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学童保育の志望動機を書く際は、自分の熱意や経験などをどのように伝えるかが重要です。伝え方を工夫することでしっかりと採用担当者に熱意が伝わり、採用へとつなげられます。しかし、学童保育での勤務を希望する方の中には、志望動機の書き方が分からず困っている方もいるのではないでしょうか。

当記事では、学童保育の志望動機の書き方を、例文付きで解説します。熱意はあるのにうまく志望動機が書けないという方は、ぜひお役立てください。

学童保育の志望動機の書き方

学童保育とは、放課後や長期休みの際に小学生を預かる施設のことです。主に共働き世帯の、保護者が家にいない子どもなどが預かり対象となります。施設や地域によっては「学童クラブ」や「放課後キッズクラブ」と呼ばれるケースもありますが、正式な事業名は「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」です。

(出典:こども家庭庁「放課後児童健全育成事業について」/ https://www.cfa.go.jp/policies/kosodateshien/houkago-jidou/overview/

施設の職員は子どもと一緒に遊んだり宿題をしたりして、保護者が迎えにくるまで安全な場所を提供します。

以下では、学童保育の志望動機の書き方を4つのステップに分けて解説します。

【STEP1】志望する学童保育を選んだ理由を記載する

志望動機は「稼げるから」といった働く目的を書くのではなく、なぜ応募先の学童保育を選んだのかを、自分の思いを含めて理由を書きましょう。たとえば、「小さな園で培った知識や経験を生かせる規模の大きな施設を探していた」など、自分の思いを明確に記載します。

施設見学に行っていない場合など応募先を詳しく知らなくても、自分の思いを深掘りして書くと、オリジナリティのある志望動機に仕上げられます。

【STEP2】志望理由となるエピソードを盛り込む

具体的なエピソードを盛り込んで、説得力を高めることも大切です。志望動機に説得力がないと採用担当者の印象に残らず、採用につながりにくくなるため注意しましょう。

これまで経験した実際のエピソードや自分の思いと、応募先の学童保育ならではの特徴が噛み合うと、説得力が高まり熱意を伝えられます。応募先の施設の魅力的に感じた部分や、学童保育だからこそ実現できる自分の思いなどを具体的に盛り込んでください。

【STEP3】自分の強み・スキルをアピールする

自分の強みやスキルを志望動機に含めると、応募先の学童保育に貢献できるポイントをアピールできます。保育士などの子どもと関わる職業の経験者は、子どもと接する際に注意したことや意識していた点などを具体的に志望動機に盛り込みましょう。

子どもと関わる職業が未経験の場合でも、自分がもつ強みやスキルが学童保育にどのように生かせるか記載すると、効果的なアピールポイントになります。

【STEP4】選んだ学童保育でどのように働きたいかを記載する

採用となった場合はどのように働きたいかを記載すると、採用担当者に意欲を感じてもらいやすくなります。これまでの経験や自分の性格、努力してきた内容も関連付けるのがおすすめです。たとえば、「運動部で培った体力を生かして子ども達に体を動かす楽しさを伝えたい」など、具体的にすることで信頼性が高まります。

また、どのように働きたいかを記載すると応募先の学童保育の方針と自分の希望に相違がないか、双方の認識を擦り合わせる材料としても役立ちます。

学童保育の志望動機を書く際のポイント

志望動機は、応募先の学童保育の採用担当者へ自分の熱意を伝えられる貴重な項目の1つです。採用担当者にとっても、施設に貢献できるか、長く活躍してくれる人材かを判断する材料となります。応募先で働きたい思いをしっかりと伝えられるよう、特に下記の3つのポイントを押さえて志望動機を書きましょう。

話に一貫性をもたせる
履歴書や面接、就職活動全体を通して披露する自分の思いやエピソードは、一貫性をもたせることが大切です。志望動機や長所・短所など、複数の質問への回答で食い違う点があると、採用担当者に疑問をもたれ追求を受ける可能性があります。
給料や福利厚生の話は避ける
志望動機で給料や福利厚生に触れると、待遇面を重視して応募してきたと採用担当者に誤解を与える可能性があります。志望動機は、施設の方針や仕事内容などに焦点を当てて書くのが大切です。
志望動機に具体性をもたせる
「理念に共感した」「社風が合う」といった抽象的な表現を用いると、他の施設でも通用する内容になってしまいます。「私は〜の経験があるため、貴施設の〜の面で活躍できる」といった理由と結論を併せて記載し、具体性をもたせましょう。

