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「保育士の給料が低い」と長らく言われていますが、その理由を知っていますか?この10年で状況はかなり改善していますが、いまだに低賃金のイメージを持つ人は多いようです。

今回は保育士の給料が低いと言われる理由や最新の給与事情、収入をアップさせる方法について解説します。

   

保育士の給料が低いといわれる理由

保育士の賃金は改善傾向が続いていますが、いまだに「保育士は給料が低い」と言われています。それは下記のような理由があるからです。

保育士の重要性が長年理解されなかった

少し前まで「保育は子育ての延長」と考える風潮があり、保育士の重要性が社会に浸透しておらず、高い給与や保育料を出すことに理解が得られませんでした。

今は共働き家庭の増加にのるニーズの高まりや幼児教育の重要性が見直され、保育士の賃金を適正な高さにするため国を上げた取り組みが進められています。

責任の重さや業務量と賃金が見合わない

保育士から見ると、子どもたちの命を預かる責任の重さや持ち帰りまで発生する膨大な業務に対して賃金が見合わないと感じる場合もあるでしょう。

保育士の職場環境や働き方は、賃金と合わせて改善政策が進められています。保育士不足の中、よりよい人材を確保するために自治体や企業による保育士支援策も手厚くなり状況は良くなってきています。

補助金と保育料が財源のため人件費が増やしにくい

運営側が保育士の給与をなかなか上げられない事情もあります。公立の保育士は地方公務員としての給与が支給されますが、私立の保育園の主な財源は国や自治体からの補助金や保育料です。

保育士の給与を上げたくても、補助金や保育料はそう簡単に増やせません。安全な保育環境を守るためには他の運営費も削れないため給与アップが難しいのです。

女性や非正規の割合が多い

全産業の賃金を比較する時は男女混合の平均賃金で比較されますが、日本はいまだに給料の男女格差が大きいという課題があります。実際、保育士の給与も男性の方がひと月あたり1万5,800円多いという調査結果が出ています。

保育士の男女別平均賃金(月収/賞与・残業代を除く)

性別

1ヶ月あたりの平均賃金

男性保育士

27万7,600円

女性保育士

26万1,800円

出典:「令和6年賃金構造基本統計調査 所定内給与額(基本給+固定的に支給される諸手当)」(厚生労働省)

保育士は9割以上女性ですので男性が多い他の産業より平均賃金が低くなります。また全体の約3割がパート・アルバイトという非正規割合が高いのも平均賃金を下げる要因でしょう。

参考:「保育士白書2023年度版」(マイナビ保育士) 

最新の保育士の給料事情

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保育士の給料は全産業との平均比較ではまだ低めですが、処遇改善等加算制度や各自治体の支援制度の効果でぐんぐんと上昇しています。

また保育士は経験年数や職場、地域によって給料が変わるため、働き方や職場の選び方次第で収入が変わるのも特徴です。それぞれの比較表をみていきましょう。

他産業との平均月収の比較:平成27年〜令和6年度

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出典:「令和6年保育士・保育の現場の魅力発信に関する取組について」(こども家庭庁)「令和6年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を元にマイナビ保育士が作成

約10年前は全産業と10万円もの開きがありましたが、令和5年では4万円まで差が縮まっています。そしてまだ調査データがでていませんが、令和7年度(2025年)は保育士賃金を底上げしている制度に大きな変化があり、さらに大幅に伸びると予想されています。

保育士の経験年数別の平均給与

経験年数

月収

賞与・その他手当

1年未満

21万9,200円

17万2,100円

1年〜4年

23万4,400円

66万7,200円

5年〜9年

25万2,300円

73万5,700円

10年〜14年

26万3,800円

75万8,300円

15年以上

30万1,600円

103万1,400円

※「月収」は基本給+固定手当、「賞与・その他手当」は年間賞与と残業手当や夜勤手当など変動する手当の合算

出典:「令和6年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(厚生労働省)を元にマイナビ保育士が作成

保育士は経験年数に比例して給料が上がるので、若い年齢で「保育士の平均より低い」と落ち込む必要はありません。また経験年数による賃金格差を緩和するために若手保育士に重点を置いて賃金を引き上げる人事院勧告が令和6年に発令されました。これからに期待できるでしょう。

職場別の保育士の平均給与(正社員・常勤)

施設の種類

月収(賞与含む)

平均勤続年数

保育所(公立)

36万5,542円

10.6年

保育所(私立)

34万8,119円

11.2年

認定こども園(公立)

34万6,376円

9.8年

認定こども園(私立)

33万1,779円

9.8年

家庭的保育事業(私立)

36万8,259円

18.2年

小規模保育事業(私立A型)

29万3,827円

9.4年

小規模保育事業(私立B型)

29万9,793円

10.7年

小規模保育事業(私立C型)

30万3,803円

13.1年

事業所内保育事業(私立A型)

28万2,122円

9.6年

事業所内保育事業(私立B型)

27万8,631円

11.0年

事業所内保育事業(私立20人以上)

30万1,171円

11.2年

出典:「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>」(こども家庭庁)を元にマイナビ保育士が作成

保育士の給料は施設の種類による差も大きなものです。こども家庭庁が令和6年に行った実態調査によるともっとも月収が高いのは家庭的保育事業という結果でした。勤続年数のあっ圧倒的高さによる影響を差し引くと、公立保育園、私立保育園、公立の認定こども園の給与が高いようです。

