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保育士は「転職したいな」と思っても、子どもたちのことや仕事の引き継ぎを考えると、すぐには辞められませんよね。だとしたら、保育士が転職する際は、どのようなスケジュールで動くのが正解なのでしょうか?

今回は保育士の転職活動について取り上げ、活動開始から退職までのポイントを詳しく解説します。円満退職のコツや転職時の注意点を把握して、気持ちのいい転職を目指しましょう。

   

保育士の転職時期は4月入職がベスト

保育士の転職は、年度始まりの4月入職がおすすめです。待ち時間が長く感じる人もいるかもしれませんが、それだけのメリットがあります。

主なメリットは、以下のとおりです。

 

募集が多い

保育士に限らず、求人が最も多い時期は12月です。好条件の仕事を見つけるには、できるだけ多くの募集を比較検討する必要があるため、同時に34件応募したいのなら秋~冬に動き出し、春から働き始められるように調整するのが最善でしょう。

 

年度区切りのため引継ぎがスムーズ

4月始まりでクラス運営を行う保育業界では、他の時期にかわりの人材を探すのがとても大変です。人員確保や引き継ぎのことを考えれば、担当が入れ替わる年度末に合わせて転職活動をするのがスムーズでしょう。

 

面接での信用度が高い

保育業界では年度の切り替わりが4月であるため、4月入社を希望すると施設側が人員計画を立てやすく、採用後の配置や担任決めもスムーズになります。また、子どものクラス替えや職員体制の変更が一斉に行われる時期のため、途中入社よりも引き継ぎや研修の準備が整えやすく、長期的に働いてもらえるという安心感が得られます。そのため、面接での信用度や採用確度が高まりやすいとされています。

 

転職開始から退職までのスケジュール

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4月入職を目指す場合は、保育士の求人が増え始める9月頃から動き始めるのがおすすめです。保育士が転職活動をする際のスケジュールの目安は、以下の通りです。

 

目安の時期

活動内容

備考

9月

・転職サイトや転職エージェントに登録

・情報収集を開始する

・転職の目的や条件を整理する

 

10月〜11

・情報収集や企業研究

・問い合わせ

・施設見学

・自己分析

・応募書類作成

・応募や面接のスタート

新規開設園の募集開始

12月

・現職での面談

・退職を伝える

社宅退去手続きの確認

1月

・退職手続きの確認

・引き継ぎ書の作成開始

保育士求人倍率ピーク

一般企業の4月入社求人増加

2月〜3

・転職先決定

・就職に必要な書類の準備

・引き継ぎ開始

・有休消化

・退職手続き

・転職先へのあいさつ

・入職手続き

社宅退去

退職者が出た園の求人増加

4月

・入職

 

 

保育士の求人が本格的に増え始める10月に備えて、9月に活動準備を始めましょう。10月は、来年度の新規開設園の募集が始まる時期でもあるので、早めに内定を決めたい人は要チェックです。

退職の意向は半年前の11月頃に伝えてもOKですが、年末あたりに実施される上司との面談の機会を利用すると、席を設けてもらう手間が省けます。

なお、一般企業の場合、4月入社の求人数は13月にピークがきます。異業種への転職を視野に入れている人は、逆算して準備しておきましょう。

 

転職を急ぎたい場合の退職時期は3か月後が目安

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保育士の転職は4月がベストですが、結婚や子どもの進学による引っ越し、親の介護など、やむを得ない事情で転職を急ぎたいこともありますよね。

そうしたケースでは、早めに転職に踏み切っても大丈夫ですが、かわりの人材を募集する期間を考慮して、早めに退職を伝えると保育園側も安心です。

保育業界は年間を通じて募集があるので、求人数の心配はそれほどいりません。事実、2024年のこども家庭庁の「保育士の有効求人倍率の推移」を月別に見ると、最も下がる5月でもおよそ2.4倍(保育士1人に対して2.4件の求人がある状態)でした。

