園だよりは保護者の方が保育園の活動や子どもの園での様子、行事のお知らせなどを知るための大事な手紙です。園だよりの作成方法やスタイルは保育園によってそれぞれで、パソコンで作成する園もあれば、温かみがでると手書きで作成する園もあります。ただし、作成する際の大切なポイントは、どの作成方法でも一緒です。ポイントを押さえて、きれいかつ正確な園だよりを作成しましょう。

当記事では園だよりの作成におけるポイントと注意点を解説します。これから園だよりを作成する保育士の方は、ぜひ参考にしてください。

1. 園だより作成ポイント

保育園では、基本的に月に1回のペースで園だよりを作成して、家庭に配布します。保育園の保育方針や取り組み、行事の狙い、子どもたちの様子などを伝えることが主な目的です。行事までに家庭で準備してほしいものなどのお願いや、取り組みの保育園のお知らせ・連絡事項なども記載します。

園だよりを作成するときは、イラスト集やインターネット上のフリー素材などを活用して季節感を出すのがおすすめです。書く内容に困らないよう、日頃から子どもたちの様子をメモしてネタをためておきましょう。

ここでは、園だより作成のポイントを4つ紹介します。

1. 書き出しでは季節を取り入れる

園だよりは毎月発行するので、書き出しは季節が感じられる挨拶文ではじめるとよいでしょう。難しく考える必要はなく、たとえば4月なら「心地よい春風を感じる季節となり、新しいクラスが始まりました」といった文章です。
書き出しが決まらない場合は、挨拶文の文例集を活用するのがおすすめです。インターネット上でも無料のテンプレートが見つかります。

2. 伝えたいことはなにか考える

園だよりを作成する前に、事前に保護者の方に伝えたい項目を整理します。まずは、伝えようと思う事柄を思いつくままざっと書き出しましょう。

なにを伝えるかをまとめる工程を省いていきなり文章を書きだすと、一番重要な項目に割くスペースが少なくなったり、全体的にまとまりがない記事になったりしかねません。後々記事全体の内容のバランスを決めるためにも、なにを記載するか決めておくのは大事な作業になります。

3. 大切な内容をトップに持ってくる

保護者の方に伝えたい項目を書き出したら、優先順位をつけます。発表会や運動会などの大きな行事があったり、保育園での生活に関して保護者にお願いがあったりする場合は優先順位のトップにくるでしょう。重要な内容は忘れず、園だよりに記載するようにしましょう。

書き出してはみたものの、改めて考えるとそれほど必要ないと感じる項目があれば、削って構いません。園だよりの紙面は限られているため、掲載する情報はよく考慮して取捨選択しましょう。

4. 全体的なバランスを考える

園だよりに書く内容と優先順位が決まったら、全体の構成を考えてバランスよくレイアウトします。優先度が高く重要な項目は大きめにスペースを取り、目立つ場所に配置することが大切です。

なにが書かれているのかひと目で把握できるように、各項目に見出しをつけましょう。見出しはフォントサイズを大きめにしたり太字にしたりすると、本文とのメリハリがついて読みやすくなります。

「お知らせ」「お誕生日を迎えたお友だちの紹介」など毎月掲載する項目は、毎回記事内で同じ位置に固定するのがおすすめです。位置を固定することで、保護者の方の見落としが防げます。

2. 園だより作成の注意点

園だよりは保護者の方にお渡しするもので、書いた内容が残るため慎重に作成する必要があります。

園だよりの担当者は、作成が締切ぎりぎりになって慌てないよう、スケジュールに余裕を持って作成することが大切です。書き終わったら印刷する前にほかの保育士に読んでもらい、園だよりの内容におかしな点がないかチェックしてもらいましょう。

ここでは、作成にあたって注意すべき書き方のポイントを4つ紹介します。

1. 保育園の行事の日程は確認する

園だよりには、行事予定や活動の日程を載せます。行事の日程を記載したときは、日時に誤りがないか十分に確かめましょう。月日は合っていても曜日を間違えることもあるので、注意が必要です。

多くの保護者の方は行事に備えて仕事の予定を調整する必要があるため、日程に間違いがあると大きな迷惑をかけることになります。園のスケジュールと見比べ、記載する日付に間違いがないよう十分に注意しましょう。

