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保育士を目指す方の中には、保育士はどのような状況で仕事へのやりがいや喜びを感じているのか疑問に感じる方もいるでしょう。仕事へのやりがいは実際に働いてみなければ分からないことが多く、勤務場所や人によって感じることも異なります。

当記事では、一般的に保育士が感じている仕事へのやりがいと喜び、大変なことについて解説します。保育士を目指そうか迷っている方は、保育士の大変な部分も理解して、自分が保育士に向いているかの確認に役立ててください。

保育士になってよかったこと、やりがいを紹介!

保育士の仕事はとても忙しく、大変さを感じることは少なくありません。しかし、子どもや保護者とのつながりの中で、他の職業ではなかなか得られない、保育士ならではのやりがいや楽しさを感じる部分も多い仕事です。

ここでは、保育士の皆さんが感じる仕事のやりがいや、保育士になってよかったことをいくつか紹介します。

子どもたちの笑顔に癒される

何気ない日々の中で、子どもたちは多くの笑顔を見せてくれます。保育士が大きなやりがいを感じるのは、子どもたちが見せる嘘のない純粋な笑顔に触れたときです。

    ・いつも登園時に泣いていた子どもが、笑顔で登園できるようになった
    ・初めてできるようになったことを保育士に笑顔で報告してくれた
    ・まだ言葉を話せない小さな子どもが、こちらを見て微笑んでくれた

子どもが保育士を信頼し、笑顔を見せてくれたときに感じる喜びは、仕事の大きな魅力です。多くの保育士が、仕事で落ち込むことがあったとしても、子どもの笑顔によって癒されたという経験を持っています。

子どもたちの成長が近くで感じられる

保育士は、赤ちゃんから小学校入学までの最大6年間を通して、子どもを保育する存在です。子どもによっては保護者よりも長い時間を保育士と過ごすこともあり、ときには子どもの成長を誰よりも早く見ることができます。

    ・ハイハイしかできなかった子どもが初めて歩けるようになった
    ・オムツではなくトイレで用を足せるようになった
    ・昨日まで食べられなかった苦手な野菜を一口食べられた

日々成長する子どもの姿を見るたびに、保育士はさまざまな感動を味わいます。子どもの成長に深く関わり、手助けしていると実感することは、保育士だからこそ感じられるやりがいです。

保護者に感謝される

保育士がやりがいを感じるのは、子どもとの関わりだけではありません。子どもの保護者の方とのやり取りの中でも、保育士になってよかったと感じる機会があります。

    ・「先生に子どもを保育してもらえるから安心して仕事に行ける」と感謝された
    ・「保育園での子どもの様子を教えてもらえて嬉しい」と喜ばれた
    ・「アドバイスのおかげで子どもの生活習慣を見直せた」と頼ってもらえた

保護者の方にとって、保育士は子どもを安心して預けられる頼れる存在です。送迎時に保護者の方から感謝の言葉をかけてもらったり、保育士の助言によって保護者の方の育児の悩みが解消されたりしたとき、保育士は大きなやりがいを感じるでしょう。

保育士が感じる大変なこと4つ

保育士が行うのは子どもの保育だけではなく、事務作業やイベントの準備、保護者への連絡など多岐にわたり、作業量の多い仕事であると言えます。そのため、保育士の仕事にやりがいを感じる一方で、「大変だな」と思うことも少なくありません。

ここでは、保育士が日常で感じる大変なことの中で、代表的なものを4つ解説します。

子どもとの関わり方

保育士は子どもと一緒に遊ぶだけではなく、食事や着替え、排泄など生活全般のサポートにあたります。子どもの年齢に合わせて援助する必要があることから、子どもの成長発達について多くの知識が必要です。

保育士は元気に走り回る子どもを追いかけたり、泣いている子どもを抱っこやおんぶであやしたりといった体力も必要です。子どもとの信頼関係を結ぶために、忍耐強い関わりを要するケースもあるでしょう。

子どもの成長の手助けとなる幅広い知識や体力が求められるため、保育業務の中で子どもとの関わり方に大変さを感じる保育士は多くいます。

保護者との連携

保護者の方との連携は保育士の重要な仕事の1つですが、苦労することもあります。

保護者の方の中には、子どもを思う気持ちが強すぎるあまり、保育園や保育士にさまざまな要望をする方もいます。「保育園での子どもの様子をすべて報告してほしい」「子ども同士でケンカになったときは、相手が誰なのか教えてほしい」など、要望によっては対応が難しいものもあるでしょう。

