pixta_110872456_M.jpg

「子育てが落ち着いたので、ここからがっつり働いていきたい」「自分の力を試すために、転職して新しい保育園で働いてみたい」などの理由から、40代の保育士が転職を考えることは珍しくありません。

保育士が不足している現在、40代でも求人は十分にあります。むしろ、経験のある40代であれば、即戦力としての活躍が期待されることでしょう。この記事では、40代保育士の転職について、徹底解説していきます。転職に不安を感じている人は、ぜひご覧ください。

この記事の執筆者

山本 あやか(保育士)

保育士・幼稚園教諭資格を持つ2児の母。保育士歴10年、現在はライターとして活動中。保育士経験を活かし、季節の行事に家族で手作りの飾りつけを楽しむのが趣味。

Instagram:@hoik_aya___

Blog:https://hoik-aya.com/

   

40代保育士の求人はある?

令和71月における保育士の有効求人倍率は3.78倍となっており、人手を欲しがっている保育園がとても多いことがわかります。40代でも保育士が求められる、そのほかの理由は以下のとおりです。

 

参考:こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」

保育士としての勤務経験

40代の転職で最も重視されるのは、保育士としての勤務経験です。なかには、前の保育園で主任保育士を経験したという人もいるでしょう。そうした経験があると、即戦力としての活躍が期待できるため採用率が高まります。

子育てで身につけたスキル

子育てを経験した保育士であれば、その経験や知識も高く評価されます。保育園に子どもを通わせる「保護者の思い」を理解できる点でも、期待が大きくなるでしょう。そのため、ブランクがあるからといって、転職を躊躇する必要はありません。

高いコミュニケーション能力

40代ともなれば保育士としてだけでなく、さまざまな人生経験を積み重ねています。そうしたなかで培ったコミュニケーション能力は、年下の保育士や上司とうまく関わったり、保護者と良好な信頼関係を築いたりするときに、大いに役立つでしょう。

転職前に40代保育士が振り返っておくこと

pixta_99639807_M.jpg

ここからは、転職を成功させるために、40代保育士が振り返っておきたいポイントを紹介します。転職活動を始める前に、チェックしてみましょう!

今までの保育士歴

子育て期間のブランクがあったり、転職を繰り返していたりすると、「自分なんて」と後ろ向きな気持ちになってしまうかもしれません。自信を持って転職活動を進められるように、今までの保育士歴を振り返ってみましょう。

 

  • 保育士として働いた年数
  • 働いたことのある施設形態
  • 担当したことのあるクラス
  • 任されていた大きな仕事

 

クラス担任を持っていた経験があれば即戦力と見なされ、採用率がアップする可能性があります。転職を繰り返した経験は、「保育園ごとの違いに柔軟に対応できる」と前向きにとらえましょう。

自信を持っているスキル

「保育士として働くために、どのようなスキルを持っているか」を棚卸ししておくことも大切です。自分が持っているスキルと保育園側のニーズがマッチすれば、無理なく働き続けられます。

 

  • ピアノ
  • 英語
  • 体操
  • 遊び
  • パソコン

 

製作物を作るのが早い、絶対音感があるなど、自信を持っているスキルは大々的にアピールしていきましょう。

転職を決意した理由

なぜ転職を決意したのかがあいまいだと、面接の際に「すぐに辞めるかもしれない」という不安を抱かせる恐れがあります。そうならないためにも、転職理由を振り返り、言語化しておいてください。

 

  • 体力や健康面への不安
  • 中間管理職としての葛藤
  • ライフステージの変化
  • 人間関係の悩み
  • 価値観の変化

 

転職することで何を変えたいのか、何をかなえたいのかを明確にすることで、転職の失敗を防げます。面接で聞かれることも多いので、しっかり準備しておきましょう。

新たな保育園に望むこと

転職先に対してどのようなことを望むのか、自分の思いを振り返っておくことも大切です。「もう40代だから」と遠慮する必要はありません。長く無理なく働き続けられるように、希望はしっかり出しておきたいですね。

 

  • 保育方針
  • 規模
  • 通勤時間
  • 勤務時間
  • 給料
  • 福利厚生
  • 残業や持ち帰り仕事の有無
  • 職員の定着率
  • 有給取得率

 

次の職場では、転職理由となった問題を解消できるように、自分だけのチェックリストを作っておくのもおすすめです。

40代保育士の給与事情

pixta_97759975_M.jpg

40代の保育士は、それぞれ働き方や勤続年数が異なります。そのため、給与にも以下のような差が生じます。

 

40代の勤続年数別】保育士の平均給料 ( )内は年間賞与その他特別給与額

 

4044

4549

0

22.9万円

(約33.2万円)

25.5万円

17.9万円)

14

25.1万円

44.7万円)

26.0万円

49.9万円)

59

26.4万円

61.0万円)

24.0万円

53.6万円)

1014

26.0万円

64.7万円)

28.0万円

64.9万円)

15年以上

28.9万円

96.4万円)

30.4万円

106.6万円)

 

40代の保育士は初任給こそ低いものの、勤務を継続することで着実に昇給する傾向にあります。50代まで働き続けることで、賞与も大きく増えることが期待できるでしょう。なお、これまでにほかの保育園で長く勤めていた場合は、転職時の給料算出に経験年数を加味してもらえることもあります。

 

出典:e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査 /職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」