施設が求める人材と合わなければ採用に至りません。応募先の情報を把握し、誤解を与えずに自分の思いが伝わる志望動機になるよう意識してください。

学童保育の志望動機の例文

ここでは、新卒・中途・同業から転職の、3つのキャリア別で志望動機の例文を紹介します。それぞれ2つずつ例文を記載しているため、現在の自分の状況や培った経験などと照らし合わせて参考にしてください。

新卒の方向けの志望動機

新卒で応募する場合は、なぜ学童保育の職員になりたいのか熱意を伝えることが重要です。学生時代の学びやボランティア経験など、実際の体験と関連付けて採用担当者の共感を得やすくしましょう。

・例文1

    私は大学の授業で、発達障害の子どもとの接し方について学びました。発達障害は幅広い種類があり適切な接し方がそれぞれ異なる中で、貴施設の職員の方々が丁寧に子ども一人ひとりに寄り添っているのを施設見学の際に感じました。私も授業で学んだ知識を生かし、発達障害の子ども達が安心して過ごせる環境づくりをしたいと思っています。

・例文2

    私は学生時代に、学童保育のボランティアに参加した経験があります。大学の教育学で​​教育方法などについて学びましたが、実際に子どもと触れ合うと授業で得た知識だけがすべてではないと感じました。貴施設は子どもの主体性を大切にしており、多くのイベントを実施されています。大学の授業とボランティアで得た学びを応用して、私も子どもたちにさまざまな経験を提供できる1人になりたいと考えています。

中途の方向けの志望動機

中途の方は、これまでの経験や培ったスキルを学童保育でどのように生かせるかに重点を置き、熱意も伝わるように志望動機を書きましょう。

・例文1

    これまで勤務した幼稚園では、就学前の子どもが少しずつ自立していけるよう、一人ひとりの個性を大切にそれぞれにあった声かけを意識してきました。この心がけは、学童保育の子どもとの関わりにも生かせると思っています。多くの子どもが利用する貴施設で、経験を生かして一人ひとりの個性と家庭環境を汲み取り、丁寧に寄り添えるよう努めます。

・例文2

    子どもと関わる仕事がしたいと思いながらも、適切なコミュニケーションを取り指導できるか不安に感じ、子どもとは関係がない営業職に従事してまいりました。しかし、社会人生活を送る中で子どもと関わる仕事への思いは変わらず、この度転職を決意しました。営業として働く中で培った、聞く力や表現能力などの意思疎通に欠かせないスキルは、子どもと信頼関係を築くのにも役立つと思っております。

同業から他の学童保育へ転職する方向けの志望動機

同業から転職する場合は、特に応募先の学童保育にしかない独自の方針や取り組みを含めて志望動機を書きましょう。これまで子どもと接する中で培った、自分の経験や思いと関連付けるのがポイントです。

・例文1

    心に傷を負った子どもや恵まれない環境下にいる子どもをしっかりとサポートし、寄り添える施設を作りたいと考えています。現在勤めている施設とは、私が目指す学童保育と理念が一致せず悩むことが多くなりました。貴施設の理念や取り組みは私が目指す学童保育と一致しており、ぜひ貴施設で働きたいと感じています。

・例文2

    学生時代に所属した運動部で培った体力を生かして、子ども達に体を動かす楽しみを伝えたいと考えています。そこで、広い施設を活用して多くの運動イベントが企画されている貴施設を志望いたしました。コーチとして幅広い年齢を対象に指導した経験もあるため、子ども一人ひとりにあった運動を提案したいと思っています。

まとめ

学童保育の志望動機を書く際は、自分のこれまでの経験や熱意、その施設を選んだ理由などを具体的に伝えることが大切です。その施設で働きたい理由を明確に説明し、どのように施設の子どもたちの成長に貢献したいかを明確にすることで、より説得力のある志望動機になります。

保育士や幼稚園教諭だった方はこれまでの子どもとの関わりの中で意識してきたことを記載すると、実際に勤務するときの子どもへの対応をイメージしてもらいやすいでしょう。

※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています