認可外保育園で働く保育士の給料相場｜勤務のメリット・デメリットも

保育士が活躍できるフィールドには、一般的な保育園だけでなく多様な形態の保育施設があります。「保育園」と聞いて多くの方がイメージする施設が、国や都道府県知事に認められて運営・経営を行う認可保育園です。しかし近年では、認可基準に満たない「認可外保育園」も多くの保護者や保育資格を保有する方から人気があります。

そこで今回は、認可外保育園の概要から、認可外保育園で働く保育士の給料相場や働くメリット・デメリット、さらにおすすめの資格まで詳しく解説します。転職先を探している保育士や、認可外保育園が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

認可外保育園で働く保育士の給料相場

認可外保育園とは、国や自治体による認可を受けていない保育園のことです。主に民間企業・民間団体が運営しており、各施設によりあらゆる形態があるという特徴を持っています。

「認可外」という言葉の印象で、ネガティブなイメージを持つ方も少なくありません。しかし認可を受けていないからと言ってずさんな運営を行っているわけではなく、保護者の多様なニーズに適した独自の方針を打ち出すために、あえて認可外として運営を行う保育園がほとんどです。企業内保育所・企業主導型保育所や院内保育所といった施設形態は、認可外保育園として運営される傾向にあります。

実際に子どもの預かり方に柔軟性を持っていることから、多くの保護者に人気のあるサービス形態となっており、認可外保育園で働く保育士の需要も高まっています。

全国・全職種の保育士の給料相場と比較した、認可外保育園で働く保育士の給料相場は下記の通りです。

■保育士の給料相場（年収）

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

認可外保育園で働く保育士は、保育士全体の平均給料と遜色なく、職場や働く方の経験・スキルによってはそれ以上に高い給料を得られる可能性もあります。

認可外保育園で働く保育士の仕事内容と勤務するメリット・デメリット

保育園と聞いて一般的にイメージされる認可保育園と、多様なニーズに対応できる認可外保育園とでは、働き方が大きく異なるケースもあります。応募前の想像と勤務後の実態におけるミスマッチを防ぐためにも、事前に認可外保育園の仕事内容と働くメリット・デメリットを把握しておきましょう。

認可外保育園は、朝7時から夜22時ごろまでの長時間保育に対応する事業所が多く、その他休日保育や一時預かり保育にも力を入れている園も存在します。また、「プリスクール」として英語教育に力を入れるなど、個性的な教育・保育方針を打ち出す園も多々あります。

認可外保育園で働くメリット・デメリットは、下記の通りです。

■認可外保育園で働くメリット

• 園の特長によっては、自身の得意分野をしっかり活かせる
• 一人ひとりの子どもとじっくり向き合える
• 柔軟な勤務形態で働ける
• 残業が少ない傾向にある

前述の通り、認可外保育園は独自の個性的な保育方針を打ち出すところもあり、例えばプリスクールの場合、英語が得意な保育士であればその知識を存分に活かすことができます。小規模な園が多いため一人ひとりの子どもとじっくり向き合えるうえ、夜間のみや数時間勤務など柔軟な働き方ができる点も魅力です。また長時間保育を行う園で人手が充実している場合は早番・中番・遅番など三交代制となっていることから、残業が少ないこともメリットと言えるでしょう。

■認可外保育園で働くデメリット

• 保育設備の整っていない園が多い
• やりがいを感じにくい

認可外保育園は小規模のところが多く、園庭がなかったり保育室が狭かったりして、いくら少人数保育とは言えどやや働きづらさ・動きづらさを感じるケースもあります。また、行事やイベントも少なく、開催されたとしても規模の小さいものが多いためやりがいは少なく、少々物足りなさを感じる場合もあるでしょう。

【認可外保育園】地域別の求人数と給料相場

理想通りの職場を見つけるためには、地域による求人状況の差や給料相場を見たうえで、適切な職場を選択することが大切です。ここからは、地域別に認可外保育園の求人数と平均年収を解説します。就職先選び・転職先選びの参考としてください。

（1）北海道・東北

北海道・東北地方の認可外保育園求人は、全保育士の給料相場よりもやや低い傾向です。しかし、マイカー通勤が可能だったり子育て中の保育士も問題なく働けたりと、働きやすい園が揃っています。

■北海道・東北地方の求人数・給料相場

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

（2）関東

関東地方の認可外保育園求人は、東京都を中心に、埼玉県・千葉県・神奈川県で特に多く出されています。中には年収400万以上が設定されている求人もあり、経験やスキルに応じて適切な給料を得られる園が多いと言えるでしょう。

■関東地方の求人数・給料相場

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

（3）信越・北陸

信越・北陸地方では、認可外保育園求人が他エリアと比較して少ない傾向にあります。病院保育所や乳児園という形態で運営する園も多く、福利厚生の充実さや給料の安定性が魅力です。

■信越・北陸地方の求人数・給料相場

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

（4）東海

東海地方の認可外保育園は、園の保育方針によって給料が大きく異なる点が特徴です。英語などの専門的な知識が必要となる求人では、400万円以上の年収を設定しているケースもあります。

■東海地方の求人数・給料相場

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

（5）関西

関西地方の認可外保育園求人は、大阪府・兵庫県が多くを占めています。地域によっても設定給料の幅は広いものの、大阪府の場合は未経験でも年収300万円以上を目指すことができ、研修制度も整っていることからスキルアップもしやすいでしょう。

■関西地方の求人数・給料相場

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

（6）中国・四国

中国・四国地方の認可外保育園求人は、全保育士と比較して給料相場がやや低いものの、4ヶ月分以上の賞与を得られる園もあります。スキルによっては、給与面が好条件な職場選びをすることで全保育士の平均給料以上に稼ぐことができるでしょう。

■中国・四国地方の求人数・給料相場

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

（7）九州・沖縄

九州・沖縄地方は比較的認可外保育園の求人数が少なく、全保育士の平均給料よりも給料が低い傾向です。しかしアットホームな雰囲気の職場が多く、経験者・未経験者問わず働きやすさを感じやすいでしょう。

■九州・沖縄地方の求人数・給料相場

（※1 出典：マイナビ保育士/ https://hoiku.mynavi.jp/ ）
（※2 出典：厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html ）

認可外保育園で働く場合に取得しておきたい資格3選

認可外保育園は、保育士の設置義務がありません。そのため、保育士資格を保有していない方でも子どもたちの保育業務に従事することが可能です。しかし、基本的には保育士資格を保有している方を条件に求人が出されることがほとんどでしょう。保育士資格を保有していない方は働きながら資格取得を目指せるような求人をおすすめします。

また、認可外保育園で働く場合に取得しておきたいその他の資格は、下記の3つです。

• チャイルドマインダー
• 保育カウンセラー
• 育児セラピスト

保育士資格に加えて上記の資格も保有しておくことにより、就職や転職の際に有利となり、自分の希望に沿った給料の高い職場で働ける可能性が格段にアップします。

まとめ

認可外保育園とは、主に民間企業・民間団体が運営する「国や自治体による認可を受けていない保育園」です。認可外という言葉がネガティブなイメージを連想させるものの、実際には保護者の多様なニーズに適した保育方針を打ち出す園が多く、個性的な教育に力を入れたいという保護者から人気を誇っています。

認可外保育園で働く保育士は、保育士資格を含むあらゆる資格の保有状況や経験・スキルによって給料が大きく異なります。なるべく高い給料で働きたいという方は、働きながらキャリアアップを見込める理想的な求人をしっかり探すことが大切です。

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※当記事は2021年9月現在の情報をもとに作成しています