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森林インストラクターとは、自然や森林の知識を持ち、森林の魅力や安全な過ごし方を伝えるスキルを有する人です。
森林インストラクターになるためには、「森林インストラクター資格試験」に合格することが必要であり、森林だけでなく、林業・野外活動などに関する幅広い知識が求められます。
また、保育士が森林インストラクターを取得することで、子どもたちと屋外で遊ぶ際にも役立てることができます。
当記事では、森林インストラクターの概要・仕事内容について解説します。
資格取得方法や主な就職先についても紹介するため、森林インストラクターの資格に興味がある人や、これから受験を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
森林インストラクターとは
森林インストラクターとは、森林や林業に関する深い知識を持ち、森林での楽しみ方や野外活動の方法を指導する「森林のスペシャリスト」です。
「森林インストラクター」と名乗るためには、一般社団法人全国森林レクリエーション協会が実施する「森林インストラクター資格試験」に合格することが必要です。
森林には、林間学校・森林浴・きのこ狩りなどを目的に、多くの人が訪れます。
森林インストラクターは、自らの知識を活かして、自然の大切さや森林の魅力を利用者に伝え、森林内での安全指導を行います。
森林インストラクターが活躍できる場所
森林インストラクターの主な就職先は、自治体や国立公園などの公的機関、アウトドアショップやツアー会社などの民間企業が挙げられます。
中には、NPO法人に就職する人や、アウトドアガイドとして独立して収入を得る人もいます。
森林インストラクター資格試験の合格者は、森林インストラクターとして登録され、都道府県の自治体などに紹介されます。
そのため、多くの合格者が、都道府県の森林インストラクター会に所属し、森林イベント・ボランティアなどを行っています。
森林インストラクターの仕事内容
森林インストラクターの仕事は、森林ガイドから環境ボランティアまで、多岐にわたります。
以下は、森林インストラクターの主な仕事内容です。
森林インストラクターの主な仕事内容 | |
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森林ガイド | ・森林を訪れる人の道案内を行う ・森林の安全な楽しみ方を教える |
森林活動のサポート | ・バードウォッチングやネイチャーゲームなど、森林で行うさまざまな活動のサポートを行う |
林間学校や自然教室の指導 | ・学校や青少年団体向けの林間学校・自然教室の指導者となり、自然環境教育を実施する |
自然観察会の開催 | ・地域住民などを対象として、森林を楽しむためのイベントを開催する |
環境ボランティア | ・森林内に生息する動物・昆虫・植物や景観を守る活動を行う ・森林調査を行う |
林インストラクターの仕事内容は幅広いため、森林に関する知識だけでなく、森林の中に生息する動物・昆虫や、植物・きのこなどに関する深い知識も求められます。
森林インストラクターの一日の流れ
森林インストラクターの仕事内容や一日の流れは、職場によって大きく異なります。
以下は、国立公園で働く森林インストラクターにおける、一日の例です。
森林インストラクターの一日の流れ | |
---|---|
9:00 | ・地元の森林へ出勤 ・森林ガイドの準備 |
10:00 | ・森林ガイド業務 |
12:00 | ・昼休み |
13:00 | ・森林調査 |
15:00 | ・森林ガイドで利用する資料作成 ・自然教室の打ち合わせ |
16:00 | ・森林内の清掃活動 |
18:00 | ・退勤 |
あくまで、上記の流れは参考例である点に注意してください。
例えば、休日・大型連休日などであれば、一日中森林ガイドを行うこともあり、季節・天候が悪い場合は事務作業がメインとなることもあるでしょう。
特に冬期は、森林ガイドなどの対人業務が減少する傾向にあります。
森林インストラクターとして働くメリット・デメリット
森林インストラクターは、やりがいが大きい反面、大変な面もある仕事です。
以下では、森林インストラクターとして働くメリット・デメリットを紹介します。
メリット |
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・子どもから大人まで、多くの人に自然の魅力を伝えることができる ・仕事を通して森林の環境保全活動ができる ・森林の魅力を感じながら、ゆったり仕事ができる ・年齢を問わず仕事を長く続けられる |
