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幼稚園教諭の免許更新講習は、大学などの講習機関で受講するほか、e-ラーニングを用いた通信講座でも受講可能です。免許更新講習を通信講座で受けるメリットは、仕事が忙しい方や家庭の事情などでスクーリングができない方でも、自宅で気軽に受講できることです。
当記事では、幼稚園教諭の免許更新講習を通信講座で受ける流れや、通信講習の費用・時間、原則廃止となった教員免許状の更新制についても詳しく解説します。幼稚園教諭免許状の更新を通信講座で受けたい方や、免許更新の最新情報を知りたい方はぜひご一読ください。

幼稚園教諭の免許更新講習は通信講座でできる?

幼稚園教諭の免許更新講習は、大学などの講習機関に通う方法以外に、通信講座で受講する方法もあります。
そもそも幼稚園教諭の免許更新講習は、教育職員免許法改正により2009年に導入された、教員免許状の更新制度により実施される講習です。免許更新講習は、教員に必要な資質の保持と向上を図れるよう、定期的に最新知識や技能を身につける機会として導入されました。
免許更新講習の内容は、下記の3つで構成されています。

講習の種類 必要な受講時間 講習の概要
必修領域講習 6時間以上 すべての受講対象者が受講する講習
選択必修領域講習 6時間以上 免許の種類に応じて異なる必修領域講習
選択領域講習 18時間以上 受講対象者が任意で選択できる講習

(出典:文部科学省「講習の選び方」/ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/004/__icsFiles/afieldfile/2019/01/21/1412470_1.pdf

講習ごとに必要な受講時間が定められていて、修了するには指定の時間以上を受講しなければなりません。
免許更新講習は、文部科学大臣の認定を受けた大学などの機関で開設されています。講習方法としてe-ラーニングを用いた通信講座も用意されており、仕事が忙しいなどの事情でスクーリングができない方も、通信講座で講習を受講可能です。
幼稚園教諭免許状の基本的な更新方法・講習内容については、下記のページで詳しく解説しています。
幼稚園免許状更新の方法|講習内容や有効期間延長についても解説
ただし、2023年現在は幼稚園教諭を含む教員免許状の更新制が廃止されており、免許更新は原則不要です。

幼稚園教諭の免許更新講習を通信講座で受ける流れとは

幼稚園教諭の免許更新講習を通信講座で受ける際は、申込・受講を下記の流れで進めます。

1 パソコンやWebカメラ、インターネット接続環境など、オンラインで受講できる通信環境を整える
2 大学などの機関のホームページを確認し、受講したい免許更新講習の申込フォームに必要事項を記入して、登録を行う
3 受講申込書を印刷し、必要事項を記入して指定の届け先に郵送する
4 受講料を指定された口座に振り込む
5 受講ID・パスワード・受講確定通知書が郵送で届く
6 通信講座で免許更新講習を受講する
7 受講修了後、申込をした大学などの機関から履修証明書が発行される
8 各都道府県の教育委員会に更新講習修了確認の申請を行い、更新講習修了確認証明書を発行してもらう

更新講習修了確認証明書が発行されると、幼稚園教諭免許状の更新は完了です。

幼稚園教諭免許状の更新|通信講習の費用・時間

幼稚園教諭免許状の更新には、いくらかの費用と時間がかかります。

更新にかかる費用は、「講習受講料」と「教育委員会への申請費用」です。講習受講料は約3万円、教育委員会への申請費用は約4千円がかかります。合計で約3万4千円の費用負担が発生する計算です。

更新にかかる時間は、「免許更新講習の受講時間」と「更新講習修了確認証明書の発行にかかる時間」です。免許更新講習は30時間以上の受講が必要であり、短ければ約1~2週間で済むでしょう。

更新講習修了確認証明書の発行にかかる時間は、申請した教育委員会によって異なります。一般的には2~3週間、長ければ1~2か月かかるケースもあるため注意が必要です。

免許更新講習の受講時間と、更新講習修了確認証明書の発行にかかる時間を合計すると、約2~3か月はかかると考えたほうがよいでしょう。

2022年7月1日から幼稚園教諭の免許更新は原則廃止に

幼稚園教諭を含む教員免許状の更新制は、2022年7月1日から原則廃止になっています。

従来の教育免許更新制は、2009年に導入されたものでした。導入から10年あまりが経過し、社会の変遷や教師の研修を取り巻く環境が大きく変化したことを受けて、「発展的解消」として廃止が決まった形です。

教育免許更新制の廃止は「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律」(令和4年法律第40号)で規定されています。

(出典:文部科学省「教員免許更新制に関する規定の廃止」/ https://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/1421037_00004.htm

【教員免許更新制の発展的解消について】

    改正法は、「新たな教師の学びの姿」を実現するため、公立の小学校等の校長及び教員の任命権者等による研修等に関する記録の作成並びに資質の向上に関する指導及び助言等に関する規定を整備するとともに、普通免許状及び特別免許状の更新制を発展的に解消する等の措置を講ずるものである。

(引用:文部科学省「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」/ https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/mext_00051.html 引用日2023/08/12)

教育免許更新制の廃止により、2022年7月1日の段階で有効な幼稚園教諭免許状は更新が不要となり、生涯有効です。

幼稚園教諭の免許更新が廃止されて変わったことは?

