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東北地方の北西に位置する秋田県は、豊かな郷土文化や食文化に恵まれているため、観光地として人気の高いエリアです。また、子育て支援や教育にも積極的な自治体として知られており、暮らしやすい土地としても注目されています。

そのため、秋田県で保育士を目指している方や、秋田県に移住し保育士として働きたい方は少なくないでしょう。ここでは、秋田県で働く保育士の勤務時間・給料相場から、公的補助、求人を探すポイントまでを紹介します。

秋田県の保育士事情

秋田県で保育士求人を探す際、地域における平均的な保育士の働き方や、保育士需要・求人状況などを把握しておくことで、求人情報の比較検討がしやすくなります。

以下では、「勤務時間」「給料相場」「求人状況」の3つの側面から秋田県の保育士事情を解説します。

勤務時間

保育士が就職先を決める際、勤務時間はワークライフバランスなどを左右する重要な要素となります。下表は、厚生労働省のデータに基づく、秋田県で働く保育士の1ヶ月あたりの勤務時間です。

男性 177時間
女性 170時間
男女計 170時間

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

秋田県では、男性保育士のほうが女性保育士よりも勤務時間が長いことが特徴です。男女計のデータを見ると秋田県の平均は全国平均の168時間を2時間上回ります。

平均勤務時間はあくまで全体の平均であり、職場によって差があります。また、求人情報の中には、「残業少なめ」「年間休日120日以上」などプライベートの時間を確保しやすい施設もあるため、チェックするとよいでしょう。

給料相場

下表は、厚生労働省のデータに基づく、秋田県と全国で働く保育士の平均年収です。

秋田県 約311万円
全国 約374万円

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

秋田県の保育士の平均給料は全国平均を約60万円下回ります。しかし、秋田県では東京や大阪などの大都市に比べ物価水準が低いため、生活するには十分な収入であると言えるでしょう。

また、上記はあくまで平均であり、実際の給料は施設形態・雇用形態・経験の有無・年齢・賞与金額などによって異なります。さらに、施設によっては、「奨学金返済の補助」「早番手当」「通勤手当」など福利厚生が手厚いケースもあります。

求人状況

令和2年4月1日時点で、秋田県の待機児童数は22人となっており、前年と比べて43人減少しているものの、待機児童ゼロには遠い状況です。

(出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)及び「子育て安心プラン」集計結果を公表」/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13237.html

以上から、秋田県では、待機児童問題の解消に向けた取り組みが継続されるため、今後も安定的な求人数が見込めると言えるでしょう。

秋田県が進める保育士への補助・取り組み

秋田県が進める保育士への補助・取り組み

秋田県で保育士として働きたい方は、地域が実施している保育士支援制度を利用することで、金銭面の負担を軽減できるため、事前に情報収集しておくことをおすすめします。また、保育施設への補助金制度を知っておくと、就職先を選ぶ際に役立ちます。

以下では、秋田県で実施されている公的な保育士支援事業を3つ紹介します。

保育士修学資金貸付制度

「保育士修学資金貸付制度」は、指定保育士養成施設において保育士資格の取得を目指す学生に、修学資金を貸し付ける制度で、県内の保育人材確保を目的としています。

対象者 以下の要件をすべて満たす方

●保育士養成施設に入学・在籍しており、卒業後は秋田県内で保育業務に従事しようとする方
●世帯の経済状況が厳しく、修学資金の貸付が必要と認められる優秀な学生
●他の地域から修学資金を借りていない方
補助金 ●修学資金:月額5万円以内(1人あたり通算120万円まで、貸付期間1年の場合は最大60万円)
●入学準備金:20万円以内(初回交付時に交付)
●就職準備金:20万円以内(最終交付時に交付)
返還免除の条件 卒業後、1年以内に保育士登録を行い、秋田県内の保育施設に就業し、5年間(※)保育業務に従事すること
※一部過疎地域では3年間

(出典:秋田県社会福祉協議会「保育士修学資金貸付制度のご案内」/http://www.akitakenshakyo.or.jp/p_topic.php?p=5&id=538

月々の補助だけでなく、まとまった額の入学準備金や就職準備金の支援もあるため、秋田県で保育士を目指している学生は積極的に利用することがおすすめです。

令和3年の募集は、新入生100人程度、2年生以上10人程度と定員が設けられています。同事業の利用を考えている方はなるべく早く申し込みましょう。

保育士産休等代替職員費補助金

「保育士産休等代替職員費補助金」は、保育施設の職員が出産・傷病のため長期休暇を要する際、代わりの人員を雇用する経費に対して支給される補助金です。

保育業務に携わる方が安心して出産休暇・病気休暇を取得できる体制づくりを支援し、人材の確保を図ることを目的としています。

対象施設 保育所・幼保連携型認定こども園・幼稚園・地域型保育事業など
要件 対象施設において、保育士などが出産休暇・傷病休暇により31日以上不在となるため、臨時的に働く産休等代替職員を雇う必要があるとき
補助金 ●補助基準額=産休等代替職員1人1日あたり単価[6,336円]×勤務日数
●実際の支出額と補助基準額を比較して少ない方の額に、次のいずれかの補助率を適用
1. 市町村の者...50%
2. 市町村以外の者(国立大学法人を除く)...100%

(出典:秋田県教育庁幼保推進課保育情報サイト『わか杉っ子元気に!ネット』「保育士産休等代替職員費補助金実施要領について」/http://common3.pref.akita.lg.jp/youho/dengon/index.html?category_id=1&article_id=1249

保育士が直接受け取れるわけではないものの、施設が補助金を利用することで、保育士が出産や病気・ケガで働けないとき、離職することなく長期休暇を取りやすくなります。また、臨時の求人が増えれば、離職中の方にとっても復職のチャンスとなるでしょう。

保育士資格・幼稚園教諭免許状取得支援事業費補助金

「保育士資格・幼稚園教諭免許状取得支援事業費補助金」は保育教諭を確保するため、国の幼保特例制度を利用した保育士資格・幼稚園教諭免許状の取得を支援する補助金です。

2015年に施行された「認定こども園法」により、幼保連携認定こども園で働くためには保育士資格・幼稚園教諭免許状の両方を持つ「保育教諭」の資格が必須となりました。幼保特例制度は、一方の資格所持者がもう一方の資格を取得する際に、必要な単位数などを減免する制度です。

対象施設 ●幼保連携認定こども園・幼保連携認定こども園へ移行予定の施設
●未取得の保育士資格または幼稚園教諭免許状取得のために特例制度により大学などで受講をしている方が勤務している
補助金 養成施設受講料などの対象経費に対し下記いずれかの補助率を適用
●秋田市外...50%
●秋田市内...25%(秋田市に対して助成)

(出典:秋田県教育庁幼保推進課保育情報サイト『わか杉っ子元気に!ネット』「幼保推進課関係補助金等交付要綱」/http://common3.pref.akita.lg.jp/youho/uploads/user/system/File/R3%E7%94%A3%E4%BC%91%E4%BB%A3%E6%9B%BF/R3.3%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91%E7%AD%89%E4%BA%A4%E4%BB%98%E8%A6%81%E7%B6%B1%EF%BC%88%E6%9C%AC%E6%96%87%EF%BC%89.pdf

保育士が直接補助金を受けられるわけではありませんが、上記の補助金を受ける施設で勤務すれば、未所持の資格取得にかかる費用を軽減できる可能性があります。また、これから職を限定せず幅広い保育現場で働きたい方にとっては、メリットの大きい施策と言えるでしょう。

【秋田県】保育士求人を探す際のポイント

保育士求人を探す際のポイント

秋田県の保育士求人を探す際には、地域の保育士事情や求人状況を踏まえ、いくつかのポイントを理解した上で比較検討することがおすすめです。

ここでは、秋田県で保育士求人を探す際のポイントを3つ紹介します。

〇通勤距離・交通手段に見合った「通勤手当」が支給されるか
秋田県の保育士は車通勤の方が少なくありません。しかし、施設によって通勤手当額に幅があり、上限が低い場合は、超過した通勤費を実費負担することになります。勤務地と自宅の距離やアクセスしやすさに対して通勤手当額が妥当かチェックしましょう。「マイカー通勤OK」「駐車場あり」などの項目も注目すべきポイントです。

〇長期休暇・休日数などの休暇制度に目を向ける
働きやすさを重視する場合、「出産・育児・介護休暇取得実績あり」などの長期休暇を取りやすい環境が整っているかどうかも重要なポイントです。また、「土日祝休み」などの週休制度のほか、年間休日数や慶弔休暇の有無などの待遇もチェックするとよいでしょう。中には、年間休日が120日を超える優良な求人もあります。

〇自分でなかなか決められない方はキャリアアドバイザーに相談する
仕事が忙しいなどの理由で、自分で求人情報をじっくり比較検討して決めることが難しい方は、キャリアアドバイザーに相談することも一つの手です。一部の求人サイトには保育士業界に詳しいキャリアアドバイザーが在籍し、求人紹介から、応募書類・面接のアドバイス、就職までのサポートを引き受けてくれます。

秋田県で保育士求人を探したい方は「マイナビ保育士」をご利用ください。「マイナビ保育士」では、豊富な求人情報が掲載されているほか、キャリアアドバイザーによる手厚いサポートを無料で受けられます。サイトに掲載されていない非公開求人の紹介を受けられるというメリットもあります。

まとめ

秋田県で働く保育士の平均勤務時間は全国平均を2時間上回る170時間、平均給料は全国平均を約60万円下回る約311万円です。給料相場は低いものの、エリアの物価水準も低いため、生活に大きな支障はないと考えられます。

また、秋田県では待機児童ゼロへの取り組みが進められているため、今後も保育士の需要は見込めるでしょう。保育士を目指している方への支援や、保育施設に対する支援も充実しているため、一度チェックしてみることがおすすめです。

就職・転職活動を進める際は、プロのキャリアアドバイザーに相談できる「マイナビ保育士」をぜひご利用ください。

※当記事は2021年6月現在の情報を基に作成しています

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