子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」が、現役保育士106名を対象に行った、【2024年版】「チームビルディング」に関する実態調査の結果を公表しました。園長との関係性は、保育士の仕事の満足度やストレス、転職・退職に影響する実態が明らかになっています。(ほいくらし編集部)
現役保育士の23.6%が、園長との関係性が「良好ではない」と回答、2021年から7.4ポイント改善
「Q1.現在、あなたと園長の関係性は良好ですか。」(n=106)と質問したところ、「全く良好でない」が6.6%、「あまり良好でない」が17.0%という回答となりました。
園長との関係構築における課題、「園長が意見を聞いてくれない」「園長にリーダーシップがない」が上位
Q1で「全く良好でない」「あまり良好でない」と回答した方に、「Q2.園長との関係構築において具体的にどのような課題がありますか。(複数回答)」(n=25)と質問したところ、「園長が意見を聞いてくれない」が52.0%、「園長にリーダーシップがない」が44.0%、「園長が現場を把握できていない」が36.0%という回答となりました。
「園長の好き嫌いで職員に対する態度が違いすぎる」や「報連相が全て出来ていない」などの課題も
Q1で「全く良好でない」「あまり良好でない」と回答した方に、「Q3.園長との関係構築においてQ2以外の課題があれば教えてください。(自由回答)」(n=25)と質問したところ、「園長の好き嫌いで職員に対する態度が違いすぎる」や「報連相が全て出来ていない」など17の回答を得ることができました。
<2024年(n=25):自由回答・一部抜粋>
- 園長の圧がすごい。職員が委縮してしまい、おかしいと思うことでもイエスマンにならざるを得ない。
- 考えが古い。
- 意見があわない。聞こうとしない。
- 園長の好き嫌いで職員に対する態度が違いすぎる。園長の独断がすぎる。
- 報連相が全て出来ていない。
<2021年(n=34):自由回答・一部抜粋>
- 園児の育成方法の意思統一が図れていない。
- 園長の一貫性のない理想論に振り回されている。園長が自身を振り返るような制度、また保育士が園長を評価できるような、保育士や保護者から匿名で意見できる、透明性のある制度の構築が必要。
- 諦めている。
- 本音がわからない。もっとコミュニケーションが取れたら、違うのかもしれない。
- 園長が現場の声や日々の子どもとの信頼関係を無視して、保育に対して口出しをしてくる。
- 全員に対等な態度をとるべき。
- 仕事の量がおおすぎる。
- 仕事以外の会話がない。
園長との関係性が仕事に与える影響、「満足度」では78.3%、「ストレス」では71.7%が、その影響を実感
「Q4.園長との関係性は、仕事の満足度・ストレスに影響がありますか。(マトリクス形式)」(n=106)と質問したところ、満足度は「非常に影響がある」が26.4%、「やや影響がある」が51.9%、ストレスは「非常に影響がある」が34.0%、「やや影響がある」が37.7%という回答となりました。
64.1%が、園長との関係性は「自身の転職・退職に影響がある」と回答、2021年比13.2ポイント減
「Q5.園長との関係性は、ご自身の転職・退職に影響がありますか。」(n=106)と質問したところ、「非常に影響がある」が27.3%、「やや影響がある」が36.8%という回答となりました。
勤務先の園長のタイプ、2021年と同じく「民主型」が最多、2位以降が入れ替わる結果に
「Q6.あなたがお勤めの園長のタイプを教えてください。」(n=106)と質問したところ、「民主型(職員からの意見や提案を受け入れ、組織の方針に反映するタイプ)」が18.9%、「コーチ型(職員1人1人をよく把握し、各自の能力向上を支援するタイプ)」が16.0%という回答となりました。