初めての保育園に子どもも保護者も不安がいっぱいの4月。不安を受け止め、あたたかく関わることで安心して過ごせるようにしたいですね。この記事では、0歳児クラスの4月を対象とした週案(週間指導計画)の文例をご紹介します。1週ごとの活動内容や環境構成も細かくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
※月の初めの開園日を1日にし、4週間分作成しています。各保育園に合わせてアレンジしてお使いください。
※記事下部まで進んでいただくと週案テンプレートをダウンロードできます。
0歳児4月のおもな活動
- 新しい園での生活に慣れ安心して過ごす
- 授乳や睡眠など一人ひとりのリズムを確保し生理的欲求を満たす
- 動く玩具や音の鳴る玩具で楽しく遊ぶ
0歳児4月の予想される子どもの姿
- 保護者と離れることに不安を抱き、長い時間を泣いて過ごす
- 特定の保育者に抱っこされることで安心した表情を見せる
- 睡眠時間が安定せず保育者が離れるとすぐに起きてしまう
【週案】0歳児4月/1週目の記入例
4月1日(月)
活動内容
- 室内遊び(慣らし保育)
ねらい
- 保育園での生活に慣れる
- 保護者と離れて過ごす
環境構成
- 子どもごとに担当を決めておく
- 子どもに関するさまざまな情報を把握しておく
保育者の援助
- 嫌がり泣き続けても繰り返し声をかけ、安心できるようにする
- 同じ保育者が抱っこを繰り返し、信頼関係を築けるようにする
4月2日(火)
活動内容
- 室内遊び(慣らし保育)
ねらい
- 保育園での生活に慣れ、安心して過ごす
- 特定の保育者との触れ合いを楽しむ
環境構成
- 先日と同じ保育者が抱っこで関わりを持てるようにする
- 送迎時に保護者とゆっくり話す時間を確保できるようにする
保育者の援助
- ゆったりとした気持ちで関わり、安心感を与えられるようにする
- 抱っこしたり体をさすったりしながらスキンシップを図る
4月3日(水)
活動内容
- 室内遊び(慣らし保育)
ねらい
- 保育園での睡眠や食事に慣れる
- 動く玩具に興味を持ち遊ぼうとする
環境構成
- 心地よく入眠できるよう静かなスペースを確保する
- 手の届く範囲に動く玩具を配置する
保育者の援助
- 落ち着いて食事できるよう、個々のペースを大切にする
- 安心して玩具で遊べるよう、特定の保育者が側を離れないようにする
4月4日(木)
活動内容
- 室内遊び(慣らし保育)
ねらい
- 特定の保育者との関わりを重ね、親しみを持つ
- 睡眠や食事の時間を安心して過ごす
環境構成
- SIDSを防ぐための入眠環境を整える
- 子どもの顔が見えるように座り、安心できる雰囲気を作る
保育者の援助
- 子どもの体調に変化がないか確認し、保護者と共有する
- どんなことに興味を持つか観察し、楽しく過ごせるよう工夫する
4月5日(金)
活動内容
- 入園式(ホール)
ねらい
- 保護者と共に子どもの入園を喜ぶ
- 保育園の楽しい雰囲気を感じる
環境構成
- 事前に年長児といっしょに会場を装飾しておく
- 必要に応じて休憩できるよう、会場の後ろにマットを敷いておく
保育者の援助
- 保護者の不安に寄り添い、丁寧に対応できるようにする
- 子どもの様子を見ながら、笑顔で声をかける
【週案】0歳児4月/2週目の記入例
4月8日(月)
活動内容
- 室内遊び(好きな玩具)
ねらい
- 興味のある玩具で遊ぶことを楽しむ
- 特定の保育者とのスキンシップを楽しむ
環境構成
- 子どもの発達状況を理解し、興味に合わせた玩具を用意しておく
- 子どもの移動の妨げになるものを取り除いておく
保育者の援助
- 室温や照明を調整し、心地よく過ごせるようにする
