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保育士として働いて3年目くらいになると、現在勤めている保育園に対して、不満や悩みを感じることも少なくありません。しかし、そうした職場の悩みは、自分の工夫や努力次第で、ある程度改善できるものです。 この記事では、3年目の保育士が辞めたい・転職したいと思う理由やきっかけ、保育士の転職状況などについて解説します。あわせて、よくある職場の悩みや、自分でできる改善方法も紹介するので、転職・退職すべきかで悩んでいる人は、ぜひご覧ください。

   

3年目に入るまで働き続けた自分を褒めてあげよう

保育士として迎えた3年目。ここまでくる間には、子どもたちが話を聞いてくれなかったり、保護者対応に失敗して落ち込んだりと、さまざまな苦労があったと思います。ときには先輩保育士からの指導や注意に涙し、「もう辞めよう」と考えたこともあるかもしれません。それでも、3年目を迎えるまで続けてきたのはすばらしいことです。 だからこそ、退職・転職を考える前に、約3年間保育士として働き続けた自分を褒めてあげましょう。「自分は保育士に向いていなかった」「これくらいで辞めたいなんて自分はダメだ」などと、後ろ向きになる必要はありません。

3年目の保育士は将来を考えることが増える

保育士としてのキャリアが3年目に入ると、自分の将来について考える時間が増えてきます。キャリア3年目で、真剣に転職を検討し始める人も決して少なくありません。ここでは、3年目の保育士が辞めたい・転職したいと思う理由ときっかけ、3年目の保育士は転職しやすいかどうかについて解説します。

3年目の保育士が辞めたい・転職したいと思う理由やきっかけ

多くの保育士は、保育の仕事に大きな理想を抱いて、キャリアをスタートさせます。しかし、そこから3年ほど経つと、以下のような悩みを感じるようになります。

年数 状況 悩み
1年目 業務の流れを理解するなど、学ぶべきことが多いため、日々の仕事をこなすだけで精一杯
  • 子どもとの関わり方がわからない
  • 先輩との関わりに気をつかう
  • 保護者対応で緊張してしまう
2年目 企業などで働く同世代に比べて、給料が低いこと・仕事量が多いことに気づく
  • 周囲と比較して焦りを感じる
  • クラス運営がうまくいかない
  • 業務量が多く時間管理が難しい
3年目 一通りの業務を主体的にこなせるようになり、責任ある仕事を割り振られたり、新人の指導役を担ったりする
  • 責任の重さに不安を感じる
  • 園の方針と自分の保育観のズレに気づく
  • 後輩指導の難しさや自分の成長の停滞感を感じる
1年目は、目の前の業務をこなすことで精一杯だったのが、3年目になると環境や立場が変わり、責任の重さや保育観で思い悩むようになります。以前と比べて仕事に慣れ、まわりが見えるようになったからこそ、退職・転職を考えてしまうともいえるでしょう。

3年目の保育士は転職しやすい?

慢性的に人手不足の保育業界は、他の業界に比べて求人数が多く、転職しやすい環境にあります。さらに、3年目の保育士には、次のような強みもあります。

●即戦力とみなされる

3年目の保育士は、基本的な保育スキルが身についているのはもちろん、保護者対応や後輩指導も一通り経験しています。そうした背景から、転職市場では即戦力とみなされ、環境の改善や給与アップを目的とした転職もしやすいでしょう。

●忍耐力が評価される

1年目や2年目での転職と異なり、「忍耐力がある」「簡単に辞める人ではない」と評価されやすいのも、3年目の保育士の強みです。

●将来性や柔軟性も好印象

3年目はキャリアの初期段階にあたるため、柔軟な考え方ができ、新しい環境や方針にも適応しやすいとみなされます。また、年齢的・経験的にさらなる成長が期待できる点も大きなメリットです。 なお、退職・転職をスムーズに進めるには、新年度が始まる4月の入職を目指すのがおすすめです。新年度に向けた人員補充のために求人を出す施設が多く、転職成功率が高くなるからです。選択肢が多ければ、より雇用条件のよい転職先を選ぶことができ、給料・休日といった待遇の改善も期待できるでしょう。 退職や転職のポイントについては、「保育士辞めたいと悩んでいる方必見! 辞めたい理由と原因解決について徹底解説!」で詳しく紹介しているので参考にしてください。

