【専門家監修】「まわりに嫌われるのが怖くて、本音をいえません。空気ばかり読んで、疲れてしまいます」|心理カウンセラー 中島 輝

保育士のみなさんがいま知っておきたい「うつ感情の対処法」を、心理カウンセラー・中島輝さんが紹介。今回は、「まわりに嫌われるのが怖くて本音をいえず、空気ばかり読んで疲れる」という悩みに答えてもらいました。
保育の現場では、親御さんや先輩、同僚などに気を遣うシーンが多く、それだけで気疲れして保育に集中しづらくなる人もたくさんいると思います。そんなときの対処法は、他人の気持ちに無理に合わせるのではなく、あくまで「自分のいいところ」にフォーカスすることだと、中島さんはいいます。どんなときも自信を持って保育に集中するための、心の整え方を紹介します。
「嫌われるのが怖くて、本音をいえない」ときの対処法
まわりに嫌われるのが怖くて、本音をいえません。空気ばかり読んで、疲れてしまいます。
心理カウンセラー 中島 輝さんからの回答
まわりの人に本音をいえないのは、いったいなぜでしょうか?
それは、「NO」「できない」と本音をいうと、「自分勝手な人だと思われる」「いまの仕事の部署を変えられるかもしれない」などと恐れているからです。
「仲間外れ」の恐怖は、集団をつくって生きてきた人間の特性として、遺伝子レベルでインプットされています。他人に拒絶されたり、無視されたりすることを、わたしたちはとても恐れるのです。
人間にとって居場所があることは、さまざまな欲求を満たすうえでとても大事なことです。そのため、わたしたちは自分の居場所を奪われるリスクを感じると、本音をいわずにやりすごそうとします。でも、我慢しすぎていると、ストレスが重なって心に大きな負担がかかってしまうわけです。
そんな人には、自分の強みを探して、自信を持つことができるエクササイズが役に立ちます。企業の事業分析や戦略立案によく使われる「SWOT分析」を、自分にも行ってみましょう。名づけて「ひとりSWOT分析」です。
「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの項目で、自分を分析します。
《ひとりSWOT分析》
❶あなたの「強み、長所、得意なこと」を紙に書き出しましょう(S)。
❷あなたの「弱み、短所、苦手なこと」を紙に書き出しましょう(W)。
❸あなたが「これから成長するための機会」を紙に書き出しましょう(O)。
❹あなたを「脅かすもの、危険な人物」を紙に書き出しましょう(T)。
自分についてこれら4つの要素をあらかじめ知っておくと、どんな状況でもうまく立ち回れる自信が芽生えてきます。
あなたが本音をいえないのは、なにかを恐れる理由があるからです。自分の強みや機会にフォーカスして、同時に弱みや脅威に対して準備ができていれば、どんな環境でも自信を持って行動できます。
もうひとつ、他人の言動やまわりの空気を深読みするのは、ほとんど意味がないことも知ってほしいと思います。なぜなら、人はそれぞれ自由な見方で、ものごとを判断しているからです。
仮に、あなたの最愛の愛犬が亡くなったとします。あなたはきっと喪失感にさいなまれるでしょう。でも世の中には、「わたしは最近母を亡くしました。それよりはたいしたことないでしょう」と考える人もたくさんいます。
いかがですか? 誰かの気持ちに無理に合わせたり、まわりの空気を読んだりして生きづらさを感じるのは、あなたにとってほとんど意味がないことなのです。
中島 輝さんからのワンポイントアドバイス
構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 写真/川しまゆうこ
※この連載は、『自己肯定感が高まる うつ感情のトリセツ』(きずな出版)をアレンジして掲載しています。
自己肯定感が高まる うつ感情のトリセツ
著者名:中島 輝
出版社:きずな出版 2022年4月発売
自己肯定感アカデミー(https://ac-jikokoutei.com/)