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あわただしく日々が過ぎていく中、ふと「違う園で働いたらどうなるのだろう......」という思いが頭をよぎったことはありませんか? これから保育士としてどんな道を歩んでいくかを考えるためには、まず自分の立ち位置を知ることが重要。現在の保育士がどのくらいの期間働き、稼いでいるのか、平均値をチェックしてみましょう!

1.保育士は何年くらい働いているの?

まずは、平均継続年数(過去に勤務していた保育園などを含めた数値)について、私立・公立それぞれの保育士と主任保育士の数値をチェックしてみましょう。

保育所における平均勤続年数(年)グラフ

「平成29年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果について」より

意外にも、主任保育士については公立で働いている人の平均勤続年数のほうが長いものの、一般的な保育士は、公立と私立による違いはほとんど見られませんでした。ちなみに、同じ調査期間における全職種の平均勤続年数はおよそ12年(男性13.5年、女性9.4年)です(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査の概況」より)。

保育士に女性の割合が多いことを考えると、あまり変わらない数字のように見えますが、全職種平均のデータは「1つの企業に勤続している期間」なのに対し、保育士のデータは「複数の園での勤務年数を合算した期間」です。
転職の経験もふまえた数字であることを考慮すると、他職種に比べて1つの園に所属する期間が短い職種だといえそうです。

2.これだけ違う! 私立と公立の平均賃金

これだけ違う! 私立と公立の平均賃金

同じように、平均賃金には園によってどのような違いがあるのかを比較してみましょう。

保育所における平均賃金:月額(円)グラフ

「平成29年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果について」より

上記の数値は、基本給だけでなく、各種手当や賞与の12分の1を含めた給与月額の平均値です。公立と私立で、そして保育士と主任保育士で、かなりの開きがあることがわかりますね。
まず確認できるのが、役職に就くことが収入の増加にしっかり反映されるという傾向です。そして公立と私立で一般的な保育士で比較をすると、毎月の収入が1万7,000円以上も違ってくるという結果がわかりました。さらに、主任保育士になると、その差は約12万円にまで広がります。

3.離職率の大きな差が......

離職率の大きな差が......

給与面で大きな差がでた公立と私立で、保育士の離職率にも違いはあるのでしょうか。チェックしておきましょう。

保育所における常勤保育士の離脱率(%)グラフ

平成27年保育士等に関する関係資料(第3回保育士等確保対策検討会)

常勤保育士全体でみると、離職率は10.3%。その内訳をチェックすると、公立の離職率は7.1%と比較的低い数値である一方、私立では12%となっています。
公立と私立の数値に開きが出る背景の一つとして、2で見てきたように、収入面において少なからず差があるという現実が関係していると思われます。実際、「給与・賞与等の改善」を希望している保育士は、およそ6割にも上ることが明らかになっています(東京都福祉保健局「東京都保育士実態調査報告書」[平成26年3月]より)。

しかし、「仕事に見合った収入が得られない」という理由で保育士を辞めようと考えているなら、ちょっと待って!
地域ごと、あるいは園ごとに保育士の処遇改善が積極的に行われている今、同じ私立保育園でも、その収入には大きな違いが生じている可能性があります。
どこまで収入アップが望めるのかは、あなたのスキルや地域の保育園事情をしっかりと把握することが大切です。転職のプロに冷静な目で判断してもらうためにも、マイナビのキャリアアドバイザーへ相談してみませんか?