3年目の保育士によくある悩み

悩む女性1

前述したように、3年目になると現状を冷静に判断する余裕が生まれるため、1年目や2年目の保育士にはない悩みと向き合うケースが多く見られます。 ここでは、3年目の保育士によくある悩みを3つ紹介します。

給料が上がらない

「給料が低い」という印象の強い保育士ですが、近年は国の処遇改善対策が進み、年収が年々アップしています。しかし、3年目は、キャリアアップ補助金などの恩恵を受ける前段階であることから、思うように給料が上がらないケースも多いでしょう。 そのため、3年目の保育士のなかには、「子どもの命を預かる責任の重い仕事なのに、給料が上がらない」「正しい評価が受けられていないのでは?」と感じ、悩んでしまう人も少なくありません。加えて、有給休暇の取得しにくさや福利厚生の不十分さも、悩みの原因になります。 <問題点>
  • 手取り額が少なく生活に不満を感じる
  • この先も同じ状況が続くのではないかという不安がある
  • 仕事量や責任と給料が見合っていないという悩みもある

仕事量が多い

3年目になると、後輩保育士の指導係を任されるようになったり、事務作業が増えたりします。その結果、子ども一人ひとりと向き合う時間が少なくなると、不満や悩みがたまりやすくなるでしょう。 そして、そうした状況が続くと、子どもたちへの責任感から残業や持ち帰り仕事、休日出勤が多くなりがちです。「思うような保育ができない」「プライベートの時間が削られる」といった状況は、仕事にやりがいを感じていたとしても、大きなストレスになります。 <問題点>
  • 任される仕事が多く、責任の重さやプレッシャーに押しつぶされそう
  • 残業や持ち帰り仕事で、プライベートが削られていることに不満がある
  • 子どもと関わる時間が減ってしまっていることに疑問を感じる

人間関係が煩わしい

3年目の保育士は、主体的に業務をこなせるようになるため、先輩や同僚と保育に対する意見が合わない場面が出てきます。保護者からクレームを受けて、人間関係を煩わしく感じてしまう人もいるでしょう。また、新人保育士の指導を担当するようになると、新人とベテランの板挟みとなることもあります。ベテランの保育士からは指導不足を叱責され、新人の保育士からはいろいろと泣きつかれる。そうした状況は、ストレスを増大させる要因になりかねません。 ちなみに、厚生労働省が発表した「保育士の現状と主な取組」の調査データを見ると、保育士が退職する理由の第1位に「職場の人間関係」が挙げられていました。このことからも、人間関係で悩む保育士が少なくないことがわかります。 <問題点>
  • 思ったことを意見できない人間関係に煩わしさを感じる
  • 保護者対応に疲弊してストレスを感じている
  • ベテラン保育士の顔色を見ながらの活動に不満がある

3年目の保育士によくある悩みの改善方法

悩む女性2

退職・転職を考えるほど悩んでしまうと、状況を打開する糸口があったとしても気づきにくくなります。しかし、先に挙げた「3年目の保育士によくある悩み」は、自分の心がけや努力次第で改善することが可能です。 ここでは、3つの悩みを改善する方法について解説します。

キャリアアップを目指す

「給料が上がらない」という悩みは、キャリアアップを目指すことで、改善できる可能性があります。職場における自分の存在価値を高めるためには、チャイルドマインダーや幼児安全支援員、食育インストラクターなど、保育に役立つ資格を取得するのが効果的です。自分の興味や得意分野に合った資格を選んで、専門性を強化しましょう。 また、3年以上勤務していれば、国が定める「保育士等キャリアアップ研修」を受講・修了し、副主任、専門リーダー、職務分野別リーダーといった役職を目指すこともできます。役職につけば、月額5,000〜40,000円の手当が見込めるため、給料アップに直結するでしょう。