幼稚園教諭の免許更新が廃止されたことによる影響は、保有する免許状の状態や就労状況といった条件により異なります。

    (1)幼稚園教諭免許の有効期限が2022年6月31日以前か、7月1日以降か
    (2)有効期限の日満了時点で現職教師か、否か
    (3)免許状が新免許状・旧免許状のどちらか

幼稚園教諭免許の有効期限が2022年7月1日以降である場合は、新免許状・旧免許状のどちらも有効期限のない免許状となります。
一方、有効期限が2022年6月31日以前である場合、有効期限の日満了時点で現職教師であれば、新免許状・旧免許状のどちらも免許は失効扱いです。
また、有効期限が2022年6月31日以前であり、かつ有効期限の日満了時点で現職教師ではない場合は、新免許状は失効、旧免許状は休眠扱いです。
幼稚園教諭の免許更新廃止は、いずれの場合においてもメリットがあります。以下では、免許更新廃止によるメリットを2つの観点から解説します。

新免許状を所持している場合は更新の手間が不要に

免許更新の廃止により、新免許状を所持している場合は更新の手間が不要になりました。
そもそも新免許状とは、教員免許更新制が導入された2009年4月1日以降に初めて免許状を授与された方が保有する免許状のことです。反対に、2009年3月31日以前に初めて免許状を授与された方が保有する免許状は旧免許状と呼びます。

(出典:文部科学省「新免許状所持者(平成21年4月以降に初めて免許状を授与された方)」/ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/002/1314443.htm

(出典:文部科学省「旧免許状所持者(平成21年3月31日以前に免許状を授与された方)」/ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/002/1314446.htm

従来の教育免許更新制は、新免許状について10年間の有効期限を定めていました。有効期限が過ぎると免許が失効するため、有効期限を延ばす手段として実施していたものが免許更新講習です。
しかし、教育免許更新制の廃止により、免許状の更新は不要となりました。廃止後は、失効していない新免許状の有効期限がなくなり、更新する手間もなくなります。

免許状が失効・休眠となっていても復職しやすい環境に

従来の教育免許更新制において免許状が失効した場合は、新免許状・旧免許状のいずれであっても、免許状の再授与には更新講習の修了が必要でした。
免許更新の廃止後は、新免許状が失効もしくは旧免許状が失効・休眠した場合にも、復職しやすい環境になっています。
具体的には、新免許状・旧免許状が失効になった場合は更新講習が不要で、再授与申請をするだけで免許状の再取得が可能です。

(出典:文部科学省「免許状授与手続窓口一覧」/ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/010/1314009_00001.htm

そもそも旧免許状には有効期限が定められていないものの、教育免許更新制のもとでは定期的な更新が求められていました。旧免許状の失効は、割り振られた修了確認期限の時点で現職教員であり、かつ更新講習を修了しなかった場合になる状態です。
一方、割り振られた修了確認期限の時点で現職教員ではなく、更新講習を修了しなかった場合は、休眠として扱われます。旧免許状が休眠の場合は、そのまま有効な免許状として使用可能です。

幼稚園教諭免許状が失効・休眠となっている場合の再授与手続き

幼稚園教諭免許状が「失効」となっている場合、失効した免許状自体の効力を元に戻す方法はありません。有効な免許状を新規取得する「再授与手続き」が必要です。
再授与手続きは一般的に、失効した免許状を授与した都道府県の教育委員会や、住民票もしくは勤務先がある都道府県の教育委員会で行います。下記の手順で再授与手続きを進めましょう。

1 (失効となった旧免許状のみ)都道府県の教育委員会に連絡し、免許状を返納する
2 都道府県の教育委員会に再授与関係書類を提出し、免許状の再授与申請を行う
3 再授与された免許状を受け取る

また、旧免許状が「休眠」となっている場合は、更新講習や再授与の申請は必要ありません。特別な手続きは必要なく、休眠から戻したいと思ったタイミングで有効な免許状として使用できます。
幼稚園教諭免許状の再授与手続きは、都道府県によって提出書類などが異なるケースもあります。再授与手続きを利用する際は、文部科学省や都道府県の教育委員会などのホームページで申し込み方法を確認しましょう。

まとめ

幼稚園教諭の免許更新講習は、大学以外にもe-ラーニングなどの通信講座でも受講可能です。免許更新講習を通信講座で受ける場合は、講習受講料と申請費用がかかるほか、30時間以上の受講時間を要します。
ただし、2023年現在では幼稚園教諭を含む教員免許状の更新制は廃止されており、2022年7月1日時点で有効な免許状は更新が不要となりました。まずは所持している免許状の種類や有効期限などを確認し、再授与申請が必要か確認しましょう。

※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています