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「何をどのように食べるか」を考える力は、子どもたちの体だけでなく、心の発達や生活習慣の形成にも大きく影響するため、保育の現場では、園児の健康や成長を支える「食育」の重要性がますます高まっています。
そうしたなかで注目されているのが、食育に関する資格です。資格取得を通して栄養や調理法、食材の選び方などの知識を体系的に学べば、園での食育活動に役立つだけでなく、保護者への相談対応にも、自信を持って臨めるでしょう。
本記事では、保育士におすすめの食育資格を紹介するとともに、資格取得のメリットや、ステップアップにつながる資格についても解説します。
目次
保育士におすすめの食育資格9選
保育士におすすめの食育資格として下記の9つの資格が挙げられます。
- 乳幼児食指導士
- JADP認定食育アドバイザー
- 食育栄養コンサルタント
- 食育実践プランナー
- 食育インストラクター
- 食育健康アドバイザー
- 食育メニュープランナー
- フード・インストラクター
- 食生活アドバイザー
以下では、保育園の食育活動や保護者対応に役立つ、食育関連の資格を紹介します。
乳幼児食指導士
乳幼児食指導士は、離乳食や幼児食に特化した資格です。資格取得のための講座では、栄養学や生理学の基礎、乳幼児の食事づくりのノウハウ、発達ステップごとの対応などの幅広い内容を体系的に学べます。発育に合わせた食事の知識・スキルが身につくため、乳幼児の食育活動に直結する資格としておすすめです。
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資格の取得方法 |
通信講座を受講し、受講期間内にすべての課題に合格することで取得 |
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受験料・受講料 |
受講料:39,800円(税込) |
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認定団体 |
JADP認定食育アドバイザー
JADP認定食育アドバイザーは、食品の安全性や旬の食材、バランスの良い食事など、食育活動に関わる基礎知識を習得するための資格です。子どもの発育や家族の健康を、「食」で支えることを目的としており、身につけた知識は保育園の食育にも生かせます。
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資格の取得方法 |
認定機関が実施する講座を受講後、在宅での資格試験に合格することで取得 |
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受験料・受講料 |
受講料:58,700円(税込)~78,800円(税込) ※コースによって受講料が異なる
受験料:5,600円(税込) |
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認定団体 |
食育栄養コンサルタント
食育栄養コンサルタントは、栄養学の基礎や安全な食の選び方を身につけ、乳幼児から高齢者まで、ライフステージに合わせた食の指導を行うための資格です。子どもの成長段階に適した食事はもちろん、季節や体調に応じたバランス食の知識も習得できるため、より専門性の高い食育活動を実施できるでしょう。
保育園だけでなく、家族の健康を支えるためのサポート(食生活の見直しや献立作成)にも役立ちます。
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資格の取得方法 |
認定機関が実施する講座を受講後、在宅での資格試験に合格することで取得 |
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受験料・受講料 |
受講料:34,100円(税込) ※受験料を含む |
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認定団体 |
食育実践プランナー
食育実践プランナーは、栄養バランスの考え方や食材の選び方、食品表示、添加物といった食に関する知識を身につけ、幅広い層の健やかな食生活をサポートする資格です。資格取得を通じて、食文化や食べ方・マナーのポイントなど、教育的な実践力も身につくため、園での食育活動にも役立つでしょう。
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資格の取得方法 |
通信講座を受講した後、資格試験(添削課題)の合格基準点をクリアすることで取得 |
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受験料・受講料 |
受講料: 39,600円(税込) |
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認定団体 |
食育インストラクター
食育インストラクターの資格は、食育に対する理解度に応じて、1級〜4級+プライマリーの5段階に分かれています。
- プライマリー:食育の基礎を学び、身につけた知識を日々の生活に生かす
- 4級:家庭料理の基礎を学ぶとともに、食育の基本知識(食育基本法、食の安心安全の知識など)を習得する
- 3級:食材や栄養学の基礎知識、食を取り巻く問題などを学び、食育の重要性を周囲に伝える力を身につける
- 2級:JAS法・HACCPなどの食の安全に関する専門知識を学び、わかりやすく伝える能力を養う
- 1級:専門知識を生かして、社会に食育を普及させる活動を行う(活動報告書の提出が必要)
保育や子育てに特化した資格ではありませんが、食育に関する本格的な知識が習得できるため、スキルアップ・キャリアアップに生かしたい保育士に向いています。
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資格の取得方法 |
プライマリー:通信教育講座を修了することで取得 4級~1級:各級の取得条件を満たしていることが必要
※レベルによって条件が異なります |
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受験料・受講料 |
受講料:39,900円 受験費用:5,500円~25,000円 資格取得申請料:6,600円~27,500円
※レベルによって費用が異なります |
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認定団体 |
詳しくは以下の記事もお読みください。
【関連記事】食育インストラクターとは|食育アドバイザーとの違いと取得方法
食育健康アドバイザー®
食育健康アドバイザーは、栄養学や食事のバランス、健康管理などに関する専門知識を持ち、食事の面から健康を支えるための資格です。試験では、老化と酸化、抗酸化物質の働き、腸内細菌叢、学校教育における食育、医薬品と健康食品の違いなど、幅広い知識が問われます。
取得することで、食育基本法に基づいた食の知識を証明できるため、食品業界や教育現場で働く人に人気です。
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資格の取得方法 |
食育健康アドバイザー資格認定試験(在宅)を受験し、70%以上の評価で取得
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受験料・受講料 |
受験料:10,000円(税込) |
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認定団体 |
食育メニュープランナー
食育メニュープランナーは、「食の意識、食事の知識、食育の認識」を理解し、年代や体調に合わせた適切なメニューを提供するための資格です。養成講座を受講することで、食材の選び方、調理法、栄養に関する知識はもちろん、「食の大切さ」を伝えるためのスキルも身につくため、園での調理活動や保護者支援にも活用できるでしょう。
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資格の取得方法 |
実践課題レポート(全4回)を提出し、合格基準をクリアすることで取得 |
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受験料・受講料 |
受講料:26,400円(税込) |
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認定団体 |
フード・インストラクター
フード・インストラクターは、食材の選び方や食べ方、調理法、食材の生育方法など、「食育指導」に必要な知識を身につけるための資格です。資格は、野菜・畜産・穀類・魚・くだものの5種類に分かれており、それぞれの講座を受講したうえで、課題レポートに合格すれば取得できます。
子どもの食育に特化した資格ではありませんが、園児への食育活動にも応用できる、幅広い知識とスキルが習得できます。
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資格の取得方法 |
在籍期間内に指定のレポートを提出し、基準点以上を獲得することで取得
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受験料・受講料 |
受講料:20,900円(税込) |
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認定団体 |
食生活アドバイザー®
食生活アドバイザーは、多角的な視点から食生活をとらえ、健康な生活を送るための提案を行う「食生活全般のスペシャリスト」です。資格には2級と3級があり、対策学習を進めるなかで、栄養と健康の関わり、献立の工夫、食品学、衛生管理、食の流通の仕組みなどの知識が習得できます。
身につけた専門知識は、食品メーカーや飲食店、学校、保育園、医療現場など、多くの分野で生かせるでしょう。
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資格の取得方法 |
試験会場で受験し、基準点以上なら取得 (2025年は全国14か所で開催) |
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受験料・受講料 |
受験料: 3級 5,500円 2級 8,000円 3級・2級併願 13,500円 |
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認定団体 |
食育に関する資格取得のメリット

食育に関する資格を取得することで、下記のようなメリットを得られます。
- 食材や調理法について園児にわかりやすく説明できる
- 保護者への食事相談に自信を持って対応できる