あらためて考える保育士の働き方

pixta_115452840_M.jpg

40代で転職活動を始めるとき、あらためて考えておきたいのが保育士としての雇用形態です。

正社員

特徴

フルタイムで働く正社員は、早番・遅番や担任業務への対応も求められます。その分、安定とやりがいが大きくなるでしょう。これまでの経験を生かせるのはうれしいポイントですが、ブランクが長い人の場合、ICTシステムや新しい制度などへの適応力が求められます。

 

メリット

  • クラス担任としてやりがいのある仕事ができる
  • 40代からでも十分な保育経験を積める
  • 安定した収入や手厚い福利厚生が期待できる

 

デメリット

  • 体力面の負担が大きく疲労がたまりやすい
  • フルタイムのため家庭との両立が難しい
  • 給与が経験や責任に見合わない場合がある

契約社員

特徴

契約社員として働く保育士は、あらかじめ雇用期間が定められています。雇用形態はフルタイムが中心ですが、早番・遅番を免除してもらい、固定勤務で働けることも少なくありません。正社員と比べて給与やボーナスは少なく、待遇面には多少差が生じます。

 

メリット

  • ブランク明けでも採用されやすい
  • 1年ごとに契約が更新されることもある
  • 正社員と比べて責任が比較的軽く、業務に追われにくい

 

デメリット

  • 契約更新がない場合は、収入が途絶えるリスクがある
  • 長期的なキャリア形成が難しい
  • 待遇は違うものの、正社員と同じ業務を任される場合がある

派遣社員

特徴

派遣社員として働く保育士は、保育園と直接雇用契約を結ぶのではなく、派遣会社に雇われる形で働きます。契約期間や条件を相談しながら決められるため、自身の希望に合った働き方をかなえやすいでしょう。

 

メリット

  • 時給が高めに設定されていることが多い
  • 残業や行事負担が少なく、体力的な負担を感じにくい
  • ブランクや悩みがあっても、派遣会社からのサポートを受けられる

 

デメリット

  • 契約の更新がない場合は、収入が途絶えるリスクがある
  • 業務に制限があり、職場に深く関われない
  • 安定性やキャリアの継続性に欠ける

パート

特徴

パートとして働く保育士は、午前・午後のみなど、自身の予定に合わせたシフト調整が可能です。給与面での不安はありますが、扶養内で働く人も多く、再就職や復職にもぴったりの働き方といえます。

 

メリット

  • 勤務時間が短く、プライベートと両立しやすい
  • 残業や行事負担が少なく、体力的な負担を感じにくい
  • 補助的な立場のため、人間関係のトラブルが少ない

 

デメリット

  • ボーナスや昇給がほとんどなく、収入面で不安がある
  • 園都合でシフトが変更になることも多く、収入が安定しにくい
  • 責任のある仕事を任されにくくやりがいを感じにくい
   

転職理由別! 40代保育士におすすめの転職先

pixta_119287835_M.jpg

ここからは、40代保育士におすすめの転職先をピックアップして紹介します。転職を考えた理由別にまとめておくので、参考にしてくださいね。

給与

40代からの転職で給与面を重視したい人は、「正社員として働くこと」や、「基本給の高さ」を意識することが大切です。

 

おすすめの転職先

認定こども園

これまでの勤務経験を考慮して給料を算出してもらえれば、高収入が期待できる

企業内保育園

病院や企業の福利厚生として設置される保育園は、運営元に合わせて給与が決まるため、高水準なことが多い

夜勤ありの施設

乳児院や児童養護施設など夜勤のある保育園は、基本給と合わせて手当が加算されるため収入が高くなる

 

体力

体力面での負担を軽減したい人は、「勤務時間の長さ」や「行事負担の大きさ」などを意識して選びましょう。

 

おすすめの転職先

小規模保育園

乳児中心、あるいは園児数が少ない場合は、移動距離や行事準備も比較的少なく、体力的な負担を感じにくい

院内保育園

限られた空間のなかで保育を行うため、一般的な保育園と比べて保育や行事の負担が少ない

求人会社

デスクワークの大変さはあるものの、保育経験を生かせるうえに、体への負担がかかりにくい

 

勤務時間

勤務時間にこだわりを持って転職活動を進めたい人は、「シフトの種類」や「有給休暇の取得率」などをチェックすることが大切です。

 

おすすめの転職先

公立保育園

公立保育園であれば時短勤務や短時間勤務、残業なしなど各種制度が整っているため、無理なく働ける

放課後児童クラブ

対象は小学生となるが、平日の出勤時間が午後になるので、プライベートと両立しやすい

ベビーシッター

働きたい時間帯にマッチした仕事のみを受ければ、勤務時間に無理が生じにくい

 

人間関係

転職に人間関係の不安を抱えている人は、「職員の人数・年齢層」や「定着率の高さ」もしっかり確認しましょう。

 

おすすめの転職先

小規模保育園

アットホームな保育環境で、関わる保育士の数も限定されるため、派閥争いに悩まされる心配が少ない

オープニング園

新しい保育園の立ち上げメンバーになれば、人間関係が構築される前からスタートできる

保育ママ

保育士同士のしがらみを受けず、自分の保育観を大切にしながらマイペースで働ける

 

まとめ

保育士は需要の高い職業のため、40代からの転職でも大きな心配はありません。むしろ、今までの経験から、即戦力として期待されることが予想されます。

ただ、40代ともなれば、老後の資金を貯めるために収入面が気になったり、体力の衰えから体への負担を心配したりする人も多いでしょう。保育士資格があれば選択肢はたくさんあるので、自分に合った転職先を探せるよう、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

 

保育士の意外な転職先まとめ!保育園以外の職場を探すポイント