保育士の就活ではよく「理想の保育士像」を聞かれますが、どう答えれば正解なのでしょうか?

この記事では面接で理想の保育士像を聞かれる理由や回答のポイントを解説します。しっかり備えて自分にマッチした職場を見つけましょう!

就職・転職の面接で「理想の保育士像」を聞かれる理由

保育士の面接で「理想の保育士像」を聞かれる理由は、この園に長く勤められる人材か判断するためです。面接相手は回答から以下のような内容を読み取ろうとしています。

人柄や考え方

「どんな保育士になりたいか」は「何を大事にする保育士か」ということでもあります。子どもの個性を大切にする、最新の教育が実践できる、体験イベントが企画できる保育士など、重視する点から人となりや考え方が伝わります。

保育観が園の方針とマッチしているか

理想の保育士像にはその人の「保育観」が表れます。その人の考えが園の方針と合っているか、今いる保育士たちと価値観が合うかなど、職場との相性をみています。

長く働ける熱意があるか

理想を語ると、自然とその人の熱意や責任感が滲み出てきます。ハードさで知られる保育士を長く続けるには、本気度の高さとモチベーションの維持がとても大事なのです。

理想の保育士像を考える時に役立つ5つのポイント

理想の保育士像が面接結果に大きく影響するとなると「悩みすぎて何も思いつかない!」という人もいるのではないでしょうか?そんなときに役立つ5つのポイントをご紹介します。

保育士を目指したきっかけを思い出す

保育士像に悩んだら、まず「なぜ保育士になろうと思ったのか」という初心を思い出しましょう。面接用の回答であっても、偽りのない本当の気持ちがいちばん相手に響くはずです。

出会った子どもたちとの思い出を振り返る

保育士を目指すきっかけになるような、子どもとの触れ合いを思い出してみましょう。歳の離れた兄弟の面倒をみていた、姪っ子や甥っ子と遊ぶのが大好きだったなど自分のルーツを探ってみると「もっとこうしてあげたかった」という形から気持ちが整理できます。

先輩保育士の姿を参考にする 

子どもの頃の先生や実習で出会った保育士など、尊敬できる先輩の姿を参考にするのもおすすめです。その人のどんなところが良かったのか具体的に書き出してみましょう。

子どもや保護者の視点で考える

自分の視点だけではなく、子どもや保護者にとっての「理想の先生」で考えるのも一つの手です。愛情深く接してくれる、なんでも相談できるなど、子どもや保護者の信頼を得られる保育士は園にとって貴重な人材になります。

自分の長所を活かせる内容にする

保育士の理想像は自分のPRチャンスでもあります。他の応募者よりも印象に残るように、自分の特技や長所を踏まえた内容にしましょう。ピアノが得意だから本格的な音楽教育も取り入れたいなど自分を雇うメリットを伝えられるとベストです。

理想の保育士像の回答例

理想の保育士の回答例をいくつかご紹介します。保育士になりたい理由や具体的なエピソードを含めつつ、丁寧な言葉使いを心がけることも大切です。

子どもを上手に褒められる保育士

私は子どもを上手に褒めて意欲を伸ばしてあげられる保育士になりたいです。
私は子どものころ片付けが下手で、着替えも遅くて、家で怒られてばかりでした。でも保育園の先生は同じ状況でも必ず良いところを褒めてくれました。
「すごくたくさんの色を使ってキレイにかけたね!」
「絶対に服の前と後ろを間違えないよね、すごい!」って。
それが嬉しくて「お片付けや早さも頑張れたらもっと私すごいかも」って頑張れるようになりました。私もそんな保育士を目指したいです。

子どもの話を聞いてあげられる保育士

私は子どもの話を聞いてあげられる保育士になろうと思います。
私には3人の姪っ子がいるのですが、ケンカ中や泣いているときに話を聞くと実は深い想いや子どもなりの事情があることが多くて驚きました。
大人はうるさいとつい黙らせて終わりにしてしまいがちですが、子どもの気持ちを丁寧に聞いて、どうしたらうまくいくのか一緒に考えてあげられる保育士になりたいです。

個性を大切にする保育士

私は子どもたちの個性を大切にする保育士になりたいです。
保育実習で入ったクラスに、いつも1人だけ違う遊びをする子、アレルギーでみんなと別に食べる子、発達が遅めのと色々な子がいました。でも子どもたちは当たり前のように無理強いせず、時には助け合ったりして過ごしていたんです。
よく見てみると、トラブルになりそうな時は保育士さんがひとりずつ丁寧に話していました。個性を大事にするって周りの子も含めて全員の気持ちを大事にすることなんだと思いました。私もそんな保育士になりたいです。

体を使う楽しさを教えられる保育士

私は体を使う楽しさを教えられる保育士になろうと思います。
私は子どもの頃から運動が大好きで大学でも児童スポーツ教育を専攻しました。最近は運動が苦手な子どもたちが増えていますが、スポーツは体づくりだけでなく気持ちも育てます。
もっと早く走る方法やボールをうまくキャッチする練習などたくさんの運動やゲームを通じて、子どもたちの自信や頑張る気持ちを育てていきたいです。

自然との付き合い方を教えられる保育士

私の実家は山林の近くで自然の中で育ちました。子どもたちにも自然の魅力や付き合い方を伝えられる保育士になりたいです。
虫を怖がったり、室内でゲームや動画をする子どもが増えているのを勿体なく感じています。季節の草花や昆虫の名前、木のぼりや花輪作りなど自然豊かな場所での遊び方を教えながら、動植物を通じた命の大切さや危険との付き合い方も伝えていきたいです。

保護者を安心させられる保育士

私は保護者の方が安心して任せられる保育士になりたいと思います。
私には1歳の子を持つ姉がいるのですが、先日、保育園から帰った子どもが小さなケガをしてたのですが「なんの説明もなかった」ちゃんと見てくれているのか不安だと心配していました。子育ては分からないことだらけで怖いともよく話しています。
私は学んだ知識を活かして、そんなお母様たちを支えたいです。今日はお子さんにとってどんな一日だったのかきちんと説明できる保育をしたいです。子育ての相談もしてもらえるような信頼関係を築きたいと思います。

笑顔と愛情にあふれる保育士

私はいつも笑顔で愛情たっぷりの保育士を目指します。
私は子どもが大好きで、体力にも自信があります。どんなに大変でもいつも笑顔で乗り切ってきました。元気な笑顔とふれあいで子どもたちを安心させてあげたいです。
たくさんのことを一緒に体験し、ひとつひとつの成長をよろこび毎日褒めてあげられる保育士でありたいと思います。

面接の回答で気をつけたいこと

理想の保育士像はインターネット上に様々な回答例がありますが、きちんと自分なりに掘り下げておかないと会話中に矛盾が生じたり、実は園との相性が悪い回答だったという事態になりかねません。以下のポイントに注意しましょう。

園の方針を事前に確認しておく

保育の方針は園によって様々です。一生懸命考えた保育士像がその園とマッチしないケースも珍しくありません。面接を受ける前にその園の方針をきちんと確認しておきましょう。

背景まで答えられるようにしておく

ネットでみた情報をそのまま使ってしまうと「なぜそう思ったの?」という質問に答えられず、信頼を得られません。回答例はあくまで参考にして自分なりに消化し、背景まで答えられるようにしましょう。

具体的なエピソードで印象的にする

業務内容がシンプルな保育士という職業柄、理想の姿が他の応募者と重複する場合も多いはずです。「こういうことがあって〜」と自分だけの経験談を交えながら伝え、相手の印象に残るように工夫しましょう。

他の回答と矛盾しないように注意する

保育士の面接では自己紹介や長所・短所、なぜ幼稚園でなく保育園を選んだかなど様々な質問をされます。それらの回答と理想の保育士像が矛盾しないように整理しておきましょう。

強すぎる主張はNG

熱意を伝えることは重要ですが、保育士の職場は人間関係のトラブルが多いため主張が強すぎる人は敬遠されやすいようです。柔軟な考え方と謙虚な姿勢も見せていきましょう。

「理想の保育士像」が居心地のいい職場を見つける

保育園の面接で聞かれる「理想の保育士像」でみられるポイントは、あなたにとっても大切なことです。

  • 人柄や考え方
  • 保育観が園の方針とマッチしているか
  • 長く働ける熱意があるか

面接をクリアする保育士像を考えるのは大変ですが、真剣に考えるほど自己分析が進み、自分が何をやりたいのか整理できるというメリットもあります。

気持ちを整えてから就職したい保育園を探せば、自然と保育観が近い上司や同僚がいる職場にたどり着きます。理想の保育士に近い先輩がいる場所で学びながら成長できるでしょう。

保育士の離職理由トップである人間関係も、周囲と保育への考え方が近ければトラブルも少ないはずです。長く働ける居心地のいい職場と出会うためにも、「理想の保育士像」探しを頑張りましょう。

まとめ

保育士の面接でよく聞かれる「理想の保育士像」は、人柄や保育観、仕事への熱意をみるための重要な質問です。

保育士を目指したきっかけや目標にしたい保育士、面接を受ける園の方針などを踏まえながら回答を考えましょう。印象深くするために具体的なエピソードや自分の長所を加えるのも効果的です。

自分らしい保育士像を見つけることは、相性が良い職場との出会いにもつながります。1人で見つけられないときはプロの就職アドバイザーに頼るのもおすすめです。

マイナビ保育士」なら業界専任のアドバイザーが相談に乗ってくれます。理想の保育士像も、いい職場も、一緒に相談してみましょう!

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