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保育士として働きたい場合、認可保育園と認証保育園のどちらにしようか迷っている人は多いでしょう。 近年、保育に関する様々なニーズを受けて、保育サービスは多様化しており、認証保育園のように、自治体独自の設置基準にもとづいて運営している保育園もあります。

認可保育園や認証保育園への転職を考える場合、それぞれの保育園の特徴や違いを知ることが大切です。

今回は、認可保育園と認証保育園の特徴や、違いを詳しく解説します。認可保育園や認証保育園で働きたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

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認可保育園と認証保育園とは?

「認可保育園」とは、国が定めた設置基準を満たし、都道府県知事に認可された保育園のことです。施設の広さ・保育士をはじめとしたスタッフの人数・給食設備などについて、国の基準が定められています。また、運営費については国からの補助金を受けることが可能です。

認可保育園には、市区町村が運営する公立保育園と、社会福祉法人などが運営する私立保育園があります。 認可保育園のメリットは、国が定めた基準で運営されているため安心して働けることです。

【認可保育園の特徴】
・定員が60人以上である(小規模保育園は20人以上)
・0歳児枠がない施設がある
・利用の受付や保育料の徴収は市区町村が行う
・11時間の開所時間が基本である

一方、「認証保育園」とは、認可保育園だけでは対応できない首都圏での保育ニーズに対応するため、東京都独自の設置基準を満たした保育園のことをいいます。 認可保育園は国が定めた基準があり、都市部での新規設置は困難な状態です。そのため、比較的柔軟な基準を設けている認証保育園を設置することによって、待機児童問題の改善が期待されています。 0歳から預けられる点、13時間以上開園している点は、利用者のニーズに沿ったサービスといえます。

【認証保育園の特徴】
・都市部の特性を踏まえた東京都独自基準を設定している
・全施設で0歳児から預けられる
・全施設で13時間以上の開所が原則となっている
・利用者は保育園と直接契約する
・月額保育料は3歳未満で80,000円、3歳以上で77,000円を超えないように設定されている

認証保育園のような地方自治体単独の保育事業は、名称は違いますが大阪市や横浜市などの都市部でも展開されています。

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認可保育園と認証保育園の違い

認可保育園と認証保育園には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。 認可保育園の場合、保育園の運営者は社会福祉法人などの民間事業者や、市町村などの自治体です。一方、認証保育園は法人だけではなく、個人の運営者もいます。 保育所の広さや職員の配置基準も、認可保育園と認証保育園では異なります。基本的には、認可保育園よりも認証保育園のほうが基準が柔軟です。
しかし、保育士の配置基準は認可保育園と認証保育園ではほぼ同じです。 認可保育園と認証保育園の主な違いは、下記の通りです。

認可保育園 認証保育園
運営事業者 民間事業者・地方自治体 A型:民間事業者 B型:個人運営者
助成対象の要件 保育に欠ける0〜5歳児 月の160時間以上の利用が必要な0〜5歳児 市区町村が必要と認めた0〜2歳児
定員 定員20人以上 定員20〜120人(3歳未満半分以上) 定員6〜29人
0歳児保育 行っていない保育園がある 必ず行う
開園時間 11時間 13時間以上
保育スペース 乳児室・保育室・遊戯室・調理室・医務室など 乳児室・保育室・遊戯室・調理室・医務室など
【園庭】1人当たり3.3平方メートル以上(付近の公園でも可) 【園庭】1人当たり3.3平方メートル以上(付近の公園でも可)
【0歳・1歳】乳児室:1.65平方メートル以上ほふく室:3.3平方メートル以上 【0歳・1歳】1人当たり3.3平方メートル以上(2.5平方メートルまで弾力化が可能) 【0歳・1歳】1人当たり2.5平方メートル以上
【2歳以上】1人当たり1.98平方メートル以上 【2歳以上】1人当たり1.98平方メートル以上
保育士の割合 【年齢】保育士:子どもの割合【0歳】1:30【1~2歳】1:6【3歳】1:20【4歳以上】1:30・各クラスに1名以上の常勤保育士が必要・乳児を含む場合は、2名以上が必要 【年齢】保育士:子どもの割合【0歳】1:30【1~2歳】1:6【3歳】1:20【4歳以上】1:30・有資格者は、6割以上必要
契約 保護者と市区町村 保護者と施設
保育料 年齢に応じた保育料と保護者の所得に応じて決定する 3歳未満:月額8万円3歳以上:月額7万7,000円以上を超えないように各施設が設定する(月に220時間以下の利用の場合)
助成の内容 ・施設設備費・運営費・特別保育事業費 ・開設準備費(A型の駅前施設のみ)・運営費

