保育の最新情報や役立つ知識をゆる~く配信中!
X(旧Twitter)をフォローはこちら!
保育園の園長は、園の総責任者としてさまざまな仕事に携わります。運営業務や行政とのやり取り、保護者対応など、あらゆる仕事を同時に進めることが園長の仕事です。やりがいが大きく、保育職の中では給料も高いため、保育士のステップアップ先として人気です。
当記事では、園長の役割や仕事内容、給与相場について解説します。また、園長として働くメリット・デメリットや、園長になるためのルートも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
保育園の園長とは?
園長とは、保育現場の責任者として保育園の運営や経営を担う役職です。保育士のキャリアを積んで管理職としてステップアップし、現場保育士としての最終ポストとなります。
園長は運営と経営の両方に携わります。事務作業が中心ですが、保護者や行政のやり取りなどのコミュニケーション業務も務めるなど、役割は幅広くなっています。
保育園の園長に保育士資格はいる?
公立保育園の場合、園長になるために保育士資格が必要です。一般的には、保育士資格を取得し、市町村の公務員試験に合格し正規職員として採用され、そこからキャリアを積み、園長試験を受験する流れとなります。
一方で、私立保育園は園長になるための条件が園によって異なります。要件として保育士資格が指定されていない場合もあります。公立保育園のように保育士としてキャリアを積み重ねて園長になる場合もありますし、家族経営の保育園であれば、保育士資格を持たない親族が園長を務める場合もあるでしょう。
保育園の園長の仕事内容
保育園の園長の仕事内容は多岐に渡ります。いずれも運営力や保育の経験が必要とされるものばかりです。
- 保育園の運営計画の立案
- 行政とのやりとり
- 行事やイベントでの挨拶
- 設備管理
- シフト管理
保育園を運営するにあたり、国や自治体から支給される補助金や運営にかかる経費などの収支計画を立てる必要があります。予算計画を含めた事業計画の立案は、園の存続のためにも欠かせません。
保育園の責任者として行政とのやりとりも担います。補助金等の書類作成をしたり、必要に応じて行政や自治体の会議に出席したりすることもあります。
また、入園式や運動会といった園行事における挨拶や、外部の式典などへの出席も行います。
保育園の設備や施設全体が安全に保たれているかの管理も、園長の大切な仕事です。不備が見つかった場合には、早急に修繕計画や予算を作成し、業者に依頼するなどの対応を行います。
園に勤務する職員のシフト管理も園長が行うケースが多いでしょう。職員の勤務体制や子どもの状況、園行事などを加味しながら決定する必要があり、職員の負担や業務のバランスにも気配らなければいけません。 もちろん、園長が保育士として直接保育に携わることもあります。
保育園の園長を目指す4つのルート
保育園の園長になるためには、4つのルートからステップアップすることが一般的です。
経験を積んでキャリアアップする
勤務年数や経験を積み、保育士としてキャリアアップする方法は、園長を目指すためにもっとも正統な方法です。公立保育園の場合は、昇進試験を経て園長に就任します。私立保育園の場合は園によって基準が異なりますが、クラス担任から主任を経て昇進するケースが一般的です。
園長職の求人に応募する
家族経営の保育園の場合、園長は一族の子どもや親族に受け継がれていくケースがほとんどです。自分の家族や親族が保育園経営をしていた場合、後継ぎとして園長を引き継ぐ可能性があります。
家族経営の保育園を引き継ぐ
家族経営の保育園の場合、園長は一族の子どもや親族に受け継がれていくケースがほとんどです。自分の家族や親族が保育園経営をしていた場合、後継ぎとして園長を引き継ぐ可能性があります。
自分で保育園を開園する
自分自身で保育園を開園することで、園長となることができます。実現のハードルは高いものの、理想の保育園を作りたい人に向いています。
園長になるルートは多数ありますが、家族経営の保育園など経験を積んでも園長になれないケースもあるため、自分に合った保育園を選ぶことが大切です。
保育園の園長に求められるスキル
園長は幅広い仕事に携わるため、さまざまなスキルが求められます。園長に求められるスキルの一部は、以下のとおりです。
コミュニケーション能力
園長は、保育士や行政、保護者などさまざまな人と接する仕事です。コミュニケーション能力が高いと、人間関係や交渉のやりとりに役立ちます。
リーダーシップ
園長は保育園のトップとして職員をまとめるため、リーダーシップが必要です。周囲から信頼される園長を目指しましょう。
管理能力
園長にとって、保育園を健全に運営するための管理能力は非常に重要です。経営知識や人材管理の知識だけでなく、行政制度などの知識も熟知しておく必要があります。
保育園の園長の年収
園長の年収は、公立か私立かによって異なります。ここでは、それぞれの年収の相場と退職金について紹介します。
公立保育園の場合
令和4年賃金構造基本統計調査によると、公立園の場合、園長の平均年収は759万円でした。