ただし、同じ種類の保育施設でも地域によって給料が違うのでその点も注意しましょう。

都道府県別の平均賃金ランキング

全国平均:33万400円

順位

都道府県

1ヶ月あたりの平均賃金

1

東京都

40万3.700円

2

神奈川県

35万5.800円

3

大阪府

34万8.000円

4

愛知県

33万2.600円

5

京都府

32万3.300円

6

埼玉県

32万2.300円

7

千葉県

32万0.300円

8

兵庫県

31万8.800円

9

栃木県

31万4.400円

10

奈良県・広島県

31万2.700円

出典:「令和6年賃金構造基本統計調査結果の概況 都道府県別賃金(男女計)」(厚生労働省)を元にマイナビ保育士が作成

どの職業にも言えることですが、給与はその地域の物価や人件費相場によって変動するのが一般的です。人口が多い大都市ほど給料は高くなりますが、家賃や物価も高いので職場の近くに住む場合は注意しましょう。

保育士不足が深刻な地域は自治体の補助などで例外的に給与が高いケースもありますが、原則として平均賃金が安いエリアは給料が低めになると考えておきましょう。

保育士の収入アップは今後も期待できそう

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保育士の賃金改善は保処遇改善等加算制度をはじめとした政策でぐんぐんと伸びています。政府の目標は保育士賃金を他産業の水準に並べることですが、まだ開きがあるため今後も賃金改善政策は継続の見込みです。

また2025年度以降は下記の政策によってさらに保育士賃金が増えると予想されています。

  • 人事院勧告による公定価格の大幅引き上げ
  • 過去最大10.7%の保育士等処遇改善の補正予算が決定
  • 保育士等処遇改善加算制度1本かによる活用促進
  • 保育施設の経営状況の見える化制度の開始

また保育士のスキルアップやキャリアを助ける制度も拡充されています。自らの力で収入を上げられる環境も整ってきているので、今後は努力次第で暮らしを変えていけるでしょう。

   

保育士が収入をアップさせる方法

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保育士が収入を増やす方法は色々あります。スキルアップ、研修の受講、昇進、転職などキャリアプランにあった方法を選ぶといいでしょう。

資格の取得でスキルアップする

保育に役立つ資格を取得することで収入アップが狙えます。職場では資格手当の取得や賞与評価のアップ、昇進の足がかりにもなります。

公務員資格で公立保育士、医療保育専門士で院内保育士、児童心理や臨床心理士で児童カウンセラーなどより高待遇の職場への転職も可能になります。

管理職を目指す

これまで保育士にはクラス担任と主任、園長くらいの役職しかありませんでしたが、今は保育士のキャリア形成を図るため役職が増えているので管理職を目指すのもおすすめです。

役職なしの保育士→職務分野別リーダー→専門リーダー・副主任→主任保育士→園長とキャリアアップするにつれて給料がアップし、役職手当がつく仕組みになっています。

キャリアアップ研修を受講する

役職者や役職の発令を受けている人は自治体のキャリアアップ研修の受講で、処遇改善加算が受けられます。職務分野別リーダーは月額5千円、副主任や専門リーダーは月額4万円の処遇改善加算の対象になります。

ただし、支給額はまとめて園に支給され、各職員への分配方法は園に一任されているので上記の額がそのまま支給されるとは限りません。実際の支給額は職場に確認しましょう。

参考:「技能・経験に応じた処遇改善等加算Ⅱの仕組み」(こども家庭庁)

働き方を収入重視で見直す

もっとも手早く収入を上げる方法は転職です。保育士の給与は職場で大きく変わるので、収入重視の視点で職場を探してみましょう。

都心部の保育園、大手企業の事業所内保育所、院内保育所、夜勤手当がつく24時間体制の保育施設などは比較的給与が高めです。保育知識を活かして子ども関連事業の会社員となる方法もあります。

支援制度が手厚い自治体や職場で働く

いまは保育士不足解消のため様々な自治体や企業が独自の保育士支援制度を設けています。保育士就職準備金貸付制度、宿舎借り上げ支援制度や家賃補助、保育所利用補助制度など経済的な助けが手厚い職場を選ぶのも収入アップのポイントです。

転職アドバイザーを活用する

保育士が収入を上げる方法は業界専門の転職アドバイザーが一番詳しいので、積極的に活用しましょう。収入がアップする職場のご紹介のほか、今の職場で収入を伸ばす方法、ライフワークバランスをとりながら稼ぐ方法など幅広いアドバイスが受けられます。

マイナビ保育士の転職アドバイザーは完全無料で相談できるのでぜひご利用ください。

※マイナビ保育士へのリンクを設置

まとめ

保育士の給料が低いと言われる理由は、長年保育士の重要性が理解されてなかったことや責任や多忙さが給与と見合わないこと、財源に限りがあり人件費を増やせないことなどがあるようです。

しかし今は保育士等処遇改善制度などの力でかなり改善してきています。2025年以降はさらに制度が充実し、今後も期待できるでしょう。

さらに、保育士が自らの力で収入アップを目指せる環境も整ってきています。資格の取得やキャリアアップ、高収入の職場への転職など積極的に動くことで人生を変えていけるはずです。