(出典:内閣府「認可保育所、東京都認証保育所の比較」/ https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/minutes/wg/2007/1105_05/item_07110505_03.pdf

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働く場合はどちらがおすすめ?

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認可保育園と認証保育園のどちらで働くべきか、悩む人は多いでしょう。どちらの保育園で働くかを検討する場合は、それぞれの保育園の特徴や働く上でのメリットを把握しておくことが重要です。

ここでは、それぞれの保育園で働くメリットを解説するため、ぜひ参考にしてください。

認可保育園で働く場合のメリット

認可保育園で働くメリットの1つは、他の種類の保育園に比べて、多忙となることや残業することが少ない傾向にあることです。 認可保育園では、職員数や保育士の割合を国が基準で定めています。そのため、十分な職員数が確保されており、1人当たりの仕事量はそれほど多くないと考えられます。

もう1つのメリットは、認可保育園における保育士の給料は、高い傾向にあることです。認可保育園は国の助成金を受けており、定員割れとなることが少ないため、運営状態は比較的安定していると考えられます。

認証保育園で働く場合のメリット

認証保育園で働くメリットの1つは、通勤しやすいことです。多くの認証保育園は、駅前などの通勤しやすい場所にあります。そのため、保護者だけではなく、職員の通勤も便利です。通勤に時間がかからないため、プライベートの時間を取りやすくなるでしょう。

2つ目のメリットは開所時間が13時間以上であるため、正社員をはじめパートタイムや派遣社員など雇用形態の幅が広く、様々な働き方が可能となることです。多くの施設では、シフト制で対応しています。

認証保育園の区分は、認可外保育園です。しかし、自治体の基準に従って運営しているため、労働条件や待遇面などに関しては、他の認可外保育園よりもしっかりと管理されているというメリットがあります。

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働く場合は求人情報の確認が大事

求人サイトの活用している女性

認可保育園と認可外保育園のどちらで働く場合でも、保育園によって労働環境は異なります。また、保育園の規模や保育方針など、それぞれの園で特色を持っています。 そのため、保育士として保育園で働きたい場合は、求人情報をしっかりと確認した上で職場を選ぶことが重要です。

保育士の求人を探す場合は、「マイナビ保育士」のように保育士求人が豊富に掲載されている求人サイトを利用すると良いでしょう。認可保育園の他に、認証保育園などの様々な求人を見ることが可能です。 さらに、保育士の転職・就職を成功させるために、履歴書の書き方や就職後の悩み相談などの豊富なサポートを行っています。

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まとめ

認可保育園は、国の規定により認可されている保育園です。一方で、認証保育園は認可外保育園ですが、東京都独自の規定で運営されています。名称は異なりますが、大阪市や横浜市などでも、同様の地方自治体単独の保育事業は存在します。

認証保育園では、認可保育園ではカバーできないニーズに対応するため、0歳児保育や13時間以上の開所が必須条件となっており、近年では様々なニーズに対応する保育園として注目されています。

認可保育園と認証保育園のどちらも、子どもたちの保育を行うという仕事内容に違いはありません。それぞれの特徴を踏まえて、自分に合った形態の施設を選びましょう。