保育園の遠足など、バス移動するときに欠かせないのがバスレクです。移動時間を楽しく過ごすため、どんな出し物を準備しようか悩んでいる保育士も多いでしょう。考えている出し物の数が少ないと間延びしてしまうため、引き出しをたくさん用意しておくことが大切です。そこでこの記事では、バスレクにピッタリの遊びやゲームをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
遠足など移動でバスレクを取り入れるねらい
遠足など、保育園の園外行事で役立つバスレク。「バス移動にはバスレクが必要」と、なんとなく取り入れていませんか? バスレクは、子どもたちをただ楽しませるだけでなく、さまざまな効果が期待できるものです。ねらいをしっかり定めたうえで取り入れられるとよいでしょう。
目的地までの期待感を盛り上げる
遠足の行き先は、動物園や水族館、博物館、公園、牧場などさまざま。子どもたちは遠足の日を心待ちにし、ワクワクした気持ちでバスに乗り込みます。目的地に到着するまで、その期待感をより盛り上げるために有効なのがバスレクです。行き先に合わせたクイズを出すことで、子どもたちの興味・関心をより引き出すことができます。
バス移動で感じる負担を軽くする
目的地にもよりますが、バスでの移動は1時間程度で収めなければ、子どもたちの負担が大きくなります。といっても、普段乗り物に乗りなれていない子どもにとっては1時間でも大変です。同じ姿勢でいることにストレスを感じる子どもや、乗り物酔いで辛い思いをする子どもも少なくありません。座ったままできるバスレクは、子どもたちの負担を軽くする効果が期待できます。
1日を通して楽しい思い出を作る
遠足の機会はそう多くはないため、子どもたちにとって特別な日にしたいもの。しかし、どうしても移動時間は「まだかな」「早く遊びたい」と、マイナスなイメージを持ちやすくなってしまいます。目的地で遊ぶ時間だけでなく、1日を通して楽しい思い出を作れるようにとねらいを込めてバスレクを取り入れましょう。
子どもたちと楽しむバスレク一覧【うた】
バスレクのなかでも準備が少なく、簡単に取り入れられるのが「うた」のレクリエーションです。
- バスに乗って
- キャンプだホイ
- 遠足にいこうよ
- かめのえんそく
- 動物園へ行こう
普段歌っている歌や季節に合った歌、行き先に合った歌を選んでみんなで合唱してみましょう。慣れていない歌を歌うときは、歌詞カードを準備しておくのがおすすめです。
バスに乗って
【作詞・作曲/谷口國博】
バスにのってゆられてる ゴー! ゴー!
バスにのってゆられてる ゴー! ゴー!
そろそろみぎにまがります 3! 2! 1! わぁ~!
「バスに乗って」はくり返しが多く、乳児期から親しめる歌です。左に曲がったり、右に曲がったりする歌詞に合わせて体を揺らして楽しみます。また、「ゴー! ゴー! 」のところで拳を上げるなど、歌と動きを楽しめるバスレク定番の一曲です。
キャンプだホイ
【作詞・作曲/マイク真木】
キャンプだホイ キャンプだホイ
キャンプだホイホイホーイ
キャンプだホイ キャンプだホイ
キャンプだホイホイホーイ
はじめてみるやま はじめてみるかわ はじめておよぐうみ
きょうからともだち あしたもともだち ずっとともだちさ
くり返しが多くテンポがよいため、とても盛り上がります。キャンプにピッタリの一曲ですが「えんそくだホイ」にアレンジして歌うのもおすすめ! また「ホイ」で手をたたくなど、遊びの要素を追加しても楽しめます。
遠足にいこうよ
【作詞・作曲/二本松はじめ】
えんそくにいこうよ えんそくにいこうよ
リュックのなかに おべんとうつめて
みんなでいこうよ ソレ
ワンツー ワンツー さあしゅっぱつだ
まさに遠足の日にピッタリの一曲! 短い曲ですが、子どもたちが声を合わせて歌える簡単な歌詞がおすすめのポイントです。遠足の数日前から保育に取り入れて、気持ちを盛り上げていくのもいいですね。
かめのえんそく
【作詞/新沢としひこ 作曲/中川ひろたか】
かめのえんそくは みっかまえから
リュックサックにおかしをつめる
かめのだいすきなチョコレートは
ベタベタとけて もうたべられない
のんびりいこう のんびりいこう
いそいでいくと すぐおわるだろう
のんびりいこう のんびりいこう
ゆっくりいけば まだまだつづく
「遠足にいこうよ」と同じく、遠足の日に歌いたい一曲です。3日前から準備を始め、当日の夜になっても続くかめさんの遠足…。ゆったりとした歌詞やリズムに癒されます。歌詞に合ったイラストを用意して物語のように聞かせるのもおすすめです。
動物園へ行こう
【作詞/海野洋司 作曲/T.Paxton】
Zoo! Zoo! Zoo! Zoo! Zoo! Zoo!
どうぶつえんへいこうよ
みんなでいこうよ
どうぶつえんはZooってんだ
さあいこう
さ もうすぐZoo Zoo Zoo
きみもYou You You You
おいでGo Go Go Go
そらきたきたZoo Zoo Zoo
遠足の行き先が動物園のときにおすすめしたいのが「動物園へ行こう」です。テンポのよい曲のため、子どもたちもとても盛り上がります。歌詞を覚えていなくても「ズーズーズー」「ユーユーユー」「ゴーゴーゴー」と声を合わせるだけでもたのしめますよ。
子どもたちと楽しむバスレク一覧【手遊び】
座ったまま楽しめる遊びのひとつとして、手遊びもおすすめです。
- バスごっこ
- ピクニック
- おべんとうばこのうた
- やおやさん
- おちたおちた
普段楽しんでいる手遊びはもちろん、アレンジをしながら盛り上がれる手遊びもいいですね。手を動かしながら遊ぶため、バス移動の退屈さを軽減できます。
バスごっこ
【作詞/香山美子 作曲/湯山昭】
おおがたバスにのってます
きっぷをじゅんに わたしてね
おとなりへ(ハイ) おとなりへ(ハイ)
おとなりへ(ハイ) おとなりへ(ハイ)
おわりのひとは ポケットに!
バスのなかで歌う曲としてピッタリなのが「バスごっこ」です。いっしょに座るお友だち同士で手のひらを合わせて、切符を渡す仕草をしながら歌を楽しみます。3番には道が悪くごっつんこしてしまうという歌詞がありますが、頭同士を強くぶつけ合わないよう注意しましょう。
ピクニック
【作詞/不詳 作曲/アメリカ民謡】
1と5でたこやきたべて
2と5でやきそばたべて
3と5でスパゲッティたべて
4と5でカレーライスたべて
5と5でおにぎりつくって
ピクニック しゅぱーつ!
わくわくする気持ちを盛り上げる「ピクニック」の手遊び。たくさんの食べ物が盛り込まれているため、子どもたちも親しみを持って楽しめます。メロディは「10人のインディアン」に合わせて歌います。「しゅっぱーつ! 」のかけ声で拳を上げることで、子どもたちの気持ちがひとつになりますよ。
おべんとうばこのうた
【歌詞/香山美子 作曲/小森昭宏】
これくらいの おべんとばこに
おにぎり おにぎり ちょっとつめて
きざみしょうがに ごましおふって
にんじんさん さんしょうさん
しいたけさん ごぼうさん
あなのあいた れんこんさん
すじのとおったふーき
定番の「おべんとうばこのうた」は、保育園でも日常的に取り入れているのではないでしょうか? どんなお弁当を持ってきたのか、バスのなかで想像しながら手遊びを楽しんでみましょう。また、アレンジバージョンの「サンドイッチ」もおすすめです。
やおやのおみせ
【作詞/早川進 作曲/坪田幸三】
やおやの おみせにならんだ
しなものみてごらん
よくみてごらん かんがえてごらん
〇〇 あるある
〇〇 あるある
〇〇 ないない
やおやさんのお店に並んでいる品物をクイズのように出し「あるある! 」「ないない! 」と答える手遊びです。「やおやのおみせ」はアレンジがとにかく豊富! パン屋さんやケーキ屋さん、動物園などにアレンジして楽しんでもいいですね。
おちたおちた
【作詞/高橋良和 作曲/本多鉄麿】
おちたおちた なにがおちた
リンゴ(がおちた)
おちたおちた なにがおちた
かみなり(がおちた)
座って楽しめる手遊びの代表ともいえる「おちたおちた」は「やおやのおみせ」と同じくアレンジが豊富です。落ちたのが大切なものの場合は両手で受け止め、危ないものは頭やお腹を守る仕草をします。お題の増減が可能なため、時間調整にピッタリの手遊びです。
子どもたちと楽しむバスレク一覧【クイズ】
子どもたちの大好きなクイズもバスレクにピッタリ!
