保育士の働き方には、「常勤」「非常勤」があります。常勤保育士と非常勤保育士には、仕事内容をはじめ、待遇や福利厚生などにも大きな違いがあります。
保育士の求人サイトでは、常勤保育士の求人情報が豊富にあり、非常勤保育士の働き方や魅力を知る機会がなかなかないという人も珍しくないでしょう。
そこで今回は、保育士の働き方のひとつである非常勤を中心に、常勤・非常勤保育士の違いからメリット・デメリットを徹底的に解説します。 理想の働き方で、保育士として活躍したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
非常勤保育士の種類
非常勤保育士には、主に以下の3つの種類があります。
〇臨時保育士臨時保育士は、就労期間が定められた保育士のことで、いわゆる「契約社員」です。 常勤保育士の補助的役割を果たしており、勤務内容は常勤保育士とほぼ同じとなります。 勤務時間はフルタイムであることが多く、残業や休日出勤も珍しくありません。
〇派遣保育士派遣保育士も臨時職員と同様、フルタイム勤務で就労期間が定められた保育士のことです。 臨時保育士との大きな違いは、「雇用主」にあります。 臨時保育士は勤務する保育所が雇用主ですが、派遣保育士の雇用主は派遣会社です。 雇用主が派遣会社であることから、残業や休日出勤が少ない傾向にあります。
〇パート・アルバイト保育士パート・アルバイト保育士は、一定の時間帯や曜日に短時間労働を行う保育士のことです。 自分のライフスタイルに合わせて働くことができるため、子育てや介護によりフルタイムで働くことが難しい人に適しています。 ほかの非常勤保育士と比べて、残業や休日出勤が圧倒的に少ないことが特徴です。
非常勤保育士の待遇
〇臨時社員の待遇臨時保育士はフルタイム勤務が多く、常勤保育士と同じ勤務内容であることから、有給休暇は取得しにくい傾向にあります。 しかし、常勤保育士に比べると仕事における負担が少なく、臨時保育士のほうが時間に融通が利きやすくなっています。 臨時保育士の給料形態は働く施設によって異なり、住宅手当や交通費支給など待遇が良い施設が多く見られます。
〇派遣保育士の待遇派遣保育士もフルタイム勤務が多い反面、派遣社員であることから有給は取りにくい特徴があります。 しかし、「雇用開始から半年以上継続して働いている」「労働日全体における8割を出勤している」など派遣会社が定めている条件を満たすことで、有給を取ることもできます。 派遣保育士の給料形態は、時給制であることがほとんどです。 残業手当はあるものの、住宅手当などの諸手当はないことがあります。
〇パート・アルバイト保育士の待遇パート・アルバイト保育士は、派遣保育士と同様、「雇用開始から半年以上継続して働いている」などの条件を満たすことで有給を取得できます。 パート・アルバイト保育士ももちろん有休を取得することができますが、勤務・就労期間が定められていないため、そもそもシフトに融通が効くことが特徴です。 自由度の高い働き方ができる反面、手当などの待遇はほかの非常勤保育士と比べて期待できません。
常勤保育士との違い
常勤保育士と非常勤保育士では、主に「勤務内容」や「責任の重さ」に違いがあります。 常勤保育士は担任や副担任を務める一方で、非常勤保育士は担任を持たないことが基本です。保育所によっては「非常勤保育士に一人担任は任せず、担任を任せるとしても常勤保育士が担任しているクラスの副担任を務める」など、制限を設けていることがあります。そのため、責任の重さは非常勤保育士のほうが軽く、仕事は遊びや食事の準備、遊具の準備などの保育補助を中心に行います。このように、常勤保育士は主要とされ、非常勤保育士は補助的役割、サポートを行うことが特徴です。
また、給料面においても、常勤保育士と非常勤保育士では違いがあります。常勤保育士は賞与・ボーナスがあることに対し、非常勤保育士にはないことがほとんどです。 加えて、常勤保育士には退職金の支給が義務付けられていることが多い一方で、非常勤保育士に支給をしている保育所は少ない傾向にあります。退職金を支給する基準は保育所によって異なるため、求人情報をきちんと確認しましょう。
常勤・非常勤保育士のメリット・デメリット
常勤・非常勤保育士のメリット・デメリットには、下記のような違いがあります。
メリット・デメリット | ||
---|---|---|
常勤保育士 | 非常勤保育士 | |
収入 | 高い傾向にある キャリアアップによる昇給もしやすい | 低い傾向にある 昇給制度がないケースも多い |
勤務内容 | 担任など責任のある仕事を任される | 常勤保育士の補助的役割を任される |
責任の重さ | 重い傾向にある 非常勤保育士ができない仕事も行う | 軽い傾向にある トラブル対応や懇談会出席の必要がない |
時間の融通の 利きやすさ | 利きにくい | 利きやすい |
有給の取りやすさ | 取りやすい | 条件を満たさなければ取りにくい 休み自体は取りやすい |
手当の充実度 | ボーナス・諸手当・交通費などの手当が充実している傾向にある | ボーナス・諸手当・交通費などの手当が充実していない傾向にある |
常勤保育士は、収入の高さや有給の取りやすさ、手当などの待遇面で優れており、非常勤保育士に比べて安定して働くことができます。 仕事内容においても、クラス担任といったあらゆる重要な仕事を任される分、やりがいを感じることもできるでしょう。
しかし、常勤保育士は有休が取得しやすいと言われているものの、近年では保育士不足の問題により、保育園によっては有休の取得が困難な場合もあります。 また、常勤保育士しかできない仕事は多いため、非常勤保育士に比べて一つひとつの業務の責任が重く、業務量も多い点はデメリットと言えるでしょう。
一方で、非常勤保育士は、常勤保育士に比べて給料が低く、諸手当も充実していない傾向にあることが特徴です。 また、できる仕事は常勤保育士に比べて限られており、保育業務に直接携わる機会も減るため、やりがいを感じられないこともあります。
しかし、常勤保育士より仕事の責任が軽く、ライフスタイルに合わせて働ける点が大きな魅力です。 保育士として活躍したいものの、家事や子育てなどで働く時間に限りのある人や、常勤保育士の補助をしたいという人にとっては、うってつけの働き方だと言えるでしょう。
求人をしっかり見極めることが大事
ここまで、常勤保育士と非常勤保育士のメリット・デメリットを比較しました。 どちらもメリットやデメリットが存在するため、まずは求人情報をしっかりチェックすることが重要です。 自分にとって譲れない点はどのようなところにあるかを考え、こだわりに合った職場を見つけましょう。
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まとめ
非常勤保育士は、常勤保育士に比べて給料が少ない傾向にあるものの、「ライフスタイルに合わせて働ける」「常勤保育士のお手伝いができる」などのメリットがあります。
常勤保育士と非常勤保育士には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、自分がどちらに適しているかわからない人もいるのではないでしょうか。
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