2. 子どもの個人情報が出すぎないようにする

園だよりは、子どもが特定できるような個人情報を出さないように細心の注意を払って作成しましょう。保育園では子どもの名前や住所、保護者の職場や経済状況などデリケートな情報を扱っています。保育士には個人情報を守る義務があり、漏洩することは許されません。
子どもの様子を伝えようとして、顔がはっきり分かる写真を使ったりフルネームを記載したりすることは避けましょう。どの程度まで公開してよいかは園の方針によって異なります。園だよりを作成する担当になったら、作成する前に確認しましょう。

3. 正しい敬語を使う

園だよりは保護者の方に向けて作成するものなので、園だよりに書く文章は言葉遣いや敬語には十分に気をつける必要があります。もちろん、誤字脱字もないようにしましょう。いくら内容が優れていても、敬語の使い方がおかしかったり誤字や脱字が多かったりすると、保護者が受ける印象は悪くなります。「子どもを任せて大丈夫かな」「きちんとチェックしていないんだな」と思われかねません。

書いた後に丁寧に見直せば、誤字や脱字などには気づけます。敬語の間違いは、読み返しても自分では見つけづらいものです。ほかの保育士に頼んでチェックしてもらいましょう。

4. 正確な情報を記載する

感染症対策や子どもの健康管理について記載する場合は、事前にしっかり調べて正確な情報を書くことが重要です。厚生労働省では、「保育所における感染症対策ガイドライン」をはじめとするさまざまな通知やガイドラインを出しています。信頼性の高い資料を参考にして、正確な内容を発信することを心がけましょう。

誤った内容を書くと、混乱を招き、保育園への不信感にもつながります。

3. 園だよりのおすすめのトピックス

園だよりの担当になって、どのようなことを書けばよいか迷っている方もいるでしょう。ここでは、いくつかおすすめのトピックを紹介します。

●最近の保育園の様子

最初に季節の挨拶を書いた後は、最近の園や子どもの様子を伝えるのがおすすめです。運動会やクリスマス会などの大きなイベントがあればそちらを書き、なければ子どもたちの普段の園生活がうかがえるエピソードを記すとよいでしょう。たとえば、下記のような内容です。

・梅雨を迎え、雨の日が多くなりました。子どもたちの間では室内で人気の○○遊びに夢中です。
・園庭では、大縄を楽しむ子どもたちの姿が見られます。

●季節についての話題や行事・記念日

園だよりを出す月の季節や記念日を紹介するのもよいでしょう。たとえば、5月なら子どもの日、7月なら七夕など、それぞれの行事の由来や雑学、園での取り組みを記載します。行事や記念日に行った活動の写真もあれば、園だよりがより充実するでしょう。

・5月5日は、子どもの成長を祝う大切な「子どもの日」です。園ではこいのぼりを作りました。
・7月7日は、織姫と彦星が年に1度だけ会える「七夕」です。園では笹を飾り、子どもたちの願いを書いた短冊を飾りました。

お知らせ・お願い


保護者の方へのお知らせや協力のお願いなどを記入します。園だよりにどこまでお知らせを載せるかは、園の方針によって変わります。園長に確認したり担任同士で話し合ったりして、内容を決めるとよいでしょう。

・〇日に健康診断を実施します。尿検査について別途お手紙を配布しますので、内容のご確認をお願いします。
・夏が近づき、暑くなってきました。子どもたちはよく汗をかきます。着替えを多めにご用意いただきますよう、お願いいたします。

まとめ

園だよりとは保育園の保育方針や行事内容、普段の子どもたちの様子を保護者の方にお知らせするものです。基本的に月に1回発行し、配布します。

園だよりを作成するときは書き出し文に季節感を取り入れ、重要な内容がトップに来るように記載する内容のバランスを決めましょう。行事の日程には間違いのないように再度確認し、子どもの個人情報には十分に注意を払う必要があります。記載する内容は正しい内容かつ言葉遣いを意識し、配布する前に何度も記事を確認して間違いがないか確かめましょう。

「ほいくらし」では、園だよりに記載できる行事の情報や制作のアイデアをお届けしています。園だよりに何を書くかお悩みの方は、ぜひ「ほいくらし」をお役立てください。

※当記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しています

お得な情報や最新コラムなどをいち早くお届け!ほいくらし公式LINE
友だちに追加する
保育の最新情報や役立つ知識をゆる~く配信中!ほいくらし公式X(旧Twitter)
園での遊びや催し物など有益な情報をお届け!ほいくらし公式Instagram

この記事をSNSでシェア