とはいえ、有効求人倍率が高い時期ほど転職には有利なので、増減の傾向はつかんでおきましょう。この数年の保育士の有効求人倍率は、以下のような流れで動いています。

 

5月 最低値 → 6月 徐々に伸び始める → 10月 急上昇が始まる → 1月 最高値を迎える

 

参考までに、2024年1月の有効求人倍率は3.54倍、2025年1月は3.78倍でした。それを踏まえると、冬に転職活動を行うほうが有利に思えますが、その時期は4月入職の求人が多くなるので、すぐに入社するのが難しい可能性があります。常に求人情報をチェックして、最適なタイミングを逃さないようにしましょう。

 

参考:「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」(こども家庭庁)

 

 

保育士が円満に退職するコツ

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今の保育園を退職した後も、子どもたちに会いに行けるような関係を保つのが理想ですよね。円満に辞めるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

 

退職が決まり次第早めに伝える

保育の仕事は、新しい人材を探すにも、仕事の引き継ぎをするにも時間がかかります。転職することが決まったら、可能な限り早めに退職を伝えるとスムーズに引継ぎができます。ただし、体調不良などの場合は、直前でもやむを得ません。

 

退職は直属の上司から伝える

退職の話は、直属の上司園長同僚の順に、直接伝えるのがマナーです。先に同僚に話して、他の人から上司に話がまわるのは失礼にあたるので、十分に注意しましょう。また、うわさ話はネガティブな形で伝わる場合が多いので、日頃から進退に触れる発言は避けたほうが無難です。

 

退職理由は前向きな内容にする

保育士が転職を決意する場合、人間関係や給与の低さなどネガティブな事情も多く見られます。しかし、上司に退職を伝えるときはキャリアアップや異業種への挑戦など、前向きな理由に置き換えましょう。

前向きな理由にすることは、残る同僚やお世話になった上司を嫌な気持ちにさせないためのマナーですが、引き留めを避ける効果も期待できます。

なお、健康問題や家庭の事情を理由にする場合は、事実のみを伝えるようにしましょう。

 

業務と引き継ぎは最後までやり切る

次の仕事が決まった後も最後まで手を抜かず、抜け漏れのない引き継ぎを目指しましょう。仕事への誇りや、退職で迷惑をかけない姿勢を示すことで、気持ちよく送り出してもらえるはずです。

 

最終日は周囲に感謝を伝える

「ありがとう」のひと言を伝えることが、今後の良好な関係につながります。勤務最終日は上司や同僚、子どもたち、保護者に感謝の気持ちを伝えましょう。退職のメッセージカードを用意するのもおすすめです。

もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

 

ほいくらし 退職する保育士が使えるメッセージ例文集!上司・同僚・保護者・子どもたちへの伝え方

 

保育士の転職で考えるべきこと

転職には、準備と慎重さが大切です。焦って決めると給料が下がってしまったり、思っていたのと違う仕事だったりして、後悔することになりかねません。

ちなみに、マイナビ保育士が転職後の保育士に行ったアンケート調査では、このような結果が出ています。

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出典:「保育士白書2023年度版」(マイナビ保育士)

 

こうしたギャップを減らすためにも、転職を進めるときは下記のポイントを押さえましょう。

 

転職活動期間に余裕を持つ

転職活動で内定が出るまでの期間は、平均で2.1か月と言われていますが、3か月〜半年以上かかるケースも珍しくありません。

保育士は、求人倍率が高い傾向にありますが、細かい条件までマッチする職場や募集が少ない管理職、準備が必要な異業種などへの転職には時間がかかります。

条件をじっくり精査するためにも、「退職しやすい4月入社」と「保育士の求人が増える10月〜1月の転職活動」を意識しつつ、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

 

転職の理由と必要性を再確認する

慣れた職場というのは、それだけで価値があります。一方で、新しい場所になじむにはある程度の時間と労力がかかります。それを考えると、転職の理由が「本当に今の職場ではかなわないものなのか」を再確認することも大切です。