退職金は、基準となる月の給与月額に退職理由や勤続年数などの条件による掛け算をする形で算出されます。自治体によって差が出るものと考えられますが、総務省「令和5年 給与・定員等の状況の調査結果」によると、公立保育園の定年退職者の場合、平均支給額は約2,179万円でした。
私立保育園の場合
令和4年賃金構造基本統計調査によると、私立園の場合、園長の平均年収は679万円でした。
退職金がもらえるかは、その園の就業規則によって異なります。社会福祉法人の場合、多くの園が「退職金共済」に加入しているため、そこから退職金が支払われる場合が多いでしょう。その場合には、福祉医療機構公式ウェブサイトより、退職金のシミュレーションができるます。勤続年数や退職6ヶ月前の平均年俸などを入力し、おおよその額を確認してみるとよいでしょう。
保育園の園長として働くメリット・デメリット
ここでは、園長として働くメリットと・デメリットを紹介します。
園長として働くメリット
園長として働くメリットは、やりがいの大きさと収入面の高さが中心です。
理想の保育を実現できる
園長は保育園の運営方針や保育理念を自由に設定することが可能です。子どもの個性を伸ばす保育や英語教育を取り入れた保育など、自分の理想の保育方針を実現できます。
園内のイベントや保育業務の方向性なども自由に決められるため、自分の個性や保育力を発揮したい人には、やりがいが大きいでしょう。
収入面が安定している
保育士は処遇改善が進んでいますが、他業種と比べると低賃金の仕事です。しかし、保育の実績を積んでキャリアアップすると収入は次第に安定していきます。保育園のトップである園長となると、かなりの高給を得ることが可能です。
園長として働くデメリット
園長として働くデメリットは、責任の大きさや大変さが中心です。
運営の全責任を担う
園長は、保育園のトップとしてすべての職員をまとめ、運営の責任を担う必要があります。最高責任者としてリーダーシップを取っていくことは、精神的にも肉体的にもハードです。自分の選択ミスが職員のやる気や保育園の経営に大きく影響することもあり、常に責任とプレッシャーを感じるでしょう。
人間関係の調整や保育士育成の難しさ
園長は、シフト管理やクラス編成、保育士の育成も仕事のひとつです。これらの仕事はさまざまなスキルが求められるうえ、複数のタスクを同時にこなす必要があります。
また、上記は重要な仕事ですが仕事の難易度も高いため、日頃から人間関係に気を配りつつ、育成に関するスキルも高める必要があります。
保育園の園長に向いている人
保育園の園長は施設の責任者であることから、様々な業務を行う必要があります。仕事内容や求められることから、保育園の園長に向いているのは以下のような強みを持つ人だと言えるでしょう。
- リーダーシップ
- コミュニケーション能力やマナー
- 管理能力
- 問題解決能力
子どもたちによりよい保育を提供するには、園全体で一丸となり日々の保育を進める必要があります。リーダーシップをとりながら職員のモチベーションを保ち、向上させていける人は園長に向いているでしょう。「自分が実現したい保育」だけでなく、職員の思いにも寄り添いながら組織をまとめるリーダーシップがあれば大きな強みになります。
また、園長は他の職員や子どもたち、保護者以外にも、行政や地域住民、園に関係する業者など様々な人と関わる機会があります。相手の意見に耳を傾けたり、相手の思いを汲み取ったりするコミュニケーション能力が高い人が向いているでしょう。あわせて、園の代表として、相手に接するためのマナーも不可欠です。
さらに、園長は園の運営がスムーズに行われるために現場を統括する立場でもあります。周りの保育士や他の職員の様子を把握し、行事の準備などを計画的に行える人は、管理能力が高いため、園長に向いていると考えられます。
また、園には、子どもや保護者、職員といった様々な立場の人がいるため、トラブルがつきものです。その都度、どのように対応すべきか適切な対処ができる問題解決能力が高い人が向いているでしょう。
まとめ
園長は園の責任者として、園の運営が円滑に進むよう、様々な観点から物事を考え、判断しなければならない責任の大きい仕事です。仕事に内容も多岐にわたり、園の職員や子どもたち、保護者はもちろん、自治体や周辺住民など様々な人との連携を図る必要があります。やりがいがある一方で、求められることも多くハードな仕事のため、園長として働くメリット・デメリットを理解したうえで、働き方を決めることが大切です。
子どもにとってよりよい保育を行うには、人的環境や物的環境の整備が必要です。園長は園の今の状況を把握し、適切な対処を行わなければいけません。リーダーシップやコミュニケーション能力のほか、管理能力、問題解決能力も求められる仕事と言えるでしょう。
保育士専門の情報サイト「ほいくらし」では、園長を目指す人や保育士に役立つ記事が多数掲載しています。保育士の仕事に興味のある人は、ぜひご活用ください。
お得な情報や最新コラムなどをいち早くお届け!ほいくらし公式LINE 保育の最新情報や役立つ知識をゆる~く配信中!ほいくらし公式X(旧Twitter)