- 転職時に役立つ可能性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
食材や調理法について園児にわかりやすく説明できる
資格取得を通して学んだ知識を生かせば、食材の特徴や調理の工夫などを園児にわかりやすく伝えられるようになります。旬の野菜やくだものの栄養、調理の際の工夫などを楽しく伝えることで、子どもたちの食に対する興味・関心を引き出せるでしょう。
保護者への食事相談に自信を持って対応できる
食生活の考え方や栄養バランス、偏食への対応といった知識が身につけば、保護者から相談を受けた際にも、自信を持って対応できます。専門的なアドバイスや提案ができれば、保護者との信頼関係が築きやすくなり、園全体の食育活動にも良い影響があるでしょう。
転職時に役立つ可能性がある
食育資格は、保育士としての専門性や熱意の証しにもなります。そのため、就職・転職や園内での役割拡大の際に評価されることがあります。特に食育活動に力を入れている園や、栄養士と連携した保育を行う園では、資格を持っていることが大きなアピールポイントになるでしょう。
さらなるステップアップを目指すなら栄養士・管理栄養士を目指す

保育士として食育の専門性をさらに高めたい場合は、国家資格である「栄養士」や、その上位資格である「管理栄養士」を目指す選択肢もあります。これらの国家資格は、ここまで紹介してきた民間資格と異なり、給食管理や栄養管理などの実務に直接関われる専門性の高い資格です。
国家資格と民間資格には、大きく以下のような違いがあります。
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国家資格(栄養士・管理栄養士) |
民間資格 |
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業務内容 |
栄養指導や栄養管理に関する業務を幅広く行える(管理栄養士は、傷病者への栄養指導や特定給食施設での給食管理に携わることも可能) |
食育に関する知識や指導スキルを生かした活動が中心(保育園や地域での食育活動、イベント指導、保護者への栄養アドバイスなど) |
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資格取得の方法 |
l 養成学校の教育課程修了 ※管理栄養士は上記に加え、国家試験への合格が必要 |
l 資格講座の受講 l 認定試験 ※資格によって取得条件は異なる |
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資格取得の難易度 |
民間資格より難易度が高い |
費用・学習期間が国家資格よりも抑えられ、比較的取得しやすい |
国家資格を取得することで、保育現場での食育活動をより専門的かつ責任を持って行えるようになります。加えて、以下のような活動も可能になるでしょう。
- 保育園や認定こども園で、給食管理や栄養指導などに携わる
- 献立作成やアレルギー対応の中心的役割を担い、安全な食環境を提供する
- 食育イベントや保護者向け栄養相談を企画・実施し、専門知識をわかりやすく伝える
食育推進のリーダーとして、専門性の高い食育活動を行いたい場合は、栄養士や管理栄養士へのチャレンジも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
栄養士になるには?
栄養士になるには、栄養士養成施設(2年制の短期大学や専門学校)を卒業する必要があります。働きながら、通信制で栄養士資格を目指すことも可能です。
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学費 |
約200〜300万円 |
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学習期間 |
通常2年間(通信制では最短2〜3年) |
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取得方法 |
所定の単位を修得後、卒業することで取得 |
管理栄養士になるには?
管理栄養士は、栄養士の資格を取得した人が、さらに専門的な知識・技術を習得するための上位資格です。指定の大学や養成施設で、管理栄養士養成課程(通常4年間)を修了し、国家試験に合格することで取得できます。
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学費 |
約400〜600万円 |
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学習期間 |
通常4年間 |
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取得方法 |
管理栄養士養成課程を修了し、国家試験に合格することで取得 |
管理栄養士は、病児・病後児の栄養管理などの業務にも携われるため、保育現場以外にも活躍の場が広がるでしょう。
子どもに「食」の楽しさや大切さを伝えよう
食育資格を取得することで、日常の保育活動に役立つ食や食育の知識が得られます。身につけた知識やスキルを生かすことで、子どもたちに「食べること」の楽しさや大切さを伝えたり、保護者に適切なアドバイスをしたりすることもできるでしょう。
資格取得を検討する際は、自分の園で求められている食育の内容や、自身のキャリアの方向性に合わせて資格を選ぶことが大切です。まずは学びやすい初級資格から挑戦し、園での食育活動の幅を広げてみてはいかがでしょうか。