- シルエットクイズ
- 〇✕クイズ
- わたしはだれでしょう
- イントロクイズ
- いまから行くとこクイズ
簡単なクイズは満足感が得られ、難しいクイズは挑戦心を育めます。クイズといっても種類はさまざまなので、子どもたちの年齢に合ったものを選びましょう。
シルエットクイズ
シルエットクイズとは、黒い影だけを見てなんのシルエットか当てるクイズです。保育室でおこなう場合は、大きな布にライトを当ててスクリーンの後ろから実物を映し出します。バスの中でおこなう場合は、あらかじめ黒い紙を出題に合った形に切り、白い画用紙に貼っておくとよいでしょう。
例
- 果物
- 動物
- 乗り物
- 楽器
- 衣服
バスの後部座席にいる子どもたちにも見えるよう、大きく作成するのがポイントです。
〇✕クイズ
〇✕クイズは、準備が少なく簡単に取り組めます。「あと少し間が持てない」というときのバスレクにピッタリ! 本来であれば、問題を出されたら〇と✕それぞれのエリアに分かれたり、〇✕の札を上げたりして答えます。座ったままおこなうバスレクの場合は、腕を使って頭の上で大きくジェスチャーして答えるようにするのがおすすめです。
例
- 朝起きたときは「おやすみなさい」と言う…〇か✕か?
- 赤色と青色を混ぜたら紫色になる…〇か✕か?
- すいかは果物だ…〇か✕か?
- ひつじの鳴き声は実は「コエ~」である…〇か✕か?
「水族館のなかでは走らない」「先生のお話をよく聞く」など、クイズを通して遠足のお約束を伝えるのもおすすめです。
わたしはだれでしょう
人物や動物、身近な物に関するヒントを聞いて答えを想像していく「わたしはだれでしょう」は、すべて口頭でやりとりできるためバスレクにピッタリの遊びです。また、問題の難易度を変えることで、さまざまな年齢に対応できます。
例
- わたしはどうぶつです
- わたしはみみがながいです
- にんじんだすきです
ヒントを順番に挙げ、最後に子どもたちに「わたしはだでしょう? 」と問います。あらかじめいくつかお題とヒントを考えてメモしておけば、保育の空き時間にも活用できますよ。
イントロクイズ
イントロクイズは、音楽のイントロ部分だけ流してどんな歌か当てるクイズです。テレビ番組などでは流行りの曲をお題として挙げますが、子どもたちには普段歌っている童謡のイントロクイズがおすすめです。
例
- どんぐりころころ
- 一年生になったら
- 世界中の子どもたちが
- アンパンマンマーチ
- 幸せなら手をたたこう
子どもたちが見ていそうなアニメの主題歌でもいいですね。年齢や季節に合った曲をひとつのCDにまとめておくとよいでしょう。
いまから行くとこクイズ
目的地に関するクイズを楽しむ「いまから行くとこクイズ」は、子どもたちの遠足への気持ちをグッと盛り上げられる遊びです。動物園や水族館、公園など目的地に合った問題を出すことで、より子どもたちの興味・関心を深められます。
例
- いまからいくとこ「だれがいる? 」
- いまからいくとこ「なにがいる? 」
- いまからいくとこ「なにがある? 」
- いまからいくとこ「どこにある? 」
遠足前にパンフレットを配っておいたり、目的地に関する地図を掲示したりしておくことで、子どもたちが事前に雰囲気を把握しやすくなります。
子どもたちと楽しむバスレク一覧【ゲーム】
幼児さんにおすすめしたいのが、ゲーム系のバスレクです。
- しりとり
- リズムゲーム
- じゃんけん大会
- ジェスチャーゲーム
- 連想ゲーム
お友だちとのやりとりが活発になるため、より楽しさを感じやすくなります。盛り上がりすぎて席から身を乗り出すことがないよう注意喚起しながら進めましょう。
しりとり
準備いらずのゲームの代表といえば「しりとり」ではないでしょうか? 大人数になるとやりとりが少し難しくなりますが、伝言ゲームのような楽しさがあります。以下のようなアレンジもおすすめです。
- 食べ物だけしりとり
- 覚えてしりとり
- 「ん」最初についたら勝ちしりとり
年齢に合わせてアレンジを楽しんでみてくださいね。
