ロタウイルス

ろたういるす

ロタウイルスは、乳幼児をはじめとした子どもの急性胃腸炎を引き起こす感染症の主な原因となるウイルスです。電子顕微鏡で見ると車輪に似た形をしているため、ラテン語で車輪という意味を持つ「ロタ」と名付けられました。

例年、3月から5月にかけて、乳幼児を中心に感染が流行します。 非常に感染力が強く、わずかなウイルスが手や指などから口に入ることで感染します。

発症すると水のような白色の下痢や嘔吐を繰り返すことが特徴です。ロタウイルスには抗ウイルス剤がないため、体力の消耗や脱水症状に注意しながら栄養と水分を補給する治療が行われます。

また、2020年10月から生後2か月以降の子どもを対象にロタウイルスワクチンが定期接種化されています。

■関連用語

保育士さん向けにもう少し詳しく!

乳幼児でロタウイルスに初めて感染した場合は下痢や嘔吐などの症状が強く出ることがあります。

ロタウイルスはアルコール消毒や熱に対する抵抗力が高く、便や嘔吐物が手につくと、手洗いをしても手や爪に数億個のウイルスが残っていることがあります。そのため、感染者の便やおむつを処理する場合は、使い捨ての手袋やごみ袋を使用して適切に処理をすることが大切です。また、便が乾燥するとウイルスが空気中に舞うことで感染が拡大することもあるので、ゴミ袋を使用する際には袋の口をしっかり縛る、袋を二重にするなどの対応をするとよいでしょう。

衣服が汚れた場合は、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)で消毒をして、他の物と分けて洗濯しましょう。

用語監修者

竹綱庸仁
たけつな小児科クリニック 院長

愛知県の大学病院勤務の後、奈良県の2次医療機関の小児科の立ち上げに従事。
平成29年にたけつな小児科クリニックを開業。
「すべては子どもたちのために」をスローガンに、24時間365日の小児医療を提供できる環境を目指している。

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