仕事を効率化する

「仕事量が多い」という悩みは、仕事を効率化することで改善可能です。仕事を抱えすぎたときは、まず「何をいつまでに達成すべきか」を明確にしつつ、仕事の優先順位を書き出してみましょう。そのうえで重要なタスクから取り掛かると、仕事の段取りがつけやすくなります。スマホのタスク管理アプリなどを活用して、進捗状況を可視化するのもおすすめです。 行事などの制作物は、すべてを1から作る必要はありません。雑誌やインターネットに載っているアイデアを参考にしたり、型紙をダウンロードしたりして、制作時間の短縮に努めましょう。過去の製作物を上手に再利用すれば、業務効率化だけでなく環境教育にもつながります。

適度な距離感を保つ

「人間関係が煩わしい」という悩みは適度な距離感を保つことで、改善できるかもしれません。考え方や行動は人それぞれなので、苦手な人や合わない人がいるのは仕方がありません。職場に苦手な人がいる場合は、「仕事上の関係」と割り切って心理的距離を保つようにすれば、トラブルを回避しやすくなります。 とはいえ、仕事に必要なコミュニケーションは取らなければなりません。その場合は、必要以上に相手の考えや行動に干渉したり、感情的な態度を取ったりしないように心がけましょう。

経験に自信を持つ

ここまで、3つの悩みの改善方法について見てきましたが、保育士の悩みはほかにもいろいろあります。そして、そうした悩みや不安に対応するためには、これまで積み上げてきた自分の経験に「自信を持つこと」が大切です。任される立場が多くなり不安も大きいとは思いますが、3年目に至るまで培ってきた観察力や対応力、子どもへの理解は、確実に力になっています。その経験を自信に変えることで、判断力や行動に安定感が生まれ、保育への理解もより深まるでしょう。 「それでもやっぱり自分には難しい」と思う人は、1年目と比べてできるようになったことを意識してみてください。それによって、確実に成長した自分を実感できるはずです。加えて、失敗を「経験の一部」として受け入れることも大切です。失敗した自分を否定しなければ、いまの悩みが少しだけ軽くなるかもしれません。
   

それでも退職・転職を考える場合

改善方法を試してみても、保育士を辞めたい・転職したいという意志が変わらない人は、3年目で退職・転職する具体的なメリット・デメリットについて、把握しておきましょう。

3年目で退職・転職するメリット

  • 自分の保育観に合った職場を選び直せる
  • 給与・待遇・休暇などの条件を改善できる
  • 人間関係をリセットできる
  • 燃え尽き防止や心身のリフレッシュにつながる
  • 3年の経験値があるため再就職しやすい
  • 保育以外の業界にもチャレンジできる

3年目で退職・転職するデメリット

  • 次の職場に慣れるまでのストレスが大きい
  • 子どもとのつながりが途切れる寂しさがある
  • 新しい環境で一から信頼を築く必要がある
  • 転職先が必ずしも理想通りとは限らない
  • 転職活動中の収入が一時的に不安定になる
  • 再就職後に「前の園の方がよかった」と感じる可能性もある
3年目での退職・転職には、メリットもデメリットもありますが、「いまが経験を生かす転換期」と考えて別の職場に移るのは、決して悪いことではありません。ただし、年度途中で退職するか、新年度の入職を目指すかを比べた場合、どちらがよい印象になるかは明らかです。有利に転職活動を進めたい場合は、3年目をしっかり終えてからの退職・転職をおすすめします。 とはいえ、悩みや不安から心身の不調を感じている場合は、退職・転職の時期にこだわる必要はありません。自分の健康を最優先に考えて、限界を迎える前に対応してください。

まとめ

保育士としてのキャリアが3年目を迎える人は、「給料の低さ」や「仕事の大変さ」「職場での複雑な人間関係」などに悩むことがあります。しかし、そうした悩みは自分の心がけや努力次第で、改善することが可能です。まずは当記事を参考にしながら、悩みや不安に対処してみてはいかがでしょうか。 それでも退職・転職の道を選ぶ場合は、3年目で退職・転職するメリットとデメリットを理解したうえで、次の職場を探してみましょう。複数の職場を比較・検討しながら焦らずに進めていけば、きっと理想の職場にめぐり会えるはずです。