保育士は「教室で子どもたちの面倒を見る仕事」という印象が強く、あまり日焼けしないというイメージを持つ人もいます。しかし、保育士は戸外活動の時間も多い職業です。油断して日焼け対策を怠ると、知らない間に境目が付くほど焼けてしまうため、注意しなければなりません。
今回は、保育士がすぐに実践できる日焼け対策と、対策が間に合わず日に焼けてしまった場合のアフターケア方法を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士は日焼けしやすい?日焼けするリスク
お散歩・外遊び・真夏のプールなど、子どもとともに屋外で活動する保育士は、日焼けしやすい仕事です。日焼け対策を怠ると、下記のようなトラブルが起きやすくなります。
・皮膚にやけどや水ぶくれができる
・5年後や10年後にシミとなって現れる ・顔にしわやたるみができやすくなる ・髪の毛が脱色する・傷む ・日焼けした頭皮が剥けるとフケのように見える ・日焼けの痕が目立つ |
日焼けによるリスクを最小限に抑えるためには、日頃の紫外線対策が重要です。「日焼け=夏」というイメージが強いものの、紫外線は日が出ている間は常に降り注ぎます。そのため、季節や天候にかかわらず、紫外線対策は一年中必要です。
ただし、自分の日焼け対策を優先して、保育をおろそかにしてはなりません。業務中に日焼け対策を行う際は、必ず子どもの安全に配慮しましょう。
保育士必見!今すぐできる日焼け対策5選
保育士の仕事には日焼け対策が必須とはいえ、保育中は自分自身より子どもが最優先です。子どもの危険を見逃す恐れがあるため、日傘やサングラスは原則使用できません。保育士の日焼け対策は、保育サービスに支障の出ない範囲で行いましょう。
ここでは、保育中にも取り入れられる、簡単な日焼け対策を5つ紹介します。
日焼け止めクリーム
日焼け対策の基本は日焼け止めクリームです。日焼け止めクリームのSPF・PA値が高いほど、紫外線のカット力が強くなります。ただし、UVカット効果が高い日焼け止めは肌への負担も増します。下記を参考に、使用状況に合わせて日焼け止めクリームを使い分けることがポイントです。
SPF10~30・PA+++ | 日常的な保育・お散歩・外遊び など |
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SPF30~50・PA++++ | 炎天下のお散歩・外遊び・遠足・プール・海水浴 など |
日焼け止めクリームは、数時間おきに塗り直すことで効果が持続します。塗り直す時間が取れない場合は、スプレータイプを活用するとよいでしょう。日焼け止めを塗る前に化粧水などで保湿すると、肌トラブルに発展する可能性を抑えることができます。
なお、子どもによっては日焼け止めと相性が悪い肌質の子もいます。乳幼児クラスなどを担当する場合は、抱っこした際に子どもに触れても影響がないか、日焼け止めの含有成分をチェックしてください。
帽子
物理的に日差しを遮れば、日に焼けることはありません。しかし、保育士が日傘などを利用することは不可能です。つばの広い帽子やサンバイザーを被れば、頭や顔周りの日焼けを軽減でき、熱中症対策にもなります。
ただし、つばの広い帽子は保育士の視野を狭め、帽子のつばが子どもに当たる恐れもあるため、いつも以上に周囲へ気を配る必要があります。また、帽子のつばで顔が隠れたり影ができたりすると、子どもを怖がらせてしまいます。保育士の帽子着用を禁止している保育園もあるため、帽子を使用しても問題ないか確かめた上で、安全に保育できるデザインの帽子をチェックしましょう。
長袖のパーカー
長袖のパーカーを上に一枚着ることで、上半身に降り注ぐ紫外線を大幅にカットできます。
日焼け止めを重ね塗りするよりも簡単で高い効果が期待できるため、気候的に問題がなければ、屋外へ出る前にさっと羽織りましょう。肌に直射日光が当たるよりも、長袖で日陰状態となるほうが涼しく感じる場合も少なくありません。