保護者の方との連携に悩んだ際には、保護者の方の意見や事情を十分に聞きつつ、周りの保育士や園長に相談しながら適切に対応する工夫が必要です。

職場の人間関係

保育士はクラス運営や園行事などで、円滑に業務を進めるためにチームワークが求められます。誰かと一緒に仕事することが多いため、性格の不一致があった場合もコミュニケーションを避けにくいのが、保育士の人間関係の難しいところです。保育方針や意見の違いで対立することもあります。職員との関わりにうまく馴染めず、悩みを抱える保育士も少なくありません。

東京都福祉保健局が平成30年度に保育士の退職理由(複数回答)を調査した結果では、退職理由の1位が人間関係でした。

(出典:東京都福祉保健局「Ⅲ.調査結果詳細」/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shikaku/30hoikushichousa.files/430chosakekkashosai.pdf

保育園では、相手を思いやることで人間関係をうまく築ける傾向にあります。たとえば、業務ではチームワークが大切になるので、次は何をしたらよいか先々を考え、一緒に仕事する保育士とこまめに連絡をとりましょう。笑顔を絶やさないことで、親しみやすく、打ち解けやすい雰囲気が作れます。

持ち帰り仕事

持ち帰り仕事の多さも、保育士の仕事の大変な部分の1つです。保育士には子どもの保育の他にも、園内の清掃や保育指導計画の作成、諸行事の準備など、必要な業務が多数あります。

就業時間内に業務が終わらず、自宅に持ち帰って作業しているという保育士は少なくありません。たとえば、発表会で使う小道具や保育室の飾りを作る作業などです。

「子どもたちの喜ぶ顔を思い浮かべれば、苦には感じない」と考える保育士は多くいます。一方で、持ち帰り仕事によってプライベートの時間が減ることから、持ち帰り仕事を大変だと感じる方もいます。

保育士に向いている人の特徴

保育士に向いている人は、いくつかの共通した特徴を持っています。保育士に適性のある人の特徴を以下に挙げるので、参考にしてください。

物事の見通しを立てて計画、行動ができる人
保育士の仕事には、保育室の環境整備や活動内容の計画が含まれます。

保育室の環境は、子どもの行動を予測して整備します。たとえば、遊びやすい位置に机を置く、手の届かない場所にカッターを収納するなど、子どもが楽しく安全に過ごすための配慮が必要です。

また、活動内容の計画を立てる際は、子どもに身につけてほしいことから逆算します。お友だちと仲よく遊べるようになるために、オモチャの貸し借りの声かけや「ごめんね」「ありがとう」を言えるようにするなどです。

見通しを立てて計画や行動ができる人は、保育士に向いていると言えるでしょう。
体力に自信がある人
子どもはいつもエネルギーに満ちています。元気いっぱいの子どもをケアし、一緒に遊ぶには、体力は必要不可欠です。また、保育園のイベントの準備や保育室の模様替えで重いものを運ぶ場合もあるため、体力のある人は保育士として活躍できる大きな可能性を持っています。
ポジティブで感情表現が豊かな人
保育士として働く中で、辛いことや悲しいことが起こる可能性はゼロではありません。しかし、子どもが楽しく過ごすには保育士の明るく元気な姿が必要です。気持ちを切り替えて物事をポジティブに捉えられる人は、保育士に向いています。

また、子どものすることに対して大きくリアクションすると、子どもはとても喜びます。豊かな感情表現ができることは、保育士の大切な資質です。
コミュニケーション能力に優れている人
保育士は、子どもはもちろんのこと、保護者や他の保育士ともコミュニケーションを取る必要があります。年代や性別、役職を問わずさまざまな人と関係を築ける人は、保育士の適性があると言えるでしょう。

まとめ

保育士は子どもや保護者の方との関わり方に悩んだり、ときには持ち帰り仕事をしたりなど大変な職業です。一方で、子どもたちの笑顔と成長を近くで見れ、保護者に感謝されるなど、保育士だからこそ感じられるやりがいや喜びも多く存在します。

保育士として働く場合は、さまざまな能力や知識が求められます。計画を立てて遂行できたり、物事をポジティブに捉えられたり、人と話すのが好きでコミュニケーションに長けていたりする人が、保育士に向いている人の特徴です。

※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています