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島根県は、海や山、湖といった豊かな自然に囲まれている県です。出雲大社や松江城、玉造温泉など、観光資源にも恵まれており、IターンやUターンで島根県を勤務先の候補とする人は少なくありません。

今回は、島根県で就労を考えている人に向けて、島根県の保育士事情や保育士支援制度を解説します。島根県で保育士求人を探すポイントも紹介するため、「自分に合う保育園で働きたい」「スキルアップ・キャリアアップを実現したい」という人は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

島根県の保育士事情

島根県で保育士として活躍したいと考えている場合は、島根県における保育士の勤務事情を把握しましょう。そうすることで、「イメージしていた仕事内容と違っていた」というミスマッチを防ぐことができます。

ここからは、島根県で働く保育士の平均的な勤務時間と給料、求人状況を説明します。

勤務時間

保育士は「残業が多い仕事」と言われる職種のひとつです。そのため、島根県の保育園で働くにあたり、残業の有無を気にする人は多いでしょう。下記は、島根県で働く保育士の勤務時間をまとめた表です。

男性 173時間
女性 168時間
男女計 168時間

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

島根県では男性保育士が月173時間、女性保育士が月168時間勤務している状況です。男女計の平均的な勤務時間は168時間であり、1日8時間労働だとすると、21日出勤している計算となります。そのため、島根県の保育士は残業過多になる可能性は低く、月9日前後の休日は確保できていると考えられるでしょう。

給料相場

次に、島根県で働く保育士の給料相場を紹介します。下記は、島根県で働く保育士と、全国で働く保育士の給料相場を比較した表です。

島根県 約334万円
全国 約374万円

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

上記を見ると、島根県の保育士の平均給与は約334万円であり、全国平均の約374万円と比較して約40万円下回ることがわかります。しかし、給料相場が低くても、島根県の物価はそれほど高くないため、給料額が生活に大きな支障をきたすとは言えないでしょう。実際に、2021年4月時点における全国の総合の消費者物価指数は101.4であるのに対し、島根県松江市の消費者物価指数は100.4です。

(出典:しまね統計局データベース「2015年基準 松江市消費者物価指数2021年(令和3年)4月分」/http://pref.shimane-toukei.jp/index.php?view=22071

ただし、上記はあくまでも平均であり、施設形態や雇用形態、就業形態によって、月給・時給・賞与の金額は変わります。

求人状況

島根県が保育士の求人数が多い状況にあるかどうかは、地域の待機児童数を確認することである程度把握できます。

2020年4月1日時点において、島根県内における待機児童数は0人です。2019年も待機児童数は0人でしたが、2018年は30人、2017年は119人の待機児童が発生しています。これからも待機児童ゼロを維持できるよう、島根県では認可保育所などの定員数を増やしているため、保育士の需要がなくなったわけではありません。新設の事業所から募集情報が出る可能性もあるため、こまめに転職サイトで求人内容をチェックするとよいでしょう。

(出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)及び「子育て安心プラン」集計結果を公表」/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13237.html
(出典:島根県「島根県の子ども・子育てを取り巻く現状」/https://www.pref.shimane.lg.jp/education/syoushika/kosodate/seido/shiensuishin14.html

島根県が進める保育士への補助・取り組み

島根県が進める保育士への補助・取り組み

就職活動・転職活動時は、島根県の保育士事情だけでなく、島根県が実施している保育士向けの支援制度も確認しておきましょう。島根県では、保育士を目指す人を金銭的に支援する多様な制度が実施されています。

ここからは、島根県が進める4つの補助・取り組みについて説明します。

しまね保育実習等旅費支援事業

しまね保育実習等旅費支援事業は、島根県外の保育士養成施設に通う学生に向けて、島根県内の保育実習などにかかる費用を助成してくれる事業です。

対象者 ・島根県外の保育士養成施設に在学し、島根県内の保育所などで保育実習・就業体験・ボランティアに携わる学生
助成金 6,100円~25,700円
募集期間 2022年3月2日まで

(出典:島根県福祉人材センター「しまね保育実習等旅費支援事業」/https://www.shimane-fjc.com/practice

助成金の費用は、保育士養成施設の所在府県・実習先となる保育園などの所在地によって変動します。

保育士に対する就職準備金の貸付事業

保育士に対する就職準備金の貸付事業は、保育士を離職した人や勤務経験のない人が保育園などに就職する際にかかる費用を貸し付けてくれる事業です。

対象者 以下の要件を満たす人

・保育士登録から1年以上が経過している
・保育園や認定こども園などを離職してから1年以上が経過している、あるいは勤務経験がない
・島根県内の保育園などに週20時間以上で新しく勤務する
補助金 400,000円
返還免除の条件 島根県内の保育園などで2年間勤務する
募集期間 2022年2月28日まで