リズムゲーム
リズムゲームとは、両手を使った拍手で楽しむ遊びです。保育士が手をたたいて鳴らした音の数だけ、子どもたちが真似をしながら音を出していきます。集中力やリズム感を鍛えられる遊びで、座ったままでも十分楽しめます。
例
- 保育士「パンパンパン! はい! 」→子ども「パンパンパン! はい! 」
- 保育士「パパパパパン! はい! 」→子ども「パパパパパン! はい! 」
- 保育士「パンうんパンうん! はい! 」→子ども「パンうんパンうん! はい! 」
さまざまなアレンジが可能なため、時間調整にもピッタリ! 普段の保育活動中、集中してほしいときの導入にもおすすめです。
じゃんけん大会
盛り上がる定番のゲームといえば「じゃんけん大会」です! 腕を上に挙げるだけなので、座ったまま楽しめます。バスの座席があり子ども同士では顔が見えませんが、挙げた腕を見ながら「勝った! 」「負けた! 」と大盛り上がり間違いなしです。
例
- 保育士対戦して勝ち上がりのじゃんけん大会
- 「負けたら勝ちよ」のじゃんけん大会
- 「あいこが勝ちよ」のじゃんけん大会
勝った子どもにインタビューするなど、その先を考えてもおもしろいですね。
ジェスチャーゲーム
座って楽しめるゲームのひとつ「ジェスチャーゲーム」。保育士のジェスチャーを見て、子どもたちがそのお題を当てていきます。乳幼児におすすめのお題は以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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連想ゲーム
子どもたちは頭を使って遊ぶ連想ゲームも大好き! 連想ゲームには、ヒントをもらって答えを連想する遊び方と、ひとつのお題からどんどん言葉を連想してつなげていく遊び方があります。おすすめのお題は以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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【保育園】連想ゲームを楽しもう! お題ややり方のポイントを解説
バスレクを取り入れるときの注意点
バスレクを取り入れるときは、以下のようなポイントに注意しましょう。
バス酔いに注意する
バスレクに集中していると気がまぎれますが、やはりそれでもバスに酔ってしまう子どもも少なくありません。保育士が進行に夢中になって子どもの不調を見逃すことがないよう、様子をしっかり確認しながら進めましょう。
あらかじめルールを伝える
バスレクで盛り上がってくると、子どもたちが身を乗り出すなど危険な場面が見られます。あらかじめ立ち上がらないなどのルールを決めておき、子どもたちに周知しておくことが大切です。
出し物を多めに用意しておく
バス移動に渋滞はつきものです。子どもたちが退屈しないよう、出し物を多めに準備しておきましょう。なお、短時間でできるものを予備として考えておくと、時間調整しやすくなるのでおすすめです。
帰りのバスでは無理をしない
目的地でしっかり遊んだ子どもたちは、帰りのバスではウトウト…。時間的にもお昼寝を必要とすることから、帰りのバスでは基本的にバスレクは不要です。無理なく過ごせるよう、ゆったりとした音楽を流してもいいですね。
運転手の指示に従う
バスレクをおこなう際は、安全上運転手の指示に従うことが求められます。出し物を用意していても、子どもたちの安全が確保できない場合は速やかに中止しましょう。
まとめ
この記事では、保育園の遠足などバス移動で使えるバスレクのアイディアをご紹介しました。年齢によって盛り上がる出し物は異なります。子どもたちが普段どのような遊びを好んでいるか考え、ピッタリの出し物を選びたいですね。
保育士経験を活かし、季節の行事に家族で手作りの飾りつけを楽しむのが趣味。
Instagram:https://www.instagram.com/hoik_aya___/