託児所は子どもの夜間保育や一時預かりなど、さまざまな子どもを一時的に預かるニーズに対応した施設です。昨今では託児所の数が増えており、今後さらに需要の増加が想定されています。託児所によって対象年齢や保育時間が異なるため、託児所で働きたい場合は施設の概要をしっかり確認することが大事です。
当記事では、託児所の仕事内容や業務で求められること、保育園との違いや託児所で働くメリット・デメリットについて解説します。託児所に興味のある保育士の方は、ぜひご一読ください。
目次
託児所とは?
託児所とは、国や地方自治体の認可を受けていない認可外保育施設の1つです。
託児所のサービス形態には「一時預かり」と「月極保育」の2つがあり、施設形態も下記のようにさまざまな種類があります。
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●商業施設内などの預かり施設
●企業内保育所
●院内託児所
●ベビーホテル
なお、託児所は認可外保育施設の1つではあるものの、実際には地方自治体の設置認可を得た上で開所している施設が多い傾向にあります。
託児所と保育園との違い
託児所と保育園はどちらも子どもを預かる施設であり、保育士の代表的な勤務先である点も共通しています。託児所と保育園との違いは下記表の通りです。
託児所 | 保育園 | |
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所轄官庁 | なし | 厚生労働省 |
対象年齢 | 託児所によって異なる | 0~6歳 |
保育時間 | 託児所によって異なる | 保育園に準ずる |
開設条件 | 乳幼児を1日1人以上預かる場合、 自治体への届け出が必要(対象外あり) | 厚生労働省の定めた内容に沿う |
目的 | 一時的に保護者から子どもを預かる | 保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図る |
(出典:厚生労働省「保育所保育指針解説」/ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf )
(出典:内閣府「新たに届出がなされる認可外保育施設の確認の取扱いについて」/ https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/pdf/r010830/honbun.pdf )
保育園は児童福祉法で、「保育所」として明確な定義がある施設です。所轄官庁・対象年齢・開設条件が定められており、託児所よりも厳格な運営がされています。
託児所の特徴
託児所はあくまでも一時的に子どもを預かる施設であり、保育士資格がない方でも働けます。保育士と同様に、調理員や看護師を配置する必要もない施設です。
託児所は開設条件が保育園よりも緩く、経営の自由度が高い点が特徴です。受け入れる子どもの対象年齢や保育時間も託児所ごとに大きく異なります。託児所によっては園庭や調理室などの施設設備がないケースも珍しくありません。大きなイベントや行事がない施設も多く、保育士にとって働く負担の少ない職場と言えます。
託児所の現状
近年、託児所と見なされるベビーホテルや事業所内保育施設といった認可外保育施設は増加傾向にあります。
厚生労働省が公表したデータによると、2019年から2020年にかけての1年間だけでも、認可外保育施設は7,051施設も増えていました。特に事業所内保育施設は4,808施設と大きく増加しており、託児所のニーズは高い状況にあると言えます。
(出典:厚生労働省「令和元年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000159036_00006.html )
認可保育所などの待機児童数は近年減少を続けているものの、令和3年4月時点での待機児童数は5,634人であり、待機児童解消には依然として遠い状況です。
(出典:厚生労働省「令和3年4月の待機児童数調査のポイント」/ https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000840529.pdf )
託児所人気は待機児童問題と関連していると考えられるため、今後も託児所の施設数・利用者数は増加を続けると予測できます。
託児所で働くには?