マイナビ保育士が行ったアンケート調査「保育士白書2023年度版」によると、保育士の転職理由は1位が人間関係、2位が給与条件、3位が仕事のやりがいでした。

しかし、転職理由が人間関係だった場合は、上司やコンプライアンス相談・通報窓口に相談してみることで、状況が変わるかもしれません。給与に不満を感じている人も多く見られますが、ここ数年は保育士の処遇改善が進んでいます。また、キャリアアップ研修などで仕事の幅を広げられれば、仕事のやりがいも大きくなるでしょう。

転職後に後悔しないためにも、転職活動を始める前に、今の職場でできることが残っていないかを見つめ直してみましょう。

 

譲れない条件を整理する

すべての希望条件がかなう職場はまずありません。効率的に取捨選択を行うためには、転職で重視したい条件・譲れない条件をすべて書き出し、優先順位を決めておくことが大事です。

人間関係ならどんな関わり方が良いのか、給与なら希望する月収がいくらなのかなど、具体的なイメージを固めておきましょう。

 

将来を見据えて幅広い職種から検討する

深い専門知識と多彩なスキルを持つ保育士は、保育園以外の職場でも活躍できます。自分に合った職場と巡り合うためにも、一般企業の会社員、ベビーシッター、習い事講師などの異業種も、視野に入れて検討するのがおすすめです。

会社員は昇給しやすく有休も取りやすい、シフトに自由がきくベビーシッターは子育てと両立しやすいなど、それぞれにメリットがあるので、自身の将来設計に照らし合わせながら、きちんと確認しましょう。

異業種での仕事に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。

 

保育士の意外な転職先まとめ!保育園以外の職場を探すポイント

 

求人情報と実態がマッチしているか確認する

求人情報は、すべてが実態通りとは限りません。「仕事内容がイメージと違った」「制度はあるが誰も利用していなかった」というのもよくあるケースです。そうしたミスマッチを防ぐためには、記載内容の確認だけで終わらせず、面接や職場見学で現場を確認することが大切です。自ら数日間の保育実習を申し出るのもよいでしょう。

 

保育士の転職はキャリアアドバイザーに相談を

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保育士の転職はスケジュールの立て方にも、進め方にも慎重さが必要です。転職を考え始めたら、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してみるのも1つの方法でしょう。

キャリアアドバイザーは、希望に合った求人を紹介してくれるだけでなく、自己分析から面接対策、施設見学のスケジュール調整、条件交渉まで、丁寧にバックアップしてくれるので、安心して転職活動を進められます。

保育士専門の転職エージェント「マイナビ保育士」では、保育業界に精通したキャリアアドバイザーが、一人ひとりの希望に沿った転職サポートを行っています。転職に不安を感じている方は、無料相談から始めてみましょう。

   

まとめ

保育士の転職では、年度切り替え時期にあたる4月の入職を目指すのがベストです。退職を伝えるのは3か月〜半年前、転職活動の開始は次年度の求人が増え始める9月頃から始めるとよいでしょう。

急ぎの場合は春を待たずに辞めてもOKですが、その場合も早めに職場へ伝えると引継ぎがスムーズです。

理想の職場に出会うためにはしっかりした準備と慎重さ、自己分析が欠かせません。多忙な仕事をこなしながらよい転職をするには、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのがおすすめです。内定獲得まで丁寧に寄り添ってくれるので、初めての人でも安心して転職活動ができるはずです。

   

<参考>

ほいくらし 退職する保育士が使えるメッセージ例文集!上司・同僚・保護者・子どもたちへの伝え方

https://hoiku.mynavi.jp/contents/hoikurashi/childminder/knowledge/28716/

 

マイナビエージェント 未経験職種に転職できるのは何歳まで?職種別の転職適齢期とは?

https://mynavi-agent.jp/knowledge/common/1174.html

 

マイナビエージェント 転職活動の期間はどれくらい?転職までの流れや必要な準備を解説!

https://mynavi-agent.jp/service/faq/agent/1417.html

 

マイナビ保育士 保育士白書2023年度版※PDF資料