- 遊びの様子を側で見守り、安心して遊び込めるようにする
4月9日(火)
活動内容
- 室内遊び(春の製作)
ねらい
- たんぽ筆を使った製作を楽しむ
- 画用紙に色がつく様子を楽しむ
環境構成
- ちょうちょの形に切った画用紙を用意する
- 絵の具を使用できるよう、机にシートを敷いておく
保育者の援助
- 手を添えながら、リズムよく「ポンポン」と声をかける
- 嫌がる様子があれば無理強いせず、興味を持ったときに取り組めるようにする
4月10日(水)
活動内容
- 室内遊び(ふれあい遊び)
ねらい
- 特定の保育者との信頼関係を築く
- 心地よいリズムを味わう
環境構成
- 床にバスタオルやマットを敷く
- 1対1でゆったり関わる時間を設ける
保育者の援助
- ゆったりとしたテンポでリズムを口ずさむ
- 子どもとしっかり目を合わせながらスキンシップを図る
4月11日(木)
活動内容
- テラス遊び(外気浴)
ねらい
- 外に出て春の陽気を感じる
- 信頼できる保育者と、移動や探索を楽しむ
環境構成
- テラスにブルーシートを敷き、玩具を並べておく
- 高月齢児は探索を楽しめるよう靴を出しておく
保育者の援助
- 保育者が側にいることで安心して過ごせるようにする
- 「気持ちいいね」などと声をかける
4月12日(金)
活動内容
- 身体測定(身長・体重)
ねらい
- 子どもの成長の様子を確認する
- 成長に関する問題や遅れを早期に発見する
環境構成
- 室温を調整し、脱衣後も心地よく過ごせるようにする
- 特定の保育者が測定できるようにする
保育者の援助
- 泣いて動き回る場合は、保育者が抱っこしたまま測定する
- 保護者に結果を知らせ、不安に感じていることなどを聞き取る
【週案】0歳児4月/3週目の記入例
4月15日(月)
活動内容
- 室内遊び(音の鳴る玩具)
ねらい
- 音の鳴る玩具で遊ぶことを楽しむ
- さまざまな保育者と触れ合う
環境構成
- 特定の保育者以外とも関わることができるようにする
- 握ったり叩いたり、さまざまな遊びを楽しめる玩具を用意する
保育者の援助
- 子どもの気持ちを代弁しながらスキンシップを図る
- 特定の保育者が席を離れても安心して過ごせる雰囲気を作る
4月16日(火)
活動内容
- 廊下散策(保育室~ホール)
ねらい
- 保育室以外の環境に親しみを持つ
- 探索活動を楽しむ
環境構成
- 保育室からホールまで自由に移動できるようにする
- 異年齢児の移動と時間が重ならないよう事前に調整しておく
保育者の援助
- ねんね期の子どもは抱っこで移動し、異なる景色を楽しめるようにする
- 意欲的に動いているときは、危険がないよう注意しながら見守る
4月17日(水)
活動内容
- 室内遊び(ふれあい遊び)
ねらい
- 保育者とのふれあいを楽しむ
- スキンシップを重ね、保育者との信頼関係を深める
環境構成
- 床にバスタオルやマットを敷く
- ゆったりとしたオルゴールのCDを用意する
保育者の援助
- 子どもの体を揺らし、楽しい気持ちで過ごせるようにする
- 子どもの反応を見ながら同じ動きを繰り返す
4月18日(木)
活動内容
- ホール活動(マット遊び)
ねらい
- 広い空間で体を動かすことを楽しむ
- 発達に合わせた移動を促す
環境構成
- マットやクッションを使って斜面を作る
- マット以外の場所も広々と移動を楽しめるようにする
保育者の援助
- はいはいしたり転がったりする様子を見守り、危険がないようにする
- 少し離れた場所で名前を呼ぶなど、自分で移動する機会を多く持てるようにする
4月19日(金)
活動内容
- お誕生日会(4月生まれ)
ねらい
- 1歳のお誕生日をお祝いする
- お祝いならではの賑やかな雰囲気を味わう
環境構成
- ゆったりとした雰囲気のなかでおこなえるようにする
- 写真撮影は子どもの機嫌がよいタイミングに合わせておこなう
保育者の援助
- 誕生児の保護者に声をかけ、1年間の子育てを労う
- 普段と異なる雰囲気に不安を感じる子どもは、抱っこで参加できるようにする
【週案】0歳児4月/4週目の記入例
4月22日(月)
活動内容
- 内科健診(ホール)
ねらい
- 子どもの発育や栄養状態を確認する
- 健康状態の異常を早期に発見する
環境構成
- 特定の保育者が抱っこしたまま診てもらえるようにする
- 待っている間は自由に遊べるよう玩具を用意しておく
保育者の援助
- 不安で泣いてしまう子どもの気持ちに寄り添い、やさしく声をかける
- 内科健診後もしばらく抱っこを続け、気持ちを安定させる
4月23日(火)
活動内容
- 園外活動(こいのぼり観察)
ねらい
- 春のあたたかい陽気を味わう
- こいのぼりが揺れる様子を観察する
環境構成
- お散歩カートや抱っこひもを用意する
- 引率する保育者の数を増やし、十分に目が届くようにする
保育者の援助
- 子どもを抱っこするなど、こいのぼりがしっかり見える位置に誘導する
- こいのぼりの歌を歌い、雰囲気を楽しめるようにする
4月24日(水)
活動内容
- 避難訓練(地震時の防災頭巾のかぶり方)
ねらい
- 防災頭巾に親しみを持つ
- 手順に沿って素早く園庭に避難する
環境構成
- 防災頭巾の数を確認する
- 事前に時刻を決めておき、流れを確認しながら訓練できるようにする
保育者の援助
- 特定の保育者が防災頭巾を被せ、嫌悪感を抱きにくくする
- 避難中もやさしく声をかけ、不安を与えないようにする
4月25日(木)
活動内容
- 園庭遊び(探索遊び)
ねらい
- 心地のよい天気のなか、のびのびと過ごす
- さまざまなものに興味を持つ
環境構成
- お散歩カートやベビーカーを用意する
- 休憩スペースとしてテラスにシートを敷いておく
保育者の援助
- 安心して探索できるよう、保育者が側で見守る
- 砂や石を口に入れないよう注意する
4月26日(金)
活動内容
- 室内遊び(こいのぼり製作)
ねらい
- さまざまな素材に触れる
- 色をつける楽しさを味わう
環境構成
- 画用紙やトイレットペーパーの芯、絵の具などを用意する
- 2人ずつ机の上で製作できるよう準備しておく
保育者の援助
- 「こいのぼり見たね」などと声をかけ、イメージを膨らませる
- 活動を嫌がる子どもには無理強いせず、機嫌のよいタイミングで改めて取り組めるようにする
0歳児4月の振り返り記入例
- 入園からしばらく泣いて過ごしていた子どもも、特定の保育者と信頼関係を築き安定して過ごせるようになってきた
- 慣れない環境でミルクの量が減ったり体調を崩したりする子どもが多いため、引き続き注意深く見守っていく
- 送迎時にバタバタしてしまうことが多く、不安を感じる保護者への寄り添いが不十分だった
- 少しずつ興味が広がり、玩具に手を伸ばしたり室内を探索する姿が見られるようになった
- 今後は特定の保育者以外とも信頼関係を築けるよう、ゆっくり関わりを増やしていく
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保育ライター
保育士・幼稚園教諭資格を持つ2児の母。保育士歴10年、現在はライターとして活動中。
保育士経験を活かし、季節の行事に家族で手作りの飾りつけを楽しむのが趣味。
Instagram:https://www.instagram.com/hoik_aya___/
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