デメリット |
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・ボランティア活動の割合が多いため、安定した収入を得ることが困難な傾向にある ・自然災害・事故など、アクシデントが発生する危険がある ・森林ガイド時は、利用者の命を預かることになるため、責任が大きい業務となる |
森林インストラクターは、地域の森林に携われる仕事となる一方で、森林活動には一定の責任・危険が伴います。
収入はやや少ない傾向にありますが、森林や自然が好きな人にとっては、趣味の延長として楽しい仕事となるでしょう。
森林インストラクターの資格概要・取得方法
森林インストラクターと名乗るためには、一般社団法人全国森林レクリエーション協会が主催する「森林インストラクター資格試験」の合格が必要です。
森林インストラクター資格試験は、「森林インストラクター認定事業」として環境大臣・農林水産大臣の登録を受け、平成3年度より実施されています。
ここでは、森林インストラクターの資格概要・取得方法について解説します。
1. 試験の概要と受験・合格要件
森林インストラクター資格試験は、基本的に年1回の開催となります。
以下は、森林インストラクター資格試験の概要です。
森林インストラクター資格試験の概要 | |
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開催場所 | 札幌市・東京都・名古屋市・大阪市など |
応募資格 | 20歳以上 |
試験内容 | ・1次試験(筆記4科目) ・2次試験(実技試験と面接) |
(出典:一般社団法人 全国森林レクリエーション協会「森林インストラクターを目指す人」 /http://www.shinrin-instructor.org/candidate_information.html)
1次試験では、4科目それぞれで6割以上の正答率が必要です。
1科目でも6割以上の正答率に満たない場合は、不合格となります。
ただし、一度合格した科目は再試験の際に免除を受けることが可能です。
1次試験は、5年以内に合格点を取ることが条件のため、数年にわけて合格を目指す人もいます。
また、2次試験では、あらかじめ提示されたテーマに沿って、森林インストラクターとしての模擬演技を行います。
森林・林業・野外活動・安全教育などに関する総合的な知識が求められるため、入念に対策を行いましょう。
2. 試験内容
森林インストラクター資格試験は難易度が高く、例年合格率は低い傾向となっています。
特に、森林インストラクターの1次試験の範囲は「農林」「林業」「森林内の野外活動」「安全及び教育」と幅広く、選択式だけでなく記述式の問題も多数出題されます。
以下は、1次試験の出題範囲に関する詳細です。
1次試験の出題範囲 | |
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森林 | ・森林生態 ・森林内の動植物やきのこ ・森林についての歴史や文化 など |
林業 | ・人工林の施業技術 ・伐採や搬出・森林や林業に関する法律 ・木材加工 ・特用林産物の生産利用 ・林業や林産業の動向 など |
森林内の野外活動 | ・キャンプ・登山・ネイチャークラフトなど、野外活動全般に関するスキルや知識 |
安全及び教育 | ・自然の中での危機回避術 ・救急救命 ・自然保護の理念 など |
(出典:一般社団法人 全国森林レクリエーション協会「森林インストラクターを目指す人」 /http://www.shinrin-instructor.org/candidate_information.html)
2次試験は、実技試験と面接であり、特に実技試験では森林に関する確かな知識が問われます。そのため、1次試験の対策を入念に行うことが、森林インストラクター資格試験の合格のコツと言えます。
まとめ
森林インストラクターは、森林や林業の知識を豊富に持つ森林のスペシャリストであり、森林インストラクター資格試験の合格が必要です。
森林インストラクター資格試験は、難易度がやや高いため、1次試験の試験科目を中心に深い範囲まで学習することが大切となります。
森林インストラクターは、国立公園や自治体などの職員・アウトドアメーカーの社員・NPO職員などで活躍が可能です。
また、保育士が森林インストラクターを取得することで、自身のキャリアアップに繋がる可能性が高まります。
森林や自然が好きで、野外活動に関する知識を保育に活かしたい人は、ぜひ森林インストラクターの取得を目指してみてください。