託児所は保育士資格が必要ないため、保育士資格のない方も求人に応募できます。
しかし、託児所で働く際に保育士資格が全く意味を持たないわけではありません。託児所は乳幼児を預かるケースも多い施設であり、保育士資格を保有している場合は優遇される可能性が高いでしょう。ほかの資格では、看護師資格があると託児所への就職・転職に有利と言えます。
以下では、託児所の仕事内容や仕事で求められること、注意点などを解説します。
託児所の仕事内容
託児所では主に下記のような仕事内容があり、基本的に保育園の仕事内容と大きな違いはありません。
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●ミルクや食事の提供
●オムツ交換
●昼寝の寝かしつけ
●子どもの遊び相手
●散歩の引率
●保護者への子育て支援や相談対応
など
託児所の方針によっては、英会話や音楽教育などが業務に含まれることもあるでしょう。小規模な施設では集団遊びや外遊びを行わず、一時預かりのみを行うケースもあります。
託児所の仕事で求められること
託児所は毎日同じ子どもたちを預かるわけではなく、利用する子どもたちの顔ぶれは日々変化します。初めて利用する子どももすぐに慣れてもらえるよう配慮するなど、託児所で働くスタッフには柔軟な対応力が必要です。
施設によっては預かる子どもの年齢層が広く、小学生の子どもを預かる場合もあります。子どもの年齢によってお世話の要不要や遊びの種類が異なるため、託児所で働くスタッフは子どもの年齢に合わせた対応ができることも求められます。
託児所の仕事で注意すること
認可外保育施設である託児所には設置基準などが定められておらず、衛生管理や安全管理は施設が自主的に行います。預かる子どもが安全に過ごせるよう、託児所で働くスタッフは子どもの衛生面と安全面に配慮することが大切です。
子どもが遊んでいるときに怪我をしたり、風邪などの病気をうつしたりしないように注意しましょう。託児所で提供する食事やおやつで食中毒を起こさないよう、衛生的な環境づくりも必要です。
また、夜間保育がある託児所では夜勤があり、慣れないうちは体調を崩しやすい可能性があります。自分自身の体調管理に気を付けることも重要です。
託児所で勤務するメリット・デメリット
託児所の保育内容は、保育園との大きな違いがありません。一方で、保育士資格が必要なかったり、所轄官庁がなかったりなど、託児所は保育園とは異なる自由な面がある点が特徴です。保育園と似ているようで異なる託児所には、さまざまなメリットとデメリットがあります。
以下では、保育士が託児所で勤務するメリット・デメリットを解説します。
託児所で勤務するメリット
託児所はさまざまな形態の施設があるものの、主なメリットは以下の5つです。
保育士経験があると優遇される |
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正社員求人は保育士資格者を条件とするなど、託児所は保育士経験がある人材を優先的に採用する傾向があります。 |
イベントや行事がないため、残業と持ち帰り仕事が少ない傾向にある |
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イベントや行事がない託児所は、残業と持ち帰り仕事が少ない傾向にあります。事務仕事もそれほど多くなく、仕事に集中できる環境です。 |
企業内保育園の場合、保護者が身近にいる |
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企業内保育園は、保護者が働くオフィスの近くに託児所が設置されています。万が一の事態にも、保護者と連絡をすぐに取れる点がメリットです。 |
体力的な負担を抑えられる |
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託児所は小規模な施設が多く、預かる子どもは基本的に少人数です。子どものお世話が大変になりすぎず、体力に不安がある方も働けます。 |
アットホームな保育ができる |
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託児所は基本的に少人数の子どもを預かるため、子どもたち1人ひとりに目が行き届きます。子どもの個性を重視したアットホームな保育ができるでしょう。 |
託児所で勤務するデメリット
託児所には認可外保育施設である点、小規模な施設が多い点によるデメリットがあります。
正社員募集が少ない傾向にある |
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託児所の求人はパート募集が多く、正社員募集は少ない傾向にあります。安定した収入が得られる正社員で働きたい方にはデメリットとなる点です。 |
保育経験の少ないスタッフが多い |
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託児所は保育士資格が必須ではないため、保育経験の少ないスタッフも働いています。保育士の視点で見ると適切ではない方法でお世話をしていたり、危険な遊びをさせていたりすることにハラハラするケースもあるでしょう。 |
キャリアアップの経験が積めない |
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託児所は子どもの保育が目的ではないため、幼児教育や保育実践などのキャリアアップに必要な経験が積めません。保育士としてキャリアアップを目指したい方には向かない施設です。 |
まとめ
託児所とは認可外保育施設の1つです。保育園は所轄官庁や対象年齢、開設条件が定められている一方で、託児所では定められていません。運営の自由度が高く、受け入れる年齢や保育時間も託児所ごとに大きく異なります。
託児所の仕事内容は基本的に、保育園の仕事と大きな違いはありません。一時的に子どもを預かる施設であるため、保育士資格がない方でも働けます。利用する子どもの顔ぶれが日々変化するため、さまざまな子どもに対応する力が求められます。託児所はアットホームな保育がしたい方におすすめの仕事です。
※当記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています