービスで働く保育士は、一般的な保育園で働く保育士と仕事内容が異なります。一般的な保育園で働いていた方が転職先として放課後等デイサービスを選ぶ際は、仕事内容や働くメリット・デメリットを事前に把握しておく必要があるでしょう。

放課後等デイサービスで働く保育士の主な仕事内容は、遊びや宿題のサポート、支援計画にもとづいたトレーニングなどです。施設によっては、社会との交流を目的に社会見学や地域活動を行うケースもあるでしょう。

また、保護者の育児に関する悩みや、障害・発達に関する相談に対応するのも、保育士の大事な役目となります。子どもの送迎サービスを行っている施設では、管理者や児童指導員、保育士などが送迎を担当する場合もあります。

放課後等デイサービスで働くメリット・デメリットは、下記の通りです。

    ■放課後等デイサービスで働くメリット
  • 幅広い年齢の子ども1人ひとりとじっくり向き合える
  • 保育以外のスキル・経験も習得できる
  • 福祉系資格の知識を多方面で生かせる
  • やりがいを感じやすい
  • 今後の転職の際、勤務経験が有利に働く可能性がある

前述したように、放課後等デイサービスにおける保育士の業務は、子どもの学びや遊びのサポートをするだけではありません。利用者の日常生活やトレーニングを支援・指導するにあたっては、看護職や介護職、リハビリ職といった他スタッフとの連携が欠かせないため、自ずと療育(発達支援)に関する知識・スキルが身につくでしょう。加えて、保育園よりも長期的かつじっくりと子どもたちとかかわれるのも、放課後等デイサービスのメリットです。

■放課後等デイサービスで働くデメリット

  • 他スタッフとの連携が必要となる
  • 一般の保育園とは違った知識・スキルが求められる

保育士が放課後等デイサービスで働くことで、療育や福祉に関する専門性が高まります。一方で、他スタッフと連携しながら、1人ひとりの子どもに柔軟に対応する必要があるため、業務の難易度はやや高いと言えるでしょう。

また、放課後等デイサービスの対象年齢は就学後の児童であるため、一般の保育園とは違った知識・スキルが求められます。そして、保育士のなかにはその点にプレッシャーを感じてしまう人もいるようです。

上記の内容を踏まえるなら、「保育士の知識だけでなく幅広い知識やスキルを習得したい方」「保育だけでなく支援が必要な子どもたちのサポートがしたい方」が、放課後等デイサービスでの勤務に向いていると言えそうです。

【放課後等デイサービス】地域別の求人数と給料相場

貯金箱

自分の希望に合った職場を見つけるためには、地域ごとの求人状況や給料相場をチェックすることも大切です。ここからは、地域別に放課後等デイサービスの求人数と平均年収を紹介していきます。

(1)北海道・東北

北海道・東北地方の放課後等デイサービスの給料相場は、保育士全体の給料相場よりもやや低い傾向にあります。ただし、求人のなかにはオープンして間もない施設も多く、そうした職場は平均以上の給与相場となっていました。経験者や保育士以外の資格保有者であれば、安定した年収が期待できるでしょう。

■北海道・東北地方の求人数・給料相場

求人数 給料相場(年収)
放課後等デイサービスで働く保育士 86件 約280万~340万円
保育士全体(※) 634件 約284万~427万円(※)

(出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※ 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

(2)関東

関東地方の放課後等デイサービス求人は、東京都周辺に多く、設定給与も高い傾向です。施設によっては平均を大きく上回る給与が設定されているケースもあり、持っているスキルや経験によっては高収入が期待できるでしょう。

■関東地方の求人数・給料相場

求人数 給料相場(年収)
放課後等デイサービスで働く保育士 565件 約330万~410万円
保育士全体(※) 9,950件 約374万~451万円(※)

(出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※ 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

(3)信越・北陸

信越・北陸地方の放課後等デイサービスの給料相場は、保育士全体の平均年収と同じくらいの水準です。ただし、保育士以外の資格を保有していれば、平均を超えることもあります。求人数こそ多くありませんが、研修制度や福利厚生の整った職場がそろっており、働きやすさを重視する方には注目のエリアと言えそうです。

■信越・北陸地方の求人数・給料相場

求人数 給料相場(年収)
放課後等デイサービスで働く保育士 46件 約310万~350万円
保育士全体(※) 297件 約314万~431万円(※)

(※1 出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※2 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

(4)東海

東海地方の放課後等デイサービスの給料相場も、保育士全体の平均年収設定と同水準です。求人には関連資格の保有者を優遇するものが多く、児童指導員任用資格を取得している保育士であれば、年収約500万円以上も目指せます。有資格者に対して、資格手当が支給される求人も少なくありません。

■東海地方の求人数・給料相場

求人数 給料相場(年収)
放課後等デイサービスで働く保育士 275件 約310万~380万円
保育士全体(※) 1,549件 約340万~378万円(※)

(※1 出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※2 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

(5)関西

関西地方の放課後等デイサービス求人には、保育士全体の給料相場より高い給料が設定されている施設が多く見られました。特に大阪府は、施設数が多い上に福利厚生も充実している傾向にあり、ワークライフバランスを重視する方には、働きやすい環境と言えるでしょう。

■関西地方の求人数・給料相場

求人数 給料相場(年収)
放課後等デイサービスで働く保育士 297件 約330万~400万円
保育士全体(※) 2,731件 約350万~445万円(※)

(※1 出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※2 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

(6)中国・四国

中国・四国地方の放課後等デイサービス求人は、他のエリアと比較して給料相場が低い傾向にあります。しかし、マイカー通勤が可能な施設や資格取得のサポートを行っている施設が多く、働きやすさを重視する方はもちろん、経験の少ない方も安心して職場探しができそうです。

■中国・四国地方の求人数・給料相場

求人数 給料相場(年収)
放課後等デイサービスで働く保育士 125件 約280万~360万円
保育士全体(※) 663件 約335万~407万円(※)

(※1 出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※2 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

(7)九州・沖縄

九州・沖縄地方の放課後等デイサービス求人の給料相場は、保育士全体の平均年収と同じくらいの水準です。ただし、保有資格によっては年収約400万円以上を目指せる施設もあり、多くの求人が集中している福岡県には、福利厚生の整った施設がそろっています。

■九州・沖縄方の求人数・給料相場

求人数 給料相場(年収)
放課後等デイサービスで働く保育士 148件 約300万~380万円
保育士全体(※) 1,167件 約309万~408万円(※)

(出典:マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/

(※ 出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

放課後等デイサービスで働く場合に取得しておきたい資格3選

放課後等デイサービスには、子どもの学び・遊びをサポートできる保育士の存在が欠かせません。放課後等デイサービスで働くにあたっては、保育士資格に加えて介護福祉関連の資格を保有していると、キャリアアップや高年収につながる可能性があるでしょう。

放課後等デイサービスで保育士が取得しておきたい資格は、下記の3つです。

  • 児童発達支援管理責任者
  • 介護福祉士
  • 介護職員初任者研修

これらの資格は就職・転職において必須ではないものの、保有していれば就職・転職活動を有利に進められます。実際の活動でも、より幅広いサポートができるようになるでしょう。

まとめ

放課後等デイサービスは、学校に就学している障害児や発達に特性のある子どもを対象に、生活能力を向上させるための訓練・指導など行う施設です。そのため、「幅広い知識・スキルを習得したい保育士」や、「支援が必要な子どもたちをサポートしたい保育士」に向いている職場と言えるでしょう。

放課後等デイサービスで働く保育士の仕事内容や給料相場は、一般的な保育園で働く保育士と異なるため、就職・転職の際にはきちんと情報を把握しておく必要があります。

放課後等デイサービスで働きたいという保育士の方は、全国の保育士求人を掲載する求人サイト「マイナビ保育士」をご利用ください。マイナビ保育士では、専属のキャリアアドバイザーが1人ひとりにぴったりの求人をご紹介するほか、提出書類の添削や面接対策といった転職サポートも無料で提供いたします。

※当記事は2024年3月現在の情報をもとに作成しています

放課後等デイサービスの求人情報はこちら