最近では、UVカット機能が付いた薄手のパーカーやカーディガンも多く発売されています。吸汗速乾機能があるメッシュ素材のパーカーを選べば、夏でも羽織りやすくおすすめです。
長ズボン
足元の日焼けを防ぎたい場合は、裾がくるぶしまである長ズボンを履きましょう。保育士は子どもと一緒に遊ぶ中で汗をかきやすく、日焼け止めクリームを入念に塗っても落ちてしまうことは少なくありません。長ズボンを履けば、しっかりと日差しを遮ることが可能です。
しかし、暑い夏の日に長ズボンを履くと中が汗だくになり、不快に思う人もいるでしょう。夏でも快適に過ごしたい場合は、メッシュ素材が使われた、吸汗速乾機能・UVカット機能付きの長ズボンがおすすめです。
アームカバー
「子どもと一緒に動き回るからパーカーは暑くて着られない」という場合は、腕を紫外線から守れるアームカバーがおすすめです。肩から指先まで長く覆うもの・肘あたりから手首までしかないものなど、アームカバーにはさまざまな形があります。もともと日焼け対策用に作られていることから、UVカット機能はもちろん、通気性も配慮されています。豊富な色や柄の種類の中から、普段の仕事で着ている服に合うデザインのアームカバーを選ぶとよいでしょう。
ただし、アームカバーの布地は固定できないため、着用中にズレやすいことが欠点です。子どもが手を伸ばした際にアームカバーだけを掴めば、転倒につながる危険性もあります。保育園によってはアームカバーの着用を推奨していない場合もあるため、事前の確認が必要です。
【日焼け後】適切なアフターケア方法
保育士は仕事柄、子どもの都合を最優先に動かなければなりません。日焼け対策を後回しにすることも多く、完全に日焼けを防ぐことは困難です。そのため、日焼け止めアイテムを使わず日焼けをしてしまった場合は、アフターケアが重要となります。
ここでは、日焼け後の適切なアフターケア方法を紹介します。
日に焼けた肌を冷やす
日焼けは、日光に含まれる紫外線によって皮膚が炎症・やけどを起こした状態です。日に焼けた際は、日焼けした部分を冷やし、炎症の進行を抑えるとよいでしょう。日焼けした肌を冷やす方法には、下記が挙げられます。炎症の大きさや程度の深さによって、適切な処置を選びましょう。
・流水で冷やす
・濡れタオルを当てる ・氷や保冷剤で冷やす ・水や化粧水を吹き付ける ・水風呂に浸かる |
氷や保冷剤を直接肌に当てると、凍傷になるリスクがあります。必ずタオルやガーゼで氷や保冷剤を包んでから、肌に当ててください。また、日焼けした肌に刺激や摩擦を与えることは厳禁です。タオルを使用する際は、できるだけなめらかで肌触りのよい生地を選び、擦らないようにしてください。
しっかりと保湿する
日焼け後に炎症を起こした肌は乾燥し、水分が不足している状態です。十分に冷やして日焼け部分のほてりや赤みが落ち着いた頃合いを見計らい、保湿力の高い化粧水や美容液で潤いを補給しましょう。日焼け後の保湿には、下記の方法がおすすめです。
・化粧水をたっぷり含ませたコットンでパックする
・ローションマスクを使う ・スプレーボトルで化粧水をまんべんなく吹き付ける ・ジェルタイプの美容液をたっぷり付ける |
紫外線からのダメージで肌は敏感な状態になっているため、化粧水などを付ける際に擦る・叩くことはNGです。化粧水は普段よりも少し多めの量を使い、肌に引っかからないようにしましょう。
まとめ
保育中は常に子どもが最優先となる保育士は、なかなか日焼け対策まで気を回せない場合も少なくありません。しかし、保育士は屋外での活動が多く、日焼けしやすい職業です。保育中でも十分に効果が見込める日焼け対策を活用し、肌を焼かないよう工夫を重ねましょう。
ただし、保育園によって利用できるアイテムが限られます。特に、帽子やアームカバーなどは着用しても問題ないか、保育園に事前に確認してください。日光を防ぎ切れず日に焼けてしまった場合は、肌をしっかりと冷やした上で保湿することが大切です。