保育士さんといえばニコニコ笑顔の素敵な先生ですが、実はストレスを抱えやすい職業としても知られています。長く働くにはストレスをうまく発散していくことが大切。この記事では保育士のストレスの原因とおすすめの対処法を解説します。
保育士がストレスを感じる6つの原因
ストレスを解消するにはまず原因を理解することが重要です。保育士がストレスを感じる原因は以下の6つがよくあげられます。
職場の人間関係
女性が多い職場特有の人間関係の難しさには多くの保育士が苦しんでいるようです。令和元年に公表された「東京都保育士実態調査報告書」でも保育士の離職理由第1位。約3人に1人(全体の33.5%)が離職理由にあげています。
仕事の多さ
保育士の仕事量の多さは有名です。目が離せない子どもたちと過ごしながら膨大な事務作業もこなさなければなりません。日案・週案・月案、年間計画や指導案、指導記録に行事の準備など…仕事の持ち帰りや残業、休日出勤は当たり前という職場も珍しくありません。
給与や待遇への不満
この数年で保育士の待遇改善が進んできたとはいえ、その責務に対しての給与や待遇はまだまだ十分とはいえません。こども家庭庁が作成した令和4年度の職種別平均賃金では全産業の平均月収が35.5万円なのに対し、保育士の平均月収は30.8万円です。
体力的にきつい
保育士は踊って、走って、抱っこして、重い荷物を運んでと毎日が体力仕事です。体力的なつらさは保育士退職理由の6位にランクインするほど。常に体がきつければ精神的にもつらくなるのは当たり前です。
保護者対応が大変
特別なモンスターペアレンツではなくても保護者への報告には気を遣います。大切な子どもたちのケンカやケガ、行事協力のお願いや日常報告などでもちょっとした行き違いで「どういうことなの?」と聞かれる度にヒヤリとするでしょう。
教育方針のすれ違い
保育士は自分なりの信念をもって仕事をしている人が多いため、職場や上司との教育方針の違いで思うような保育ができずに苦しむケースは珍しくありません。公開されている方針に共感して就職しても現場はそうなっていない場合も多いのです。
保育士はストレスを抱えやすい?あなたは大丈夫?ストレス状態のサイン
保育士はストレスを抱えやすい職業のひとつです。
ストレス要因がたくさんあるだけでなく、命を預かる重さを理解し、教育への想いを持った責任感の強い人が多いため、日々の大変さをそのまま受け止めてしまいます。
体調が悪くても、待遇や職場環境に不満があっても、頑張りすぎてしまうのも保育士の特徴です。体のストレスサインを見逃さないようにしましょう。
これらのサインはストレスが原因で起こる「心身症」「うつ病・躁うつ病」「不安障害」の症状でもあります。頻繁に感じるようであれば心療内科やカウンセラーの受診も検討しましょう。
保育士を長く続けるためにはストレスとしっかり向き合って、無理せずにこまめに対処することが大切です。
疲れたら休む、苦しい時は吐き出す、悩みは誰かに相談するといったように、早めに動いて解消していきましょう。
保育士がストレスを感じたときの対処法8選
ほいくらしが保育士に聞いたアンケート結果などを元に「保育士ストレス対処法」をご紹介します。自分に合った解消方法を探してみましょう。
美味しいものを食べて飲む
保育士アンケートで一番多かった回答が「美味しいものを食べて飲む!」元気を出す方法の王道かもしれませんね。たっぷり食べて飲んで、明日への英気を養いましょう。
ショッピングを楽しむ
Tシャツとスエットが多い職業ではありますが、人生を楽しむために働いているのです。時には思い切ってすてきな服やバッグ、趣味の品に奮発して、保育士じゃない自分も楽しみましょう。
銭湯や温泉でのんびりする
心身を癒すにはやっぱりお風呂が効きます。スパや温泉旅行は計画する段階から前向きになれそうです。体の疲れもストレスもお湯に溶かしてデトックスしましょう。
スポーツで発散する
運動でストレスを発散するのもおすすめです。色々溜まってきたなと感じたら無心になるまで体を動かすといいでしょう。定期的にジムやプールに行くのもいいかもしれません。
歌や音楽を堪能する
好きな音楽を聴くと高いリラックス効果が得られます。大きな声で歌うのもおすすめです。ライブやカラオケで発散する、静かな部屋でしっとりと堪能する、自分のスタイルで楽しんでみましょう。
無理せず休む
保育士さんはみんな頑張っています。だからといって「自分だけ休めない」と無理をしすぎると深刻な体調不良やメンタルヘルス不調鬱になってしまうことも。心身の状態はひとりひとり違います。周囲を気にせず休むことも大切です。
人間関係は深入りしない
女性が多い職場の人間関係は、周囲と距離を置くとずいぶん楽になるはずです。以下のポイントを意識してみましょう。
- 業務に支障がない程度の付き合いでOKと考える
- 苦手な人とはメールやチャットを活用してなるべく接触しない
- 悪口は言わない・乗らない・気にしない
- プライベートは必要以上に話さない
- SNSのフォローも避ける
誰かに相談する
人間関係や体力面、待遇など職場環境のことは上司や園長に相談すると配慮してもらえることがあります。悩みは親しい同僚や友人に共感してもらうだけでも気持ちが軽くなります。ストレスの原因は1人で抱え込まず、声に出すようにしましょう。
まとめ
保育士は責任の重さや職場環境からストレスを抱えやすい職業です。自分なりの解消方法を見つけてこまめに対処することが大切です。
保育士におすすめの対処法には、美味しいものを食べて飲む、ショッピング、銭湯や温泉、スポーツ、音楽鑑賞や歌、無理せず休む、人間関係は距離を置く、誰かに相談するなどがあります。自分に合った方法を探してみましょう。
それでもストレスを感じるなら職場を変えるのも一つの方法です。業界専門のキャリアアドバイザーがつく「マイナビ保育士」なら新しい職場への不安を最小限にできます。
理想の働き方は必ずあります。保育士という大変な仕事を長く続けられるようにストレスと上手に付き合っていきましょう。