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子どもの命を預かる保育士には、大きな責任が伴います。また、日々の活動には、子どもに対する理解力や柔軟な対応力、観察力など、さまざまな能力も必要とされます。そのため、「保育士に必要な能力が身についているのだろうか」「体力に自信がないけれど保育士が務まるかな」などの不安を感じている人も、多いのではないでしょうか。

本記事では、保育士に必要とされる基本的な能力を、7つの項目に分けて詳しく解説します。1つひとつチェックしながら、成長のヒントを見つけてみてください。

   

保育士に必要とされる基本的な能力7選

保育士に必要とされる基本的な能力として下記の7つが挙げられます。

  • 子どもへの深い理解力
  • コミュニケーション能力
  • 観察力・判断力
  • 忍耐力・柔軟性
  • 危機管理能力
  • 体力・健康管理能力
  • 協調性・調整力

保育士は、子どもだけでなく、保育者や保護者など多くの人と関わるため、コミュニケーション能力や協調性が不可欠です。加えて、子どもの発達や状況に応じて、柔軟に判断・対応できる力も求められます。以下で解説する「保育士に必要な能力7つ」を参考にして、自分の強みや足りていない力を見直してみましょう。

 

子どもへの深い理解力

保育士には、子どもの発達段階や性格、家庭環境などを踏まえた関わりが求められます。

発言や行動の背景にある子どもの気持ちをくみ取り、適切に対応する。あるいは、一人ひとりの個性や感情を受け止め、しっかりと寄り添う。「理解力」はそうした場面に欠かせないものであり、保育の基盤となる能力ともいえます。

子どもの理解を深めるためには、以下のようなアクションを起こしてみましょう。

 

  • 発達や障害に関する書籍を読む
  • 保育士向けの研修に参加する
  • 職場内で定期的にミーティングを行い、子どもの様子を共有する

 

コミュニケーション能力

日々の活動においては、子どもとの信頼関係を築くことはもちろん、保護者やまわりの保育士との連携も欠かせません。そのため、相互理解を深めるためのコミュニケーション能力(=わかりやすく伝える力、相手の話に耳を傾ける力)は、保育士にとって非常に大切です。 

人とコミュニケーションをとるのが苦手な人は、以下の方法で身につける努力をしてみましょう。

 

  • 積極的に人と話す機会を増やす
  • 話すスピードやトーンに気をつける
  • 相手の話にきちんと耳を傾ける
  • 会話のなかであいづちや質問を上手に使う
  • コミュニケーションが得意な人を観察する

 

観察力・判断力

子どもの小さな変化やサインを見逃さず、素早く対応するためには、観察力を身につける必要があります。さらに、状況に応じて柔軟に判断し、行動する力も大事です。

体調の変化や心の不調を早期に察知し、適切に対応するためにも、日々の細やかな観察を心がけましょう。観察力や判断力は、以下を意識することで身につけられるので実践してみてください。

 

  • 子どもをよく見る習慣をつける
  • 記録をこまめにとる
  • 保育者と情報共有する

 

忍耐力・柔軟性

保育の現場では、思いどおりにいかないことや、想定外の出来事が日常的に起こります。そうした場面に対応するには、困難に辛抱強く向き合う忍耐力や、状況に応じて臨機応変に行動できる柔軟性が必要です。

忍耐力や柔軟性はすぐに身につくものではありませんが、以下のような努力を続ければ、確実に向上していくはずです。

 

  • 感情を客観的にとらえる
  • 1人で抱え込まず、まわりの保育者の意見を仰ぐ
  • 正解は1つではないと考える
  • 予想外の事態を前提に行動する

 

危機管理能力

子どもの安全を守るためには、保育活動のなかに潜む危険を事前に察知し、対応することが求められます。また、けがや事故、災害時などの緊急時には、冷静に対処して被害を最小限に抑えることが大事です。

外部研修を受ける、役割分担を決めるなどして、「もしものとき」に備えを万全にしておきましょう。

 

  • 定期的に避難訓練とマニュアルの確認を行う
  • 子どもの表情や行動、体調の変化を観察する
  • 保育士同士での役割分担を明確にしておく
  • 「何が最優先か」を常に意識する

 

体力・健康管理能力

抱っこや散歩、外遊びなど、体を使う場面が多いため、保育士には十分な体力が必要です。体力がないと疲れやすくなったり、集中力が低下したりして、安全管理に影響が出る可能性があるので、日ごろから健康管理をきちんと行うことが大切です。

 

  • 日常的に体を動かす習慣をつける
  • 栄養バランスや睡眠の質を見直す
  • 疲れや不調を感じたら無理をせず早めに休養する
  • リラックスタイムをつくり、メンタル面もケアする

 

協調性・調整力

保育は1人で完結する仕事ではなく、職員同士が連携しながらチームで行う仕事です。クラス運営や行事の準備などで助け合う場面も多く、そうした際には協調性や調整力が求められるでしょう。子どもたちに安心・安全な環境を提供するためにも、保護者や同僚と円滑な人間関係を築く能力は欠かせません。

協調性を身につけるためには、以下のような取り組みが効果的です。

 

  • 報告・連絡・相談をこまめに行う
  • 相手の意見を尊重する姿勢を持つ
  • 役割分担を明確にし、連携を図る
  • 定期的に意見交換の場を設ける

 

   

【目的別】シーンごとに生きるスキル

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保育士の仕事は子どもたちの保育だけでなく、保護者対応や行事運営、事務処理など多岐にわたります。それぞれのシーンで求められるスキルを理解し、さまざまな状況に対応できる力を身につければ、保育士としての信頼性が向上するでしょう。

 

保護者対応に必要な能力

保護者対応では、「コミュニケーション能力」「判断力」「柔軟な​​対応」が重要です。

子どもの様子を具体的に伝えたり、保護者の不安や悩みに寄り添ったりするのも保育士の大事な役割です。保護者との信頼関係を構築していくためにも、常に丁寧でわかりやすいコミュニケーションを心がけてください。

保護者のクレームや不満に対して、冷静かつ誠実に対応する判断力や、相手の立場を理解する柔軟性も大切です。日ごろからこまめな報告・連絡・相談を意識して、信頼感、安心感を高めることが保護者対応のカギとなるでしょう。

 

行事・イベント時に求められる能力

行事やイベントでは、「発想力」「計画性」「臨機応変な対応力」が大事です。

子どもたちが安全に、楽しく過ごせるような行事・イベントを開催するには、計画的に準備を進める力と、突発的なトラブルにも柔軟に対応できる力が求められます。

加えて、子ども一人ひとりの個性を生かすための演出力や発想力、全体を見渡す広い視野があれば、行事・イベントはより楽しいものになるでしょう。

 

多様な子どもに対応する能力

子どもたちは、それぞれ発達段階や性格、家庭環境が異なります。そうしたなかで1人ひとりの特性を尊重し、適切に関わるためには「観察力」「理解力」「多様な価値観を受け入れる柔軟性」が求められます。

さらに、子どもとの信頼関係を築くための共感力や、状況に応じた声かけ・支援を行うための判断力、個別対応と集団保育のバランスをとる力なども、保育士として身につけておきたいスキルです。

ただし、こうした能力を身につけるには、子どもと関わる経験を積むことが何より大切です。保育士になりたての頃は、子どもとの信頼関係を築くまでに時間がかかっても問題ありません。焦らず一歩ずつ経験を重ねながら、必要なスキルを習得していきましょう。

 

チーム内での連携に必要な能力

保育の現場では、複数の保育士や職員が連携して子どもたちを見守るため、「協調性」と「チームワーク力」が欠かせません。自分の意見を伝えるだけでなく、相手の考えに耳を傾け、柔軟に対応する姿勢も大切です。

活動を円滑にするための報告・連絡・相談、そして情報の共有が徹底できれば、必然的に保育の質も向上するはずです。お互いの強みを生かし、協調し合いながらよりよい保育環境をつくっていってください。

 

保育士に必要なスキルは未経験でも身につけられる?

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保育士に必要なスキルは、未経験からでも十分に身につけられます。

たとえば、子どもへの理解力や観察力、コミュニケーション能力などは、現場での経験を重ねるなかで自然と育まれていくものです。職場には研修制度や先輩保育士からのサポートもあるので、わからないこと・苦手なことがあっても、きっと乗り越えられるでしょう。

保育経験がないとどうしても不安を感じてしまいますが、未経験であっても意欲があれば、保育士として成長していけます。

 

資格取得・就職活動でアピールしたい能力とは?

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子どもの小さな変化に気づく力や、保護者や同僚との信頼関係を築く力はとても重要です。就職活動では、「子どもへの深い理解力」「コミュニケーション能力」「観察力と判断力」などをアピールするとよいでしょう。

チームで連携するための協調性や、予測できない場面でも冷静に対応できる柔軟性・忍耐力も大きな強みとなります。「ピアノ」「手芸」「描画」など、保育の現場で生かせる特技がある場合にも、積極的にアピールしましょう。

あわせて、人柄や意欲、学ぶ姿勢を伝えることも忘れないでください。その際、具体的なエピソードを交えると説得力が増します。

 

実際の保育現場で求められる「リアルな能力」

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最後に、保育士経験のある私が、実際の保育現場で「本当に必要だと感じた能力」をいくつか挙げてみます。

 

  • 配慮が必要な子どもへの理解・対応力
  • 担任間のチームワーク力
  • 運動会や発表会準備での発想力

 

障害児や特別な配慮が必要な子どもとの関わりでは、意思疎通に時間がかかり、悔しい思いをしたことがあります。その経験から、子どもの理解力や個々に合った対応力は、保育士として「本当に大事なもの」だと痛感しました。

また、運動会や発表会の出し物の企画を出すのが苦手で、毎年苦労していた記憶があります。とはいえ、企画が決まらなければ何も進みません。そういうときは子どもたちの好きなこと、得意なことなどを参考にしながら、とにかくアイデアを出してみることが大事です。

 

まとめ

保育士に必要な能力は、「コミュニケーション能力」「理解力」など多岐にわたりますが、未経験からでも実践を通じて、そうした能力を身につけられます。大切なのは、子どもへの関心と学び続ける姿勢です。まわりの保育士のいいところを学んだり、研修に積極的に参加したりしながら、スキルアップを目指しましょう。あなたの成長は、きっと子どもたちの笑顔につながりますよ。