(出典:島根県社会福祉協議会「保育士に対する就職準備金貸付事業」/https://www.fukushi-shimane.or.jp/works/qualification_funds/78

補助金の貸付は無利子で行われます。しかし、連帯保証人が必要となるほか、貸付予定人数は5名程度となっており、途中で募集が終わる可能性があることに注意してください。

保育士に対する保育料の一部貸付事業

保育士に対する保育料の一部貸付事業は、未就学児の子どもを育てている人が新しく就職する場合や復帰する場合に、子どもの保育料を一部貸し付けてくれる事業です。

対象者 ・未就学児を育てながら島根県内の保育園や幼稚園などに週20時間以上で働き始める人
・島根県内の保育園などに雇用されていて、産後休業・育児休業から週20時間以上勤務で復帰する人
補助金 保育料の半額
※上限:月27,000円
返還免除の条件 島根県内の保育園などで2年間勤務する
募集期間 2022年2月28日まで

(出典:島根県社会福祉協議会「保育士に対する保育料の一部貸付事業」/https://www.fukushi-shimane.or.jp/works/qualification_funds/79

保育士に対する保育料の一部貸付事業の貸付期間は、勤務開始月あるいは復帰月から最大1年間です。補助金は無利子であり、条件を満たせば全額の返還が免除されるため、育児と仕事を両立させたい人は利用するとよいでしょう。

子どもの預かり支援事業利用料金の貸付事業

子どもの預かり支援事業利用料金の貸付事業は、保育士の未就学児が利用したファミリーサポートなどの料金を一部貸し付けてくれる事業です。

対象者 以下の要件を満たす人

・島根県内の保育園などに雇用されている
・未就学児がいて、保育園などを利用している
・勤務時間の問題から、子どもの預かり支援事業を利用する必要がある
補助金 利用料金の半額
※上限:年123,000円
返還免除の条件 島根県内の保育園などで2年間勤務する
募集期間 2022年2月28日まで

(出典:島根県社会福祉協議会「保育士に対する預かり支援利用料の一部貸付事業」/https://www.fukushi-shimane.or.jp/works/qualification_funds/80

子どもの預かり支援事業利用料金の貸付事業の貸付期間は、最大2年間です。「シフトの関係で閉園時間までにお迎えに行くことが難しい」など、子どもの預かり支援事業を利用する際は申請を検討してみましょう。

【島根県】保育士求人を探す際のポイント

保育士求人を探す際のポイント

最後に、島根県で自分に合う保育士求人を探す3つのポイントを紹介します。

〇結婚・出産を経ても働く場合は「産休・育休取得実績あり」の求人を選ぶ
島根県で出されている求人には、「産休・育休取得実績あり」とする求人が多い傾向にあります。保育士資格を持っていれば、未経験者でも受け付けているパート・アルバイト求人もあるため、「産休・育休取得実績あり」と記載されている求人をチェックしてみましょう。

〇子ども一人ひとりに向き合いたい場合は定員の少ない求人を選ぶ
島根県の保育士求人の中には、120名を定員とする大規模保育園も存在します。子どもたち一人ひとりに向き合い、アットホームな保育を提供したいのであれば、定員21~50名の求人に応募するとよいでしょう。

〇高給与を目指したい場合は転職サービスに登録する
島根県で働く保育士の平均給与は全国を下回るものの、保育園によっては高給与を目指すことは可能です。ただし、条件のよい求人は非公開となっていることもあります。給与が高く好待遇の求人を見つけたい人には、非公開求人の紹介を受けられる転職サポートの利用がおすすめです。

マイナビ保育士の転職サービスでは、キャリアアドバイザーが求職者様にマッチする求人をご紹介しています。利用料金は無料であるため、ぜひご登録ください。

まとめ

島根県で働く保育士の勤務時間は全国と同等である一方で、島根県の給与は全国より高くありません。しかし、物価水準を考えると、島根県の保育士の平均給与は決して低くはないと言えます。

島根県では待機児童ゼロの状態を維持するために、今後も保育士を採用する動きは続くと予想されます。「今は島根県外に住んでいるが、いずれは島根県に移り住みたい」「離職したものの、もう一度復帰したい」という場合は、自治体の保育士支援制度も活用し、マイナビ保育士で求人を検索してみてください。

※当記事は2021年6月現